「26.神殿推薦状」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』
「26.神殿推薦状」『総合手引き』
26.
神殿推薦状
26.0
はじめに
主の宮に入ることは神聖な特権です。ワードやステークの指導者はすべての会員に,神殿の近くに住んでいなくても有効な神殿推薦状を受けるにふさわしくあるように,また有効な神殿推薦状を持つように勧めます。
教会指導者は,主の宮に参入するすべての人が,参入するにふさわしい者であることを確認するために,あらゆる努力を払います(詩篇24:3-5参照)。権能を持つ神権指導者は,神殿推薦状の面接を行い,面接の質問に適切かつ誠実に答えた会員に,神殿推薦状を発行します(26.3参照)。主は,御自身の宮に入る者が清くあるならば,そこに御自身がいると約束しておられます(教義と聖約97:15-16参照)。
会員が神殿に参入するには,有効な神殿推薦状を所持していなければなりません。8歳未満の子供が,親子の結び固めを受ける場合や,自分のきょうだいの親子の結び固めに参列する場合,推薦状は必要ありません(26.4.4参照)。
本章には,神殿推薦状を発行する指導者のための指示が載っています。神殿推薦状について,本章の内容では解決できない質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談します。ステーク会長は,大管長会事務局に問い合わせることができます。
26.1
神殿推薦状の種類
有効な推薦状を持つ会員は,どの神殿にも参入できます。神権指導者は,会員がそれぞれの状況に適した推薦状を受けられるようにします。推薦状には,以下の3つの種類があります。
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エンダウメントを受けていない会員のための神殿推薦状。この推薦状は,エンダウメントを受けていない会員が,親子の結び固めを受ける場合や,代理のバプテスマと確認を受ける場合に用います。この推薦状は,「指導者と書記のためのリソース」(LCR)を通して発行します。詳しくは,26.4を参照してください。
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生者のための儀式用神殿推薦状。この推薦状は,自身のエンダウメントを受ける会員や配偶者との結び固めを受ける会員のための推薦状です。この推薦状は,推薦状つづり2から発行します。生者のための儀式用推薦状は,エンダウメントを受けた会員のための通常の神殿推薦状(以下に説明)とともに発行します。儀式が執行されたら,神殿は生者のための儀式用推薦状を保管します。会員は,通常の推薦状を保持し,再び神殿に参入する際に使用します。
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エンダウメントを受けた会員のための神殿推薦状。この推薦状は,以前にエンダウメントを受けたことのある会員のための推薦状です。この推薦状は,LCRを通して発行します。この推薦状を所持している会員は,死者のための神殿の儀式すべてに参加することができます。またこの推薦状は,エンダウメントを受けた会員が,生者または死者との親子の結び固めを受ける際にも使用します。詳しくは,26.3を参照してください。
26.2
神殿推薦状の保管
26.2.1
神権指導者による神殿推薦状の保管
神殿推薦状つづりを持つことを許可されている神権指導者は,このつづりを注意深く保管するべきです。また,ほかの人がそのつづりに触れることのないようにしておくべきです。教会が神殿推薦状つづりを更新した場合,指導者は古いつづりを破棄します。
また,神権指導者は,権限のない人がLCR上の神殿推薦状情報にアクセスできないようにします。
26.2.2
推薦状の紛失または盗難
ビショップは,会員が推薦状を紛失したり盗まれたりした場合には,できるだけ早くビショップに連絡するように伝えます。その会員がふさわしを保っている場合,ビショップまたは割り当てを受けた顧問または書記は,LCRにログインして推薦状を再印刷します。新しい推薦状は,元の推薦状と同じ日に有効期限が切れます。
推薦状を紛失した会員や盗まれた会員が,もはやふさわしさの標準に従って生活していない場合があります。そのような場合,ビショップは直ちにその推薦状を取り消します(26.2.3参照)。
26.2.3
ふさわしさの標準に従って生活していない推薦状保持者
現在推薦状を持っている会員が,ふさわしさの標準に従って生活していないとビショップが判断した場合(26.3参照),ビショップはその会員に,推薦状を提出するように求めます。ビショップは,LCRを使ってその推薦状を取り消します。このシステムを利用できない場合,ビショップは,推薦状を取り消してもらうために神殿事務所に連絡します。
26.3
神殿推薦状の発行に関する一般的な指針
