手引きと召し
28.先祖のための神殿儀式


「28.先祖のための神殿儀式」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』

「28.先祖のための神殿儀式」『総合手引き』

28.

先祖のための神殿儀式

28.0

はじめに

ビショップは,神殿と神殿の業について,本章や38.4の内容では解決できない質問がある場合には,ステーク会長に相談するべきです。ステーク会長は,大管長会事務局に問い合わせることができます。

ステーク会長とビショップは,会員が亡くなった先祖のために儀式を行うにあたり,有意義な経験をする備えができるように支援します。そのために,神殿の業の教義的な基盤について教え,会員が待機時間や神殿の業に関するその他の方針を理解できるようにします。

28.1

一般的な指針

一般的に,会員が死者のために神殿の儀式を行えるのは,死亡日から一年経過後です。死者が過去110年以内に生まれていて,儀式の執行を望む人が近親者(離婚していない配偶者,成人した子供,親,兄弟姉妹)でない場合,神殿の儀式を予約する前に,近親者からの許可を要請するべきです。

死者のために執行される儀式は,死者がその儀式を受け入れることを選び,また受ける資格を得た場合にのみ有効となります(教義と聖約138:19,32-34参照)。

結び固めに関する方針については,38.4を参照してください。

28.2

死者のための儀式の執行

28.2.1

死者のための儀式に参加できる人

適切な年齢に達した,限定神殿推薦状を持っている会員は,死者のためのバプテスマと確認に参加することができるます(26.4.3参照)。有効な神殿推薦状を保持しているエンダウメントを受けた会員は,死者のための儀式すべてに参加することができます(26.5参照)。

障害のある会員は,以下の条件を満たしている場合,死者のための神殿の儀式を行うことができます。

  • 儀式を理解するのに十分な知的能力を有している。

  • 自分で自分の面倒をみることができる,または,神殿推薦状を保持しており,必要に応じて助けを与えてくれる親族や友人が同伴している。

28.2.2

死者のためのバプテスマと確認

家族,ワード,ステークなどで組織されたグループが,バプテスマ室での儀式に参加することを希望する場合,通常は事前に神殿との調整を行います。この組織された各グループには,成人が一人以上同伴すべきであり,グループ内の性別ごとに妥当な数の指導者がいるようにします。これらの成人は,有効な神殿推薦状を保持しているべきです。

バプテスマ室で補助する兄弟姉妹は,神殿儀式執行者として任命される必要はありません。エンダウメントを受けている兄弟,エンダウメントを受けていないメルキゼデク神権者,アロン神権の祭司は,バプテスマを執行することができます。

確認の儀式を執行し,フォントのそばや確認の部屋で記録者を務めることができるのは,エンダウメントを受けている兄弟だけです。

限定推薦状を含め,有効な神殿推薦状を保持している会員はだれでも,身代わりのバプテスマの証人を務めることができます。このような成人と青少年は,参入者の支援,衣装やタオルの配付,可能であればバプテスマと確認の儀式のコンピューターシステムへの記録など,バプテスマ室での割り当てを手伝うこともできます。

28.3

特殊な状況

28.3.1

他界する前に神殿に行くことのできなかった会員

神殿の身代わりの儀式のための1年間の待機期間は,自分ではどうすることもできない理由から生前に神殿に行くことができなかったが,そうでなければ参入していたであろう,死亡したふさわしい会員には適用されません。死亡時にふさわしかったが,適切な年齢に達していなかったためにエンダウメントを受けられなかった8歳以上の子供や青少年も,これに該当する場合があります(28.3.4も参照)。そのような子供や青少年は,神殿衣を着せて埋葬しません。

儀式を執行するには,家族は,死亡時に有効であったその死者の神殿推薦状か,死者のふさわしさを証明するビショップの手紙のいずれかを所持していなければなりません。神殿推薦状やその手紙は,神殿で儀式を執行する前に提示する必要があります。

