なぜ神は警告してくださらなかったのでしょうか
ラーク・モントゴメリー
（アメリカ合衆国，テキサス州）
イラスト／ティム・ツェルトナー
夫とわたしは，上の二人の子供が4歳と2歳のとき，テキサス州立工科大学のキャンパス内にある住宅に住んでいました。テキサスの丘陵地帯に住むのは初めてで，とても好きになりました。毎年春になるとテキサス州中部は花であふれます。庭園，森，空き地，道端，どこを見ても花ばかりです。
ほとんど毎日のように子供たちをベビーカーに乗せて散歩に連れて行きました。探検する場所を新たに見つけると，子供たちに好きなだけ野の花を摘ませました。きれいに手入れされた花園のある家が建ち並ぶ近隣を通って，散歩を終えます。
ある日，角を曲がると，花園の一つに紙がたくさん散らばっているのに気づきました。風が吹いて紙を庭一面にまき散らしたのです。散らかった紙がさらに広がる前に，片付けることにしました。紙を数枚つかむと，マザーズバッグに詰め込みました。
見ると，自分のつかんでいるのがポルノグラフィーだということに気がつきました。わたしは愕然とし，残りをさっさと拾い上げている間，子供たちにベビーカーにいるように言いました。見たくもなかったものを見ることになったので，怒りを覚え，心の中で愚痴をこぼし始めました。「なぜ神は，別の道から帰るように警告してくださらなかったのだろうか。」
するとスクールバスのブレーキ音がはっきりと聞こえました。バスから12人ほどの子供が降りて来ました。全員，ほんの数分前までポルノグラフィーが散乱していた庭の前を通り過ぎて行きました。
その瞬間，わたしの物の見方が180度変わったのです。なぜ別の道を行くようにという警告を受けなかったのかが，そのときに分かりました。自分がそこにいて紙を拾ったために，バスから降りて来た子供たちが，有害な写真を見ないで済んだことを感謝しました。家に向かって歩きながら次のように考えました。「もしスクールバスが遅れて着いていたならば，もしわたしがあのような経験をしたのはなぜか知ることがなかったならば，いつまでわたしは主に対して怒りを感じていただろうか。」
なぜあんなことをしなければならなかったのか，その理由を知る機会を神が与えてくださいました。おかげでその日以来，神の知恵や目的はわたしの知恵や目的よりも深いと考えられるようになりました。
何かが起きたとき，その理由が分かるときもあれば，分からないときもあります。しかしどちらにせよ，常に自分に分かるとは限らない大きな目的を主がお持ちであるという信仰を持たなければならないことは，確かです。