権限を与えられた神権指導者は,会員が神殿推薦状を受ける前に面接を行います。手順は,LCRに記載されています。神権指導者は,会員が神殿推薦状の質問に適切に答えた場合にのみ,推薦状を発行するべきです。
神殿推薦状の面接で,会員は,自分が証を持っており,神の戒めを守り,神の預言者に従うよう努力していることを示すことができます。神権指導者も,面接を通して会員がふさわしい状態であることを確認します。神殿推薦状の面接の実施について詳しくは,26.3.3を参照してください。
ステークでは,神殿推薦状の発行後,ステーク会長会の一員かステークの書記が,LCRでその推薦状を有効にします。地方部では,伝道部会長会の一員か伝道部の書記が,その推薦状を有効にします。代理のバプテスマと確認のための推薦状は,ビショップリックの一員または支部会長が,その推薦状を印刷した時点で有効になります。推薦状の印刷は,LCRを使って行います。
26.3.1
ワードと支部の会員への神殿推薦状の面接
ワードでは,ビショップか割り当てを受けた顧問が,神殿推薦状の面接を行い,ふさわしい人には神殿推薦状を発行します。支部では,神殿推薦状の面接を行い,推薦状を発行するのは,支部会長のみとなります。
ワードでは,ビショップが以下の会員を個人的に面接します。
ビショップが対応できず,急を要する場合,ビショップは顧問の一人に,この面接を行う権限を与えることができます。
大規模なヤングシングルアダルトワードでは,ビショップは経験豊富な顧問に,この面接を行う権限を与えることができます。
上記のような状況で推薦状を発行する前に,ビショップは会員の記録を確認し,教会会員資格の制限について記載がないことを確認します。自身のエンダウメントを受ける会員や,配偶者との結び固めを受ける会員には,以下についても確認します。
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その人のバプテスマと確認が,会員記録に記録されている。
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兄弟の場合,メルキゼデク神権を受けている。
時には,会員のバプテスマと確認の日付や,メルキゼデク神権の聖任の日付が記録されていないことがあります。このような場合,儀式の確認と記録,追認,または再執行をしなければなりません(38.2.6参照)。
ビショップリックの一員または支部会長による面接の後,ステーク会長会の一員がステーク内に住む会員に面接を行います。その後,ステーク会長会の一員は,ふさわしい人の推薦状に署名します。伝道部会長会の一員は,地方部に住む会員のために2回目の面接を行います。また,ふさわしい人の推薦状に署名します。地方部会長は,大管長会による承認がないかぎり,神殿推薦状の面接を行うことはありません。
ステーク会長や伝道部会長は,以下の会員を個人的に面接します。
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自身のエンダウメントを受ける会員。
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配偶者との結び固めを受ける会員。
ステーク会長が対応できない場合,ステーク会長は顧問に,この面接を行う権限を与えることができます。
伝道部会長は必要に応じて,この面接を行う権限を顧問に与えることができます。
ヤングシングルアダルトステークでは,ステーク会長がこの面接を行う権限を顧問に与えることができます。
26.3.2
孤立した地域に住む会員への神殿推薦状の面接
会員の中には,ステークや伝道部会長会の一員と会うには交通費がかさむ人や,会うのが非常に困難な地域に住んでいる人もいます。そのような場合,ステーク会長会または伝道部会長会の一員は,オンラインでその会員と面談し,神殿推薦状の面接を行うことができます(31.4参照)。会員がふさわしければ,指導者は推薦状にデジタル署名します。その後,ビショップリックの一員または支部会長が推薦状を印刷し,会員に渡します。
この方針は,孤立した地域で軍務に就いている会員にも当てはまります。
26.3.3
神殿推薦状の面接の実施
神殿は主の宮です。神殿に参入し,儀式に参加することは神聖な特権です。この特権は,本人が霊的に備えられ,主の標準に従って生活するように努力していると権能を受けた神権指導者が判断した場合に与えられます。
この判断をするために,神権指導者は以下の質問を使って会員を面接します。指導者は,必要な条件を追加したり,取り除いたりするべきではありません。ただし,質問は会員の年齢や状況に合わせて調整することができます。
神殿推薦状の面接中,会員から質問を受ける場合があります。神権指導者は,基本的な福音の原則について説明することができます。また,必要であれば,会員が神殿推薦状の質問について理解できるように助けることもできます。しかし,教会の教義や方針として,自分の個人的な考えや好み,解釈を述べるべきではありません。