28.3.2

バプテスマを受けてから1年以内に死亡した会員

ふさわしい会員がバプテスマと確認を受けてから1年以内に死亡した場合,神殿の儀式は,確認の日から1年が経過したときに執行できます(28.3.1参照)。

28.3.3

出生前に死亡した子供(死産・流産児)

出生前に死亡した子供には,神殿の儀式は必要ありません。これは,この子供たちが永遠の家族の一員となる可能性を否定するものではありません。親は主を信頼し,主の慰めを求めるように勧められています。詳しくは,38.7.3を参照してください。

28.3.4

8歳未満で死亡した子供

8歳未満で死亡した子供には,バプテスマもエンダウメントも執行しません。そのような子供には,親子の結び固めのみ行います。その子供が生前両親に結び固められていた場合,あるいは聖約の子である場合,身代わりの儀式は行いません。

28.3.5

知的障害のあった死者

神殿の儀式は,知的障害のあった以下の死者のために行われます。

  • 責任能力があったことが分かっている人(教義と聖約20:71参照)

  • 責任能力があったかどうか分からない人

亡くなった人に知的障害があり,責任能力がなかったことがはっきりと分かっている場合,本人が聖約の子でなければ,両親との結び固めに関する儀式のみが行われます。本人が8歳を超えるまで生きていたとしても,その他の神殿儀式は必要なく,執行されることもありません(教義と聖約137:10参照)。

28.3.6

死亡が推定される人

死亡が推定される人については,死亡推定時または死亡宣告が行われてから10年経過すれば,神殿の儀式を執行することができます。この方針は,(1)戦闘中行方不明になった人,海上で行方不明になった人,法律上死亡宣告が行われた人,および(2)行方不明になり,状況から死亡したことは明らかであるが,遺体が発見されていない人に適用されます。

ほかの行方不明者については,本人の出生日から110年が経過するまで,神殿の儀式を執行することはできません。

28.3.7

自ら命を絶った人

自ら命を絶った人については,死亡日から1年以上経過すれば,神殿の儀式を執行することができます。

28.3.8

教会会員資格を取り消された人や放棄した人

死亡時に教会会員資格を取り消されていた人や放棄していた人のために神殿の儀式を執行するには,大管長会の承認が必要です。家族の一員が,大管長会事務局に手紙を書くべきです。定められた書式はありません。ビショップやステーク会長は,必要に応じてこの申請を助けることができます。

28.4

エンダウメントを受けるための儀式の確認

時には,死亡した人が生前に受けたバプテスマと確認の儀式について,念入りに調査してもなお確認できないことがあります。身代わりのエンダウメントを受けているが,生前に受けたバプテスマと確認の儀式について証明できない場合,その死者のために身代わりのバプテスマと確認の儀式を行わなければなりません。身代わりのバプテスマと確認の儀式を行えば,エンダウメントと結び固めを再度行う必要はありません。

28.5

神殿の祝福の回復

エンダウメントを受けてから教会会員資格を取り消されるか,あるいは放棄した人は,後にバプテスマと確認により再加入した場合,祝福の回復の儀式を通してのみ,神権と神殿の祝福にあずかることができます。神権と神殿の祝福はこの儀式を通して回復されるため,そのような人が再度神権の職への聖任やエンダウメントを受けることはありません。生者のためにこの儀式を執行することについて詳しくは,32.17.2を参照してください。

死者のためにこの儀式を執行するには,大管長会の承認が必要です。その死者の家族は,大管長会の事務所に手紙を書いて,亡くなった自分の家族のために神権と神殿の祝福の回復を申請することができます。ビショップやステーク会長は,必要に応じてこの申請を助けることができます。

中には,エンダウメントを受けていないが,聖約の下に生まれた人や,教会会員資格を取り消される前や放棄する前に両親に結び固められていた人もいます。そのような人は,バプテスマと確認によって再加入した後に,再度結び固めを受ける必要はありません。