「聖文に注釈を付ける: 印を付け,メモを追加する」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』(2025年)
「聖文に注釈を付ける」『教義と聖約 セミナリー教師用手引き』
第171課:聖文研究のスキル
聖文に注釈を付ける
印を付け,メモを追加する
この課では,生徒に,自分の聖典に印を付け,メモを追加することで,聖典の学習をより有意義なものにし,天の御父とイエス・キリストに近づくことができるようになってもらいます。
生徒の準備:毎日の聖文研究の中で,自分にとって意味のあること,特に天の御父とイエス・キリストの愛を理解したり感じたりするのに役立つ言葉に印を付けるようにと,生徒に言います。印を付けた事柄と,そこに印を付けた理由を発表できるようにして来てもらうとよいでしょう。
学習活動案
聖文研究をもっと意味のあるものにする
意識せずに行うことと,それとは対照的に,もっと意味を込めて行うことの例を,生徒に幾つか発表してもらいます。例えば,クラスメートにあいさつしたり,クラスメートと話したりすることや,「ありがとう」のメモやメールを送ること,聖文を研究することなどが挙げられます。
救い主はわたしたちに,聖文は意識せず読むのではなく,救い主の言葉を「調べ」,「研究し」て,「よく味わう」ようにと命じられました(教義と聖約1:37;11:22;2ニーファイ32:3)。聖文を通して,わたしたちは主を知り,主の愛を感じることができます(ヨハネ5:39;モルモン書ヤコブ3:2参照)。
少し時間を取って,自分の聖文研究は,天の御父とイエス・キリストに近づくのに役立っているか,どれくらい役立っていると感じているかなど,生徒に聖文研究の仕方を自己評価してもらいます。
聖文研究をさらに意味のあるものにするために,あなたが行ったこと(または行ったらよいと思うこと)にはどのようなことがありますか。
生徒の答えをよく聞いて,ホワイトボードに書きます。以下の内容を,教師が自分の言葉で説明するといいかもしれません:
詳しく説明する:聖文に印を付ける
聖文研究を意味のあるものにする一つの方法は,自分の聖典に印を付け,メモを追加することです。この課を学びながら,自分の聖文研究を天の御父とイエス・キリストに近づくのに役立つものにするには,どのような方法で聖典に印を付けるのがよいか,見つけてください。
見本を示す:聖文に印を付ける
聖文に印を付ける方法として,ここに示したビデオや画像のような例を幾つか生徒に見せます。聖文への印の付け方として,自分がしている方法を生徒に発表してもらってもよいでしょう。その箇所に印を付ける理由を,生徒に言ってもらいます。
「2.3.1 A Marking System That Works for You(日本語吹き替え)」(1:56)このビデオでは,十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老が,聖文にどのような方法で印を付けているかを話しています。
「聖文に印を付ける{」(1:42)このビデオでは,大管長会のダリン・H・オークス管長が,聖文にどのような方法で印を付けているかを説明しています。
-
聖文に印を付けるのはなぜでしょう。
-
聖文に印を付けることが,どのような役に立つと思いますか。
練習する:聖文に印を付ける
次の聖句の全文をホワイトボードに書くか,掲示するとよいでしょう。あるいは,可能であれば,「福音ライブラリー」にあるこれらの聖句の電子版を見せます。これらの聖句の代わりに,別のマスター教義聖句や,教師が選んだ別の聖句を使ってもかまいません。
デジタル版の聖典を使う生徒のために,ある程度時間を取って,「福音ライブラリー」アプリで聖文に印を付ける方法を実演するとよいでしょう。その方法に関する指示については,「福音ライブラリー」アプリの「ヘルプ」の項を見てください。福音ライブラリーユーザーガイド(iOS)や福音ライブラリーユーザーガイド(Android)の「コンテンツに印をつける」を見ることもできます。
印を付ける練習をするには,教義と聖約68:5-6を読み,自分にとって意味のあるものに印を付けてください。救い主について学んだことや,救い主が自分に対してどのように感じておられるかに,特に注意を払うとよいでしょう。
聖句をホワイトボードに表示している場合は,自分が印を付けた部分にホワイトボード上の聖句に印を付けてもらい,印を付けた理由を発表してもらうといいかもしれません。
-
どの言葉や語句に印を付けましたか。なぜその言葉が目につきましたか。
-