神殿推薦状の面接は急いで行うべきではありません。この面接は,個人的に行うべきものです。ただし,面接を受ける人は,配偶者,親または別の成人に同席を頼むことができます。
26.3.3.1
神殿推薦状の面接の質問
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あなたは永遠の父なる神とその御子イエス・キリストと聖霊に対して,信仰と証を持っていますか。
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イエス・キリストの贖罪と,あなたの救い主,贖い主としてのイエス・キリストの役割に対して,証を持っていますか。
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イエス・キリストの福音の回復に対して,証を持っていますか。
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末日聖徒イエス・キリスト教会の大管長を預言者,聖見者,啓示者として,また,すべての神権の鍵を行使する権限を託された,地上で唯一の人として支持していますか。
大管長会および十二使徒定員会の会員を預言者,聖見者,啓示者として支持していますか。
教会のその他の中央幹部と地元の指導者を支持していますか。
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すべてのことが主の前に「清く行われ」なければならないと,主は言われました(教義と聖約42:41)。
あなたは思いと行いにおいて道徳的に清くあるように努めていますか。
純潔の律法に従っていますか。
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家族やほかの人々と個人的に,また公に接するときに,イエス・キリストの教会の教えに従っていますか。
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末日聖徒イエス・キリスト教会の教えや慣行や教義に反する教え,慣行,教義を支援したり,奨励したりしていませんか。
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家庭でも教会でも安息日を聖く保ち,出席すべき集会に出席し,備えをしてふさわしい状態で聖餐を受け,福音の律法と戒めに調和した生活をするように努めていますか。
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あなたが行うすべてのことに正直であるように努めていますか。
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什分の一を完全に納めていますか。
代理のバプテスマと確認を受けるための推薦状を希望している新会員向け:什分の一を納めるようにという戒めに進んで従いたいと思いますか。
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知恵の言葉について理解し,それに従っていますか。
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(子供や青少年を面接する場合,この質問は省きます。)以前の伴侶や子供に対して経済的な責任やその他の責任がありますか。
もしあれば,現在それらの責任を果たしていますか。
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(エンダウメントを受けていない会員を面接する場合,この質問は省きます。)神殿で交わした聖約を守っていますか。
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(エンダウメントを受けていない会員を面接する場合,この質問は省きます。)イニシャトリーの儀式で指示されたとおりにガーメントを着用するという神聖な特権を尊んでいますか。(各会員に対して,下記の「神殿ガーメントの着用」に関する文を読み上げてください。)
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悔い改めの一部として神権役員の下で解決する必要のある重大な罪はありませんか。
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あなたは,自分には,主の宮に参入して神殿の儀式を受ける資格があると思いますか。
26.3.3.2
神殿ガーメントの着用
大管長会はガーメントの着用について以下のように指導しています。
