2021
欠かすことのできない女性の役割
2021年3月号


欠かすことのできない女性の役割

2015年5月1日,ブリガム・ヤング大学女性の大会での説教,“Women of Dedication, Faith, Determination, and Action”(「献身,信仰,決意,行動の女性たち」)から。

神の王国の業は,教会の忠実ですばらしい姉妹たちと手を取り合って進めなければ,真の目的を達成することはできません。

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photos of women in various settings

女性は驚くべき影響力を持っています。福音の王国を前進させ,世界をより良い場所にするために,女性ほどの働きができる人たちはほかにいません。

ここにいる姉妹の皆さんがほかの聖約の女性たちと手を取り合って一致協力するとき,皆さんの良い影響力は果てしなく広がります。わたしはこれまで,人々の生活や家族内における皆さんの重要な永遠に及ぶ影響力を目の当たりにしてきましたし,世界中の数え切れないほど多くの文化や国において,それを目にしてきました。

また,支部やワード,ステーク,伝道部,神殿,そして教会中央での割り当てにおいて,皆さんがどれほどのことを成し遂げられるかも知っています。大小様々な企業や慈善事業,また市民団体,教育機関,保健機関,スポーツ団体における皆さんの貢献は,計り知れません。

評議会の女性たち

わたしは何年もの間,忠実な女性たちが参加する評議会の力について話してきました。皆さんの洞察力と助言は絶対に不可欠なものです。今日,伝道部で指導者として忠実に奉仕し,伝道部指導者評議会に参加する姉妹宣教師が増えているおかげで,主は教会と世界を豊かに祝福してくださっています。自身のエンダウメントを早く受ける女性が増えた結果,教会で奉仕する神殿の聖約を交わした女性の数が増えています。中央会長会で奉仕する姉妹の指導者たちは,総大会で祈ったり,話したりしています。

聖文の中の女性たち

女性の中には,聖文や教会歴史の中に,もっと多くの女性が登場すればいいのにと思う人もいます。わたしたちは,ある若い姉妹のように,女性の影響力を見いだす能力を伸ばす必要があります。その姉妹は次のように言いました。「モルモンには,すばらしい奥さんがいたに違いないわ!だからモロナイのようなすばらしい息子が育ったのよ。」

もし皆さんが注意深く探して見るならば,同じような優れた子育ての例を聖文の至る所で見つけることができるでしょう。

もう何年も前から,教会は教会の忠実な姉妹たちとその貢献に注目してきました。例えば,history.ChurchofJesusChrist.orgにある資料「信念をもった女性たち」をよく読んでみてください。

開拓者の姉妹たちが果たした役割は驚くべきものでした。末日聖徒ではなかったある執筆者は,開拓者たちについてこう記しています。「末日聖徒の女性たちは,信じられないほどすばらしかった。」1

聖文や教会歴史にどんな女性たちが登場するかを調べて見つけるならば,家庭や地域社会,教会,世界に対して女性たちが持つ影響力がさらによく理解できるようになります。

選択肢のバランスを取る

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eye doctor examining a woman’s eyes

わたしはこれまで,多くの女性たちが公職に任命され,また選出され,大企業や組織の最高経営責任者に就任し,名門の経営学大学院や法科大学院,医学部に入学するのを見てきました。

ジョセフ・スミスは1842年,扶助協会の姉妹たちにこう言っています。「わたしは今,神の名によって皆さんのために鍵を回します。これから後,この協会には喜びがあり,知識と英知が注がれるでしょう。〔女性たち〕にとって明るい未来が今始まったのです。」2

わたしたちは今,この預言的なビジョンの実現を目の当たりにしています。女性のための新たな機会と進歩が,かつてない形で広がろうとしているのです。あらゆる可能な選択肢の中で,すべての事柄のバランスを上手に取るのは難しいことです。結局のところ,わたしたちはたいてい,互いに競合する選択肢の中から選ぶ必要があるのです。

もちろん,『家族—世界への宣言』で説明されているように,わたしたちには従うべき神聖な規範がありますが,この世の生涯は簡単ではないことを知っています。多くの女性が長い期間独身でいます。結婚している人もいます。伴侶を亡くしたり,離婚したりして,独身になる人もいます。そして,一度も結婚することのない女性もいます。

それでも,もしわたしたちが忠実であり,最後まで堪え忍ぶならば,どのような義にかなった望みも拒まれることはなく,最終的にはすべての祝福を受けるでしょう。自分の前にある選択肢に関して,主が自分に望んでおられることを各自が知らなければなりません。

