歴代大管長の教え


大管長会ならびに十二使徒定員会は,教会員がこの神権時代の預言者たちの教えを通して,福音の教義への理解を深め,イエス・キリストにさらに近づけるよう助けるために,『歴代大管長の教え』のシリーズを作成した。本書では1918年11月から1945年5月まで末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長を務めたヒーバー・J・ダラント大管長の教えを採り上げている。

末日聖徒はダラント大管長の教えを生活に応用することによって祝福を受けることであろう。グラント大管長は次のように強調した。「神の業の神聖さについて,知識と霊感と証をどれほど持っているとしても,日常生活の中でその知識を応用しなければ,わたしたちは何の益も受けないでしょう。自分と周囲の人々に益となるかどうかは知識の量ではなく,その知識を実際に応用することにかかっているのです。」1

本書の活用法

本書の各章は以下の4つの部分に分かれている。(1)章の主題の要約,(2)「ヒーバー・J・グラントの生涯から」この箇所ではダラント大管長の生涯にあった出来事を通して,各章のメッセージを説明する,(3)「ヒーバー・J・ダラントの教え」グラント大管長の説教や執筆したもの,あるいは大管長在任期間に大管長会が出したメッセージからの教義を提示する,(4)「研究と話し合いのための提案」幾つかの質問を通して,教会員が個人学習と研究を進め,福音の原則を実践し,教会と家庭で話し合いを発展できるよう促す。グラント大管長の言葉を研究する前に,質問事項に目を通すことにより,大管長の教えについてさらに洞察を深めることができるであろう。

本書は以下の場面で活用することができる。

個人および家族としての学習。教会員は祈りの気持ちで読み,深く考えながら研究するならば,これらの真理について個人的な証を得ることができるであろう。本書はまた,福音に関する各会員の蔵書に加えられるべき書物である。家族に福音を教え,家庭で福音を研究する際の重要な参考資料となるであろう。

日曜日の集会における話し合い。本書は長老定員会,大祭司グループ,ならびに扶助協会の,通常は毎月の第2,第3日曜日に開かれる集会において,テキストとして使用する。これらの日曜日の集会では福音の教義と原則に集中して話し合いを展開すべきである。教師は本書の内容にレッスンの焦点を合わせ,会員たちが自分の生活の中でこれらの教えを応用するように助ける必要がある。教師は各章の末尾にある質問を使ってクラスの話し合いを促すべきである。適切な場合,会員は,証を述べたり,レッスンに関連する個人の経験を紹介する。教師がレッスンの準備と実施に際して謙遜に御霊を求めるならば,参加者は皆,真理の知識を深めることができるであろう。

指導者と教師は,会員に,日曜日の集会に臨むに当たって,前もって該当する章を読み,集会にはテキストを持って来るように勧めるとよい。グラント大管長の言葉から教えることにより,会員が準備をしたことに対して敬意を示すべきである。会員は前もって該当の章を読んでくることにより,互いに教え合い,教化し合うよう備えることができる。

本書の内容を補足するために,教会員は注釈書や参考資料を購入する必要はないし,またそのようなことは勧められていない。むしろ,教義を深く研究するために提案されている参照聖句を読むべきである。

本書は個人研究ならびに福音研究の参照資料として作成されているため,多くの章はレッスンの時間内にすべての項目を採り上げるには内容が多すぎる。したがって,グラント大管長の教えを十分学ぶには,家庭での研究が不可欠である。

本書で引用されている資料

本書にあるグラント大管長の教えは様々な資料から直接引用したものである。読みやすさを図るために編集上または印刷上必要な場合を除いて,原文の中で使われている句読点,語のつづり,大文字の使用をそのまま引用している。このため,読者は本文に多少統一を欠いている点があることに気づくかもしれない。

  1. “Concerning Inactive Knowledge,” Improvement Era, 1943年3月号,141

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