セミナリー
ヨハネ11:1-46,第2部


ヨハネ11:1-46,第2部

ラザロをよみがえらせられるイエス

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Jesus mourning Lazarus.

前の課では,救い主がラザロを死からよみがえらせられた話から原則を見つけました。この課では,生徒やほかの人が人生の試練の中で救い主の助けを受けるための原則を,生徒が教える機会を用意しています。

生徒が互いに教え合えるようにする。互いに教え合う機会を設けると,生徒は学習した真理をよく理解して生活の中で実践することができるようになります。生徒が互いに教え合っている間,教師は積極的に各グループを回って,学習活動を観察し,必要に応じて助けてください。そうすると生徒は,課題を最後までやり遂げることができ,必要な助けが得られ,活動からさらによく学ぶことができるようになります。

生徒の準備:ヨハネ11:1-46 に出てくる,マリヤ,マルタ,ラザロ,そして救い主の話から学んだことについて,考えてもらいます。この話から各自が学んだ原則について教える機会が用意されていることを生徒に伝えます。その原則を効果的に教えるにはどうすればよいか,生徒に考えてきてもらいます。

学習活動案

教えることの影響

この課は,2課にわたる ヨハネ11:1-46 のレッスンの2回目です。前の課で,生徒は原則を見いだしました。この課の準備として,前の課を教えるとよいでしょう。

生徒に二人一組か少人数のグループで,以下の質問の答えを発表し合ってもらうこともできます:

イエス・キリストや主の福音について教わって深い影響を受けたときのことを考えてください。

  • どのように教えられましたか。

  • なぜ深い影響を受けたのでしょうか。

イエス・キリストは偉大な教師であられます。イエスは力強く御霊とともに教えられたため,謙虚に聞いていた人たちは主の教えから深い影響を受けました( ヨハネ3:26:35,68-69 参照)。

  • 救い主の教えから非常に大きな影響を受けた人の中には,例えばどのような人がいますか。

救い主の例や自分の経験を振り返りながら, ヨハネ11:1-46 で救い主がラザロを死からよみがえらせられた話に基づいて,短いレッスンを準備して教えてください。救い主の教えの一つの要素は,常に真実の教義と原則を教えられるということでした。この課では,まことの原則を教えることで救い主の模範に従う機会が用意されています。救い主の方法で教える能力を養うことで,さらに主に似た者になることができるようになります。

ラザロ

救い主がラザロを死からよみがえらせられた話をできるかぎり思い出してください。必要な場合は,以下の要約を読んでください。

一人か二人の生徒に,この話を簡単に話してもらいます。それが望ましいと思われる場合は,マリヤ,マルタ,ラザロの簡単な線画をホワイトボードに描いてもよいでしょう。また,救い主の画像を使用してもかまいません(簡単な線画で救い主を表してはなりません)。この話を要約する際に,生徒にこれらの視覚資料を使ってもらいます。必要に応じて,以下の情報を提供して,生徒の発言に付け加えたり,生徒の意見を分かりやすくしたりしてもよいでしょう。

マリヤとマルタは,彼女たちの兄弟,ラザロが病気であることをイエスに伝えました。イエスはあえて出発を遅らせ,ラザロが死んでから4日後に到着されました。愛と憐れみをもって,イエスはラザロを死からよみがえらされました。神聖な力の劇的な現れは,イエスが選ばれたメシヤであって,死に打ち勝つ力をお持ちであることを示しています。この奇跡を知った後,祭司長とパリサイ人はイエスとラザロを殺す陰謀を企てました。

あなたのレッスン

ヨハネ11章から学べる原則を使ったレッスンの準備をしましょう。以下のオプションから,あなた自身が最も関心を抱いている原則か,10代の若者に最も関係があると思う原則を一つ選んでください。

以下のレッスンのオプションを見せて,生徒に選んでもらいます。レッスンをすることに不安や困難を感じている生徒に注意を払ってください。このような生徒に対しては,教えることを求めるのではなく,レッスンの概要を提出してもらってもかまいません。

このようにすると,読んだり準備したり話したする際に助けが必要な生徒のことが把握できます。そういう生徒がいた場合には,一緒に準備して教えるパートナーを割り当てるとよいでしょう。

レッスンのオプション1:試練の中で主を信じて行動すると,救い主はわたしたちの人生で奇跡を起こしてくださるヨハネ11:20-27,38-45 )。

レッスンのオプション2:わたしたちの生活における神の奇跡は,神の御心と時に従って起こるヨハネ11:1-7,11-17,39-45 )。

レッスンのオプション3:わたしたちはほかの人に思いやりを示すことによって,イエス・キリストの模範に倣うことができるヨハネ11:32-36,43-44 )。

レッスンのオプション4:わたしたちは苦しいときに神が力づけ,慰めてくださり,神の愛と力が示されるのを見ることができるヨハネ11:1-7,11-15,38-46 )。

レッスンのオプション5:イエス・キリストは生と死をつかさどる力をお持ちであるヨハネ11:20-27,39-46 )。

レッスンのオプション6:この話からあなた自身の原則を選んでください( ヨハネ11:1-46 )。

生徒が何回レッスンを準備して教えるのが最適か,考えてください。生徒の必要に基づいて,そのタイミングを調整してください。

レッスンの準備がしやすくなるよう,次の資料を配ります。

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Preparing a Lesson for John 11

