明日，教会に行くよ
ハルミン・トレド・ゴンザレス
（チリ，チロエ）
イラスト／クリスチャーヌ・ボーレガード
妻のマデレインと一緒にバプテスマと確認を受けてから2年後，わたしはあまり活発でなくなり，教会に行かなくなりました。日曜日の朝ごとに妻はわたしに声をかけ，起きて一緒に教会へ行こうと誘ってくれるのですが，わたしはいつも断っていました。
「疲れているんだ。寝かせてくれ」と頼むのです。そして後で起きて，サッカーをしに出かけるのでした。
マデレインは一人で起きると，息子のルーカスと一緒に教会へ向かいます。雨が降っても，寒くても，必ず教会へ行きました。
思い返せば，サタンがわたしをそそのかしていたのだと思います。教会がなくても自分は大丈夫だと思い込まされていました。サタンはこうささやくのです。「君はいい人だ。心も穏やかだし，何の不自由もない。」ですが，実際のところ，わたしは祝福と，成長と，そして喜びを失っていたのです。ありがたいことに，妻と天の御父のおかげで物事がはっきりと見えるようになりました。
教会に出席しなくなって1年ほどたったある金曜日の夜，夢を見ました。美しい田舎を，妻と息子と手をつないで歩いている夢です。わたしたちはとても幸せでした。
でも，だんだんと周りが暗くなってきたのです。あまりに暗くなり，何も見えなくなりました。突然，二人と手をつないでいないことに気がつきました。戻って来てほしくて，二人の名前を呼びました。二人を取り戻したかったので，暗闇がなくなればいいのにと思いました。
そのとき，ほんとうに惨めな状態とはどういうものか，つくづく分かりました。マデレインとルーカスを失ったのです。二人はわたしを独り暗闇の中に残して，先に行ってしまったのです。
翌朝目覚めると，わたしは天の御父がしるしを与えてくださったことに気がつきました。教会に戻り，妻と息子を連れて神殿に行って結び固められなければ，二人を失ってしまうのです。次の世でこの二人と暮らすことができなくなるのです。きっと途方に暮れて，惨めな思いをすることでしょう。
わたしはマデレインに言いました。「明日，教会に行くよ。」
それからは，日曜日の朝に必ず家族と教会に行くようになりました。5年前にあの夢を見てから，集会には一度も欠席したことがありません。そして2016年9月，ついにわたしたち家族は神殿で結び固められました。
与えられたすべての祝福に感謝しています。特に家族，そして妻の勇気と，強さと，模範に感謝しています。妻と天の御父がわたしのことを決して諦めないでくれたことを，ほんとうに感謝します。妻と天の御父のおかげで，今のわたしがあるのです。