「教師自身が,イエス・キリストの教義を学ぶ」『教師養成スキル』(2022年)
「教師自身が,イエス・キリストの教義を学ぶ」『教師養成スキル』
教義を教える
教師自身が,イエス・キリストの教義を学ぶ
スキル:学習者が自分で福音の教義と原則を見つけられる助けとなり,特定の回答に生徒を誘導しない,自由回答形式の探求のための質問を考えてください。特定の答えに導くことは避けます。
定義
探求を促す自由回答形式の質問は,前もって決められた正解や特定の回答に導くのではなく,自分で聖文が真理であることを見いだし,理解するよう生徒を招きます。この手法により,生徒の聖文学習はさらに生徒と関連のあるものとなり,主に,生徒を個人的に教え,霊感を授けていただくことができるようになります。これらの質問は,(1) 特に印象に残ったことを考えるよう生徒に勧め, (2) 教師が期待している答えを生徒が探す必要がなくなり, (3) 見つけ,理解した真理をどのように自分の生活に応用できるかを生徒に考えさせることができます。また,聖句を調べて真理を見つけるよう生徒を招き,生徒が見つけた真理をさらに理解するために使うことができます。
モデル
ここでは探求を促す,自由回答形式の質問を用いて,生徒が自分で真理を見つけ理解する方法を,幾つかの事例によって紹介します:
-
「主が従順の大切さを教えている節を見つけてください」と勧める代わりに,こう尋ねるとよいでしょう。「これらの節の中でどのような原則が心に残りましたか。」
-
「これらの聖句の中で,イエスはわたしたちが主を信じる信仰を抱くことの必要性を強調しておられます」と言うよりも,「これらの節の中のイエスの教えや模範から,どのような原則を学べますか」と尋ねるとよいでしょう。
-
「この節で,常に祈ることを主が思い起こさせておられるのが分かりますか」と尋ねるよりも,「この節から,主は祈りについてのどのようなメッセージをあなたに理解してもらおうとしておられるでしょうか」と尋ねるとよいでしょう。
練習
次の練習の一つまたは複数を使って,生徒が自分自身で真理を見つけ,理解するのを助ける能力を向上させてください:
-
モロナイ10:32—33を見る。一つ以上の原則を見つける練習をして,生徒がこれらの節からどのように様々な原則を見つけられるかを見てみる。生徒に複数の原則を見つけさせられるような質問を一つ書き留める。
-
次のレッスンで生徒と学ぶ予定の聖句ブロックについて考える。生徒にそれらの節を読んでもらい,あなたがすでに見つけた特定の原則を見つけさせようとするのではなく,探求を促すような,自由回答形式の質問を2,3書いて,生徒が自分自身で原則を見つけられるよう助ける練習をする。
-
次のレッスン予定を見る。学んでいる節から生徒が見つけるかもしれない原則を一つ選ぶ。この原則への理解を生徒がさらに深めるうえで役立つ簡単な質問を2,3書く練習をする。前もって決められた,あるいは特定の答えに誘導するような質問にはしない。
話し合う,または深く考える
この経験から学んだことについて深く考えてください。思いついたことを,学習帳に書き留めてもよいでしょう。次の質問について考えてください:
-
生徒が,探求を促すような,自由回答形式の質問を通して学べるよう助けるために,何をしたことがあるだろうか。
-
この経験から学んだことの中で,探求を促すような自由回答形式の質問をする能力を高めてくれるのはどのようなことだろうか。
-
引き続き改善するために,何を行えばよいだろうか。
取り入れる
今週レッスンの準備をするときに,生徒が福音の教義と原則を自分で見つけるうえで役立ち,探求を促すような,自由回答形式の質問を作る。特定の回答に生徒を誘導する質問にならないようにする。それを書き留めて,家族や同僚,自分自身にそれぞれの質問をしてみる。クラスで尋ねる質問を一つ決めて,レッスンで使う。
さらに深く知る
-
チャド・H・ウェッブ「ここまで来たのは,ただここまで来るためではない」(宗教教育セミナリー&・インスティテュート年次訓練放送,2020年6月9日)+ broadcasts.ChurchofJesusChrist.org
-
セクション2.1-2.3「ユニット2: Teach the One」現職指導者向けリソース(学習者に焦点を当てる)
-
「教義を教える」の項にある「生徒たちが聖文の真理をみつけるのを助ける」『救い主の方法で教える』(2016年),21