次のヒントに従って,レッスンの概略を作成してください。15-20分間でレッスンの準備をして,5-10分間のレッスンをしましょう。

  1. なぜその原則が大切なのかを理解してもらうためには,選んだ原則をどのように紹介すればよいでしょうか。

  2. この原則をいちばんうまく説明するためには,あなたが教える人たちと一緒にどの聖句を読んだらよいでしょうか。(あなたが教える人たちに原則を理解してもらうのに役立つような聖典の中の話や聖句,教会指導者の説教がほかにもあることが分かっている場合は,それをここに書いてもかまいません。)

  3. この原則から救い主について何が分かるでしょうか。この原則からイエス・キリストについて学んだことを,あなたが教える人たちに発表してもらいましょう。

  4. この原則が助けになった経験として,あなたはどのようなことが話せますか。その原則を生活の中で実践して,どのような祝福がありましたか。あなたが教える人たちにも,経験したことを話してもらうとよいでしょう。

  5. 教えている原則についてのあなたの考えと,その原則がイエス・キリストに対する証を強くするのにどう役立つかを,簡潔に書いてください。御霊の促しを感じたら,あなたの証を分かち合ってください。

この課を教えるそのほかの方法や,生徒がレッスンの準備に使用できるそのほかの資料は,この課の「注釈と背景情報」と「補足学習活動」の項にあります。

生徒には,準備したレッスンを互いに教え合ってもらいます。または,二人一組か少人数のグループで,自分の用意したレッスンの概要を簡単に教え合ってもらってもよいでしょう。また,自宅で家族にレッスンしてもかまいません。

  • その経験から何を学びましたか。

  • レッスンの準備をしたり,ほかの人に教えたりすることは,あなたやほかの人が救い主に近づき,救い主のようになるためのどのような助けになるでしょうか。

注釈と背景情報

そのほかの資料

以下のビデオや話は,レッスンを準備し行う際に役に立ちます。これらの資料は,以下のように使うことができます:

  • 自分が教える原則をさらによく理解する

  • 教える際に,自分の言葉で伝えることのできる真理,話,考えを見いだす

  • あなたが教える人たちに提示できるような話やビデオを見つける

ビデオはすべてChurchofJesusChrist.orgにあります。

レッスンのオプション1:試練の中で主を信じて行動すると,救い主はわたしたちの人生で奇跡を起こしてくださる

ニール L・アンダーセン「信仰は偶然ではなく,選びによって与えられる」(2015年10月総大会)(タイムコード1:40-4:32を視聴)

「Finding the Incredible: What Cancer and Trials Can Teach Us(信じ難いことを見つける:がんと試練から学んだこと)」(5:33)

レッスンのオプション2:わたしたちの生活における神の奇跡は,神の御心と時に従って起こる

ジェフリー R・ホランド「主を待ち望む『リアホナ』2020年11月,115-117

ジェフリー R・ホランド「祝福は来る」(4:55)

レッスンのオプション3:わたしたちはほかの人に思いやりを示すことによって,イエス・キリストの模範に倣うことができる

ディーター F・ウークトドルフ「あなたは,わたしの手である『リアホナ』2010年5月号,68-75

「Mourn With Those That Mourn(悲しむ人々とともに悲しむ)」(タイムコード8:54-11:36を視聴)

レッスンのオプション4:わたしたちは,

苦しいときに神が力づけ,慰めてくださり,神の愛と力が示されるのを見ることができる

ジョン C・ピングリー ジュニア「わたしはあなたに一つの業を用意している」(2017年10月総大会)(タイムコード5:49-6:48を視聴)

「Using Your Trials to Help Others—Hope Works(他者を助けるために自らの試練を活用する - 希望のメカニズム)」(タイムコード4:05-10:54を視聴)

レッスンのオプション5:イエス・キリストは生と死をつかさどる力をお持ちである

D トッド・クリストファーソン「イエス・キリストの復活」『リアホナ』2014年5月号,111-114

ポール V・ジョンソン「もはや,死もなく」(2016年4月総大会)(タイムコード0:17-4:56を視聴)

補足学習活動

試練に立ち向かうための小冊子

生徒はこの活動で, ヨハネ11:1-46 で見つけた原則や,この課の資料(あるいは知っているほかの資料)を活用するとよいでしょう。各生徒に,次の活動を一つ以上行ってもらいます。

  • この課で学んだ原則の一つを絵に描きます。

  • あなたや知人が,この課で学んだ原則の一つを生活の中で実践して約束された祝福を得た話をしてください。

  • 困難に直面している人の助けとなるような聖句や聖典の話,教会指導者の説教や,参考となる話,ビデオのリストを作成します。

十分な時間を取った後,生徒が見つけてきた資料を集め,試練を乗り越えるためのクラス特製小冊子にまとめましょう。この小冊子はコピーして生徒に配り,将来,生徒や生徒の愛する人が試練に遭って助けが必要となったときに使えるようにします。紙や文具など,この活動を完了するために必要となる道具を生徒に配ります。

別の活動

ヨハネ11:1-46 の話に登場する人物を一人選び(マリヤ,マルタ,ラザロ,あるいは見物人の一人),その人の視点からこの話を書いてください。話には以下の事柄を入れてもらいます:

  • その場面でその人がどう感じ,何を考えたか

  • この話に出てくるその人が,この経験を通して救い主から何を学び,救い主について何を学んだか

書いた話をお互いに披露し合ってもらい,その話を自分の生活に当てはめて,イエス・キリストを信じる信仰をもって行動するための計画を立ててもらいます。