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第5章:十二使徒定員会


第5章

十二使徒定員会

はじめに

教会は「使徒たちや預言者たちという土台の上」に建てられました(エペソ2:20)。この章は,十二使徒定員会が霊感を受けた統率力と,証をもってどのように教会を導くのか,生徒に理解してもらう機会となります。この統率力について,十二使徒定員会のジェフリー・R・ホランド長老は次のように証しています:

「この教会から得られる導きを自らの経験として証するよう皆さんから支持を受けた最も小さい者として,わたしは心の底から証します。個人的な生活であれ,仕事の分野であれ,これまで交流があったどのグループと比較しても,世の出来事についてこれほど通じていて,周囲を取り巻く様々な問題についてこれほどよく知り,過去の出来事についてこれほど熱心に研究し,新しい事柄についてこれほど積極的に考え続け,そのほかのことについてこれほど注意深く,思いやりをもって,また祈りの気持ちで考えている人々の集まりはありません。」(「またこの地に預言者たちが」『リアホナ』2009年11月号,105)

このレッスンの終わりには,神権の権能の神聖な鍵によって十二使徒が世界中に神の王国を広げることを,生徒が理解するようにします。

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十二使徒定員会1931年

ソルトレーク神殿の外に並ぶ十二使徒定員会,1931年。

教義と原則

  • 十二使徒は全世界におけるイエス・キリストの特別な証人である。

  • 十二使徒は神の王国を広げるために働く。

  • 十二使徒定員会の決議は全会一致で下される。

教えるためのアイデア

事前準備:生徒に十二使徒定員会会員についての知識が必要な場合のために,教会のウェブサイトnewsroom.lds.orgには役に立つ資料があります。生徒が今日の十二使徒に親しむことができる,写真や簡単な伝記スケッチ,詳細な伝記的記事などをダウンロードできます。

十二使徒は全世界におけるイエス・キリストの特別な証人である

一人の生徒に教義と聖約107:23を読んでもらい,もう一人に使徒行伝4:33を読んでもらいます。その後,次の質問をします:

  • これらの節から,十二使徒定員会の役目は何だと分かりますか。

  • 証をするのは何に対してですか。

  • 十二使徒が「特別」な証人となるのはどのような場ですか。

これに関連したハロルド・B・リー大管長(1899-1973年)の言葉を『生ける預言者の教え 生徒用手引き』セクション5.2から読みます。「どう答えたらよいでしょうか」という質問のところで読むのをやめます。生徒に以下の質問をします:

  • あなたなら宣教師にどのように答えるよう勧めますか。

何人かの生徒が答えたら,話の残りを読みます。その後,次のように尋ねます:

  • リー大管長の答えは,イエス・キリストの「特別な証人」になるという召しをどのように反映していますか。

ジョセフ・フィールディング・スミス大管長(1876-1972年)の次の話を分かち合います:

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ジョセフ・フィールディング・スミス大管長

「これは,イエス・キリストがまさに神の独り子,世の救い主であられることを知るという,彼ら〔十二使徒〕に課された厳格な義務です。」(Seek Ye Earnestly〔1970〕, 213)

その後,次のように尋ねます:

  • スミス大管長はどのような意味で「厳格な義務」と言ったと思いますか。

生徒用手引きのセクション5.2にあるハワード・W・ハンター大管長(1907-1995年)の言葉を分かち合います。その後,生徒に次の質問をします:

  • ハンター大管長は具体的に何に対して証を述べていますか。

  • 十二使徒の証を聞くことは,どのようにわたしたちの証を強めますか。

十二使徒の証を聞いたり読んだりするときは,細心の注意を払うよう生徒に勧めます。十二使徒が証する真実に対して,証を強めるよう生徒に勧めます。

十二使徒は神の王国を広げるために働く

生徒用手引きのセクション5.5にあるゴードン・B・ヒンクレー大管長(1910-2008年)の二つの文章のうち,最初の文章を分かち合います。十二使徒の定義が何であるかを聞き取ってもらうよう生徒に言います。その後,次のように尋ねます:

  • ヒンクレー大管長は十二使徒という言葉の意味は何だと言っていますか。

  • 十二使徒に授けられている「ある権能と責任」とは何ですか。

マタイ28:16-20教義と聖約65:5-6を生徒と一緒に読んで,次の質問をします:

  • これらの節から,イエス・キリストが十二使徒に与えられた務めは何だと分かりますか。

  • 十二使徒の務めが神の王国を地上に建てることだとしたら,神の王国とは何ですか。(神の王国は今日地上にある教会です。十二使徒が今地上に神の王国,つまり教会を建てる務めを行うことで,後に天の王国つまり福千年が訪れます。)

生ける十二使徒が神聖な任務をどのように全うするかを説明するために,十二使徒定員会のボイド・K・パッカー会長(1924-2015年)の次の話を分かち合います:

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ボイド・K・パッカー会長

「記録によると,わたしはメキシコと中南米を75回以上,ヨーロッパを50回以上,カナダを25回,太平洋諸島を10回,アジアを10回,アフリカを4回,また中国を2回訪れています。またイスラエル,サウジアラビア,バーレーン,ドミニカ共和国,インド,パキスタン,エジプト,インドネシアなど世界の多くの国々に足を運びました。……十二使徒……の兄弟たちも同じように世界中を回っています。わたし以上に旅をしている人もいます。」(ボイド・K・パッカー「十二使徒」『リアホナ』2008年5月号,86)

その後,次のように尋ねます:

  • これほど大がかりな旅行から,十二使徒はどのような知識を得られると思いますか。

クラスの半分の生徒たちに,教義と聖約107:33-35,58を読んでもらい,残りの半分には教義と聖約18:27-32を読むよう割り当てます。今日十二使徒が何をするために「遣わされた」のかを表す言葉やフレーズを,生徒に見つけてもらいます。生徒が見つけた言葉やフレーズを,ホワイトボードに書きます(または生徒に書いてもらいます)。(その中には,任務の遂行,教会の建築,管理,扉を開く,福音の宣言,聖任,回復,すべての造られたものに福音を宣べ伝える,バプテスマを施す,そして聖霊の力により福音を告げ知らせるなどがあるでしょう。)その後,次のように尋ねます:

  • 十二使徒が今日,福音を宣言し教会を築き上げる方法として,どのようなものがありますか。(総大会で話をする,地域大会に出席する,伝道部を巡回する,地域の教会指導者との面談,世界規模の指導者トレーニング放送の実施など)

生徒用手引きのセクション5.5にあるゴードン・B・ヒンクレー大管長の二つの文章のうちの二つ目を読むよう生徒に言います(セクション5.5の最後の段落を参照)。その後,次の質問をします:

  • ヒンクレー大管長が描写するように十二使徒が仕える様子を,あなたが見たり聞いたりしたのはどのような時ですか。

  • 「あなたが十二使徒から個人的に受けた影響には,どのようなことがありますか。

十二使徒定員会の決定は全会一致で行われる

教義と聖約107:27-31を読んで以下の質問をします:

  • 十二使徒が下す決議はどのような原則によってなされるべきだと主は言われましたか。

  • 27節30節に示されたガイドラインに添って決議が下されるならば,31節にあるどのような約束が与えられますか。その約束はどういう意味だと思いますか。

生徒用手引きのセクション5.7の最後にあるゴードン・B・ヒンクレー大管長の言葉を生徒と分かち合います(最後の段落の「しかしわたしは……」で始まる箇所)。その後,次のように尋ねます:

  • 十二使徒の決議が全会一致で下されると知ることは,あなたの信仰とそれらの決議に対する信頼をどのように増し加えますか。

生徒用手引きのセクション5.7にある,大管長会のジェームズ・E・ファウスト管長(1920-2007年)の言葉を生徒と分かち合います。教会幹部の中に全会一致をもたらすものが何かを聞き取るよう生徒を励まします。その後,次の質問をします:

  • このプロセスはどのように個人の偏見や個人の方針の「チェック」となるのでしょうか。

  • 全会一致が達成されるには,ファウスト管長は何が必要だと言っていますか。

十二使徒の召しと役割についての証を述べてレッスンを終わります。十二使徒の証と説教の中で取り上げる主題によく注意するよう生徒に勧めます。