25メルキゼデクは声を上げて、アブラムを祝福した。
26さて、メルキゼデクは信仰の人であり、義を行った。子供のころ、彼は神を畏れ、ライオンの口を封じ、猛火を鎮めた。
27こうして彼は神から認められ、神がエノクと交わされた聖約の位に従う大祭司に聖任された。
28それは、神の御子の位に従うものであり、その位は人によらず、人の意志によらずに与えられたもので、父も母もなく、日の初めも年の終わりもない。それは神から来たものであった。
29それは、神御自身の声の召しにより、神御自身の御心に従って、人々に、すなわち神の名を信じるすべての人に与えられた。
30神御自身がエノクと彼の子孫に固く誓っておられたからである。この位と召しに従って聖任された人は皆、信仰により、山々を崩し、海を分け、水を干上がらせ、その流れを変える力を持つであろう。
31また、もろもろの国の軍勢をものともせず、地を分け、あらゆる縄目を解き、神の前に立ち、神の御心と命令のとおりにすべてのことを行い、支配と権威を服従させる力を持つであろう。これは、創世の前からおられた神の御子の御心によるのである。
32この信仰を持ち、この神の位に上った人々は、身を変えられて天に取り上げられた。
33さて、メルキゼデクはこの位の祭司であった。そのため、サレムで平和を得て、平和の君と呼ばれた。
34そして、この民は義を行い、天を得、エノクの町を求めた。それは、末日まで、すなわち世の終わりまで取っておくために、神がかつて地から分けて取り上げられた町である。
35神は、天と地が一つとなり、神の子らが火によるかのように試されると言い、固く誓われた。
36このメルキゼデクはこのように義を打ち立てたので、彼の民によって天の王、言い換えれば、平和の王と呼ばれた。
37そして、彼は大祭司であり、神の倉を守る人であったので、声を上げて、アブラムを祝福した。
38神は彼を、貧しい人々のために什分の一を受け取るように定めておられた。
39そこでアブラムは、自分が持っていたすべてのもの、すなわち神が必要を超えて授けてくださったすべての所有の富の什分の一を彼に納めた。
40すると、神はアブラムを祝福し、御自身が交わされた聖約と、メルキゼデクが彼に授けた祝福とに従って、富と誉れと土地とを永遠の所有として彼に授けられた。