主の御心が分かったら,信仰をもって前進して,自分の目的を果たしてください。

用意されている祝福

神殿で礼拝する教会員は,御霊に波長を合わせるなら,主が永遠にわたって御自分の忠実な娘たちや息子たちのために驚くべき祝福を用意しておられることを悟るでしょう。

そうした祝福とは,どのようなものでしょうか。大管長会第一顧問のダリン・H・オークス管長による,わたしたちの状況について理解を深めてくれる次の見解が,それを説明しています。「この世の人生の目的と末日聖徒イエス・キリスト教会の使命は,神の息子,娘をその行く末のために備えさせること,すなわち天の両親のようになる備えをさせることです。」3

福音の物語は家族の物語であり,それ以上でもそれ以下でもありません。それは天の両親から始まり,子供たちが時に痛快で,時に圧倒されるような現世の数々の試練を乗り越えて,永遠の昇栄に必要なすべての儀式を受け,天の家に帰るところで終わります。

それはわたしたちの人生の物語です。神はわたしたちにあらすじを与えてくださっていますが,その詳細を自らの選択と忠実さを通して肉付けすることは,わたしたちに委ねておられます。とびきり幸せな結末が,それを望むすべての人に用意されています。しかし,それを享受する前に,わたしたちは単なる神の子供ではなく,主の弟子にならなければなりません。

キリストの弟子としての女性

人生は注意をそらそうとするものに満ちており,それらは教会の核となる教え,とりわけイエス・キリストの贖罪の教えから,わたしたちを遠ざけてしまうことになりかねません。

預言者ジョセフ・スミスは次のように述べています。「わたしたちの宗教の基本原則は,使徒と預言者たちがイエス・キリストについて立てた証です。すなわち主が亡くなり,葬られ,3日目に再びよみがえって,天に昇られたことです。わたしたちの宗教に関するほかのすべての事柄は,それに付随するものにすぎません。」4

イエス・キリストの贖罪は,わたしたちのメッセージの中心です!わたしたちの核となる大切なものです。わたしたちの教義の中心です。末日聖徒イエス・キリスト教会の心であり魂です。

これまでに生活の中で救い主の贖罪という真理とその力を感じたことがない人には,この回復の中心的なメッセージにもう一度心を向けることをお勧めします。そのメッセージとはすなわち,わたしたちは「自らの血を流すことによってこの完全な贖罪を成し遂げられた,新しい聖約の仲保者イエスを通じて完全な者とされた正しい人々」になれるという宣言です(教義と聖約76:69)。

姉妹の皆さん,どうかあらゆる必要なことを行って,回復の中心にあるシンプルなメッセージに常に心を向けてください。そのメッセージを受け入れてください。理解してください。喜んで応じてください。愛してください。分かち合ってください。擁護してください。

聖約の力を持つ女性たち

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woman in wheelchair teaching a class

さて,わたしが皆さんにお願いしたいのは,預言者ジョセフ・スミスが扶助協会の姉妹たちにお願いしたのと同じことです。「扶助協会は,貧しい人を助けるだけでなく,人を救うために存在します」と,ジョセフ・スミスは言っています。5

「主と聖約を交わした教会のすべての姉妹は,人々の救いの手助けをなし,世の女性を導き,シオンの家庭を強め,神の王国を築くようにとの神聖な命令を神から受けています。」6どうか,一人一人の会員の生活の中で信仰が増し加えられるよう助けることによって,教会が前進し続けることができるようわたしたちを助けてください。

義にかなった忠実な女性たちは,人を救い,神の国を守るうえで常に不可欠な役割を果たしてきました。しかし,この最後の神権時代の女性である皆さんには,とりわけ重要な果たすべき役割と責任があります。皆さんは,決意,信仰,献身,行動の女性たちです。

過去の忠実な姉妹たちと同じように,皆さんはいつか皆さんのものとなる永遠の祝福をすべて得るために,皆さんに授けられている神権の権能をどのように使うかを学ぶ必要があります。

やがて主なる救い主が「それでよい」と言って,治め,統治するために来られます。皆さんが教会の中で行うことは,その日に向けて世の人々が成長し,備えるために不可欠です。そのことに対する穏やかな確信と平安を天の御父が皆さんに祝福してくださるようにと祈ります。

神の王国の業は転がり進みますが,教会の忠実ですばらしい姉妹の皆さんと手を取り合って前進しなければ,その真の目的を達成することはできません。

  1. Wallace Stegner, The Gathering of Zion: The Story of the Mormon Trail (1964), 13.

  2. ジョセフ・スミス,『わたしの王国の娘:扶助協会の歴史と業』14で引用

  3. ダリン・H・オークス「同性への誘惑」『聖徒の道』1996年3月号,22参照

  4. 『歴代大管長の教え—ジョセフ・スミス』49-50

  5. 『教え—ジョセフ・スミス』452-453

  6. M・ラッセル・バラード「義にかなった女性たち」『リアホナ』2002年12月号,39