印を付けたら,その聖句に対する感じ方が何か変わりましたか。救い主に対するあなたの気持ちは変わったでしょうか。もし変わったのであれば,それはなぜですか。
ある聖文の言葉が印象に残った場合,それは主が聖霊を通して生徒に語りかけておられるのかもしれないことを指摘するとよいでしょう。
詳しく説明する:複数の聖句をリンクしたり,グループ分けしたりする
これを行うと,あるテーマに関して,さらにたくさん聖句を研究してそれらをリンクしたり,グループ分けしたりすることもできるようになります。
見本を示す:複数の聖句リンクしたり,グループ分けしたりする
-
あなたに対する救い主の愛について,複数の聖句をリンクしたり,グループ分けしたりする方法にはどのようなものがありますか。
生徒の答えに耳を傾け,場合によっては,以下に挙げる活動も行ってください。救い主の愛を感じるのに役立つ聖句として例えば,教義と聖約68:5-6と教義と聖約18:10-11を使うとよいでしょう。以下に,生徒が挙げそうなアイデアや,生徒が発表した内容に対して追加できそうなアイデアを幾つか挙げます:
-
聖典の初めか終わりに挿入されている空白のページ,または聖典学習帳に参照聖句を書く。
-
聖句の横の余白に,関連する聖句の場所を書く。
-
「福音ライブラリー」アプリを使っている場合は,リンク機能またはタグ付け機能を利用する。
必要に応じて,リンクとは二つの聖句を結びつけることであり,タグ付けとは三つ以上の聖句を同じテーマでグループ分けすることだと説明します。このやり方の見本を「福音ライブラリー」アプリでやって見せるか,生徒の一人にやってもらうといいかもしれません。できれば,教師や生徒が行っていることを,携帯電話よりも大きな画面に表示するとよいでしょう。このやり方については,「福音ライブラリー」アプリの「ヘルプ」の項を参照してください。右上隅にある3つの点を選択すると,このセクションにアクセスすることができます。(注:総大会の説教や「福音ライブラリー」アプリのその他の資料の段落をリンクしたりタグ付けしたりすることもできます。)
練習する:複数の聖句をリンクしたり,グループ分けしたりする
次の活動を行うと,聖文をグループ分けしたりリンクしたりしてみたいと生徒に思ってもらうことができるかもしれません。レッスンで,前もって生徒が別の聖句を学ぶようにしていた場合は,同じテーマの異なる聖句を選び,以下に挙げる聖句と置き換えてもよいでしょう。
以下の聖句から3つ以上を読み,救い主の愛を感じるのに役立つ聖句として,それらをリンクしたり,グループ分けしたりしてみてください:教義と聖約18:10-11;34:1-3;45:3-5;49:26-27;68:5-6;138:3;イザヤ49:15-16;ヨハネ15:13;ローマ8:35-39;1ヨハネ4:19;1ニーファイ19:9。
クラス全体,または少人数のグループで,聖句をどのようにグループ分けしたか,それが自分にとってどんな意味があったかを発表し合ってもらいます。また,グループ分けやリンクを自分の聖文研究でどのように活用したいか,考えたことを発表してもらってもよいかもしれません。
詳しく説明する:メモを追加する
聖文研究を通して主に近づくもう一つの方法は,学んでいることについて,メモを追加することです。
十二使徒定員会のデビッド・A・ベドナー長老は,聖文を研究しながらメモをすることの大切さについて,次のように説明しています:
「聖文を研究するとき,学んだことや考えたこと,感じたことを書き留めるのは深く考える方法の一つであり,継続して教えが授けられるように聖霊を招く強力な方法となります。」(デビッド・A・ベドナー「御言葉が目の前にあるので」『リアホナ』2006年4月号,20)
見本を示す:メモを追加する
聖典の余白に書いたり,小さな紙に書いて聖典や聖典学習帳に挟んだり,あるいは「福音ライブラリー」アプリを使って電子的に記録したりしてメモを追加できることを,実演したり,このレッスンの初めの方で見せた写真やビデオを思い出してもらったりしましょう。
練習する:メモを追加する
レッスンの締めくくりとして,今日研究した聖句の少なくとも一つについて,考えたことや感じたことを書いてみましょう。
語句を強調表示して「メモ」を選択し,文字を入力して,デジタル聖典にメモを追加するという方法を,実際にやって見せてもいいかもしれません。
生徒がメモを追加する練習をした後で,数人の生徒に,あまり個人的な話にならない範囲で,書いたことを発表してもらいましょう。また,今後,自分の聖典にどのような方法で印を付けたいと思うか,なぜそう思うのかを,生徒に尋ねてもよいでしょう。