聖文
ヨブ記3


第3章

1 こののち、ヨブはくちひらいて、自分じぶんうまれたをのろった。

2 すなわちヨブはった、

3 「わたしのうまれたほろびうせよ。『おとこが、たいにやどった』とったもそのようになれ。

4 そのくらくなるように。かみうえからこれをかえりみられないように。ひかりがこれをてらさないように。

5 やみと暗黒あんこくがこれをりもどすように。くもが、そのうえにとどまるように。くらくするものが、これをおびやかすように。

6 そのは、くらやみが、これをとらえるように。としのうちにくわわらないように。つきかずにもはいらないように。

7 また、そのは、はらむことのないように。よろこびのこえがそのうちにかれないように。

8 をのろうものが、これをのろうように。レビヤタンをふるおこすにたくみなものが、これをのろうように。

9 そのけのほしくらくなるように。ひかりのぞんでも、られないように。また、あけぼののまぶたをることのないように。

10 これは、わたしのははたいじず、またなやみをわたしのかくさなかったからである。

11 なにゆえ、わたしはたいからて、ななかったのか。はらからたときいきえなかったのか。

12 なにゆえ、ひざが、わたしをけたのか。なにゆえ、ぶさがあって、わたしはそれをったのか。

13 そうしなかったならば、わたしはしてやすみ、ねむったであろう。そうすればわたしはやすんじており、

14 自分じぶんのためにあときずなおしたおうたち、参議さんぎたち、

15 あるいは、こがねをち、しろがねをいえたしたきみたちと一緒いっしょにいたであろう。

16 なにゆえ、わたしは人知ひとしれずおりる胎児たいじのごとく、ひかりないみどりごのようでなかったのか。

17 かしこでは悪人あくにんも、あばれることをやめ、うみつかれたものも、やすみを

18 とらわれびとともやすらかにおり、使つかものこえかない。

19 ちいさいものおおきいものもそこにおり、奴隷どれいも、その主人しゅじんからはなされる。

20 なにゆえ、なやものひかりたまい、こころくるしむものいのちたまわったのか。

21 このようなひとのぞんでもない、これをもとめることはかくれたたからるよりも、はなはだしい。

22 かれらははかいだすとき、非常ひじょうよろこたのしむのだ。

23 なにゆえ、そのみちかくされたひとに、かみが、まがきをめぐらされたひとに、ひかりたまわるのか。

24 わたしのなげきはわが食物しょくもつかわってきたり、わたしのうめきはみずのようにながる。

25 わたしのおそれるものが、わたしにのぞみ、わたしのおそれおののくものが、わがおよぶ。

26 わたしはやすらかでなく、またおだやかでない。わたしはやすみをない、ただなやみのみがる」。