「聖文の中の対比を探す」『聖文研究のスキル』
聖文の中の対比を探す
定義する
対比とは,物や人の違いを比較することであると説明します。聖文ではしばしば,考えや出来事,人々が対比されています。一節,一章,あるいは複数の章や書に含まれる対比を探すことができます。これらの対比について考えることは,聖文の教えをさらに理解し,自分自身の生活に役立つ福音の原則を見つける助けとなります。
モデルを示す
このスキルを実際に見せるために,以下の例の一つ,または自分で考えたものを使うことを検討してください。一人の生徒に,このスキルをやって見せてもらってもよいでしょう。その場合は,生徒に前もって知らせ,準備する時間を事前に取れるようにしてください。
クラス全体でモーセ4:1-2を読み,ルシフェルの特質と救い主の特質を比べます。1節でルシフェルが繰り返し使っている「わたしは」という言葉と,誉れと栄光を求めるルシフェルの望みを指摘するとよいでしょう。これと,救い主が謙遜で私心のないことがわかる言葉「父よ,あなたの御心が行われ,栄光はとこしえにあなたのものでありますように」(モーセ4:2)を比較してください。
このスキルを実際にやって見せるもう一つの方法は,レーマン,レムエル,ニーファイの行動を比較することです。エルサレムの家を出て荒れ野へ行くように主から命じられたときの彼らの反応について考えてください(1ニーファイ2:1-4参照)。1ニーファイ2:11-13にあるレーマンとレムエルの態度と行動を,1ニーファイ2:16に記されているニーファイの態度と行動と対比します。または,聖句を読む代わりに,ビデオ「ニーファイ,レーマンとレムエルのために祈る—1ニーファイ2:8-24」の0:00から2:52まで見せるとよいでしょう。レーマンとレムエルの態度と行動をニーファイのものと比較することであなたが学んだことを伝えるとよいでしょう。
練習する
今週聖文を読む範囲から聖句を一つ選ぶか,以下の聖句から選んでください。生徒に,この聖句を研究し,考えや出来事,人物の対比を探す練習をしてもらいます。その後,生徒が見つけた対比と,そこから学べることを発表してもらうとよいでしょう。
練習のためのその他の聖句:
-
エゼキエル34:2-6,10-16。イスラエルの羊飼い(指導者)と,主の民の羊飼いであられるイエス・キリストを比較する。
-
ルカ18:9-14。パリサイ人と取税人の祈りと態度を比較する。
-
アルマ36:12-14,18-21。アルマが主の御名を呼び,自分の罪を悔い改める前とその後の気持ちを比較する。
-
教義と聖約76:50-54,71-74,79, 81-85,101。日の栄え(50-54節参照),月の栄え(71-74,79節参照),星の栄え(81-85,101節参照)の王国を受け継ぐ人々の,福音とイエス・キリストの証に対する反応を比較する。
招き,フォローアップする
個人学習の際に,聖文の中から比較や対比を探す練習をするように生徒に勧めます。その後何回かのレッスンで時間を取り,生徒がこのスキルを使って見つけたことを発表する時間を設け,フォローアップします。また,聖文をさらによく理解するうえでこのスキルがどのように役立っているかを発表してもらってもよいでしょう。このスキルを引き続きクラスで練習してください。