「聖なる神権のガーメントは神殿のとばりを思い起こさせてくれますが,そのとばりはイエス・キリストを象徴しています。あなたはガーメントを着用するとき,イエス・キリストの神聖な象徴を着用するのです。それを着用することは,主に従うというあなたの内なる決意を外に向かって表明することです。ガーメントはまた,神殿の聖約を思い起こさせてくれます。ガーメントは生涯を通じて,昼も夜も着用するべきです。ガーメントを着用したままだと無理なく行うことができない活動のために,ガーメントを脱がなければならない場合は,できるだけ早く元どおりに着用するように努めてください。イニシャトリーの儀式で指示されたとおりにガーメントを着用するという神聖な特権を含め,聖約を守るならば,救い主の憐れみや守り,強さ,力をさらに受けることができるでしょう。」
ガーメントの着用について質問がある場合は,38.5を参照してください。
26.3.3.3
その他の指示
神権指導者は会員に,推薦状を安全に保管することの必要性を強調してください。推薦状は決して他人に貸してはならず,紛失した場合や盗難にあった場合は,直ちに発行者に報告するべきです。
26.4
エンダウメントを受けていない会員への神殿推薦状の発行
26.4.1
一般的な指針
ワードでは,ビショップか割り当てを受けた顧問が,エンダウメントを受けていない会員のために神殿推薦状の面接を行います。支部では,神殿推薦状の面接を行うのは,支部会長のみとなります。指導者は,26.3に記載されている指針に従います。本人がふさわしければ,指導者は推薦状を発行します。
この神殿推薦状は,エンダウメントを受けていない以下の会員に発行します。
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死者のためのバプテスマと確認を受ける11歳以上の会員(若い女性および神権に聖任されている若い男性は,12歳になる年の1月から,神殿推薦状の発行を受ける資格を得ます)。
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親子の結び固めを受ける8歳から20歳までの会員。8歳未満の子供には,親子の結び固めを受けるための推薦状は必要ありません(26.4.4参照)。
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生存している実のきょうだい,義理のきょうだい,片親が異なるきょうだいの親子の結び固めに参列する8歳から20歳までの会員。
すでにエンダウメントを受けている会員には,ここで説明されている推薦状は発行されません。
神権を持てる年齢に達している男性教会員は,神殿推薦状を受ける前に,神権の職に聖任されていなければなりません。
神殿推薦状を発行する場合,ビショップリックの一員または支部会長が,本人と個別に面接を行います。ただし,本人は,親か別の成人に同席を頼むことができます。
26.4.2
新たにバプテスマを受けた会員のための神殿推薦状
ビショップは,代理のバプテスマと確認のための神殿推薦状を受けるのに適した年齢の新会員に面接を行います。ビショップは,この会員の確認後すぐ,通常は1週間以内に,この面接を行います(26.4.1参照)。兄弟の場合は,アロン神権を受けるための面接の一環としてこの面接を行うことができます。教会員の男性は,神殿推薦状を受ける前に,神権の職に聖任されていなければなりません。
ふさわしい成人会員は,教会の会員として確認を受けてから丸1年後に,自身のエンダウメントを受けることができます(27.2.1.1参照)。
26.4.3
代理のバプテスマと確認のための神殿推薦状
代理のバプテスマと確認のために発行された神殿推薦状は,その目的にのみ使用することができます。この推薦状は,LCRを使って印刷します。この推薦状には,会員本人と,ビショップリックの一員または支部会長の署名のみが必要です。
死者のためのバプテスマと確認の予約については,28.2.1を参照してください。
26.4.4
生存している子供の親子の結び固めのための推薦状
8歳から20歳までのエンダウメントを受けていない会員には,以下の結び固めに参加するための神殿推薦状が発行されます。
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両親への結び固め
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生存している実のきょうだい,義理のきょうだい,または片親が異なるきょうだいの親子の結び固めへの参列
結び固めに参加するために神殿推薦状の発行を受ける人は,ビショップリックの一員または支部会長から面接を受けます。同様に,ステーク会長会または伝道部会長会の一員からも面接を受けます。
ビショップリックの一員または支部会長は,LCRを使ってこれらの推薦状を印刷します。結び固めのための神殿推薦状は,子供たち一人一人に発行することも,同じ家族の子供たちをグループと見なして発行することもできます。結び固めを受ける子供の名前と参列する子供の名前を,同じ推薦状に記載することができます。
8歳未満の子供には,両親との結び固めを行うための推薦状は必要ありません。また,生存している実のきょうだい,義理のきょうだい,または片親が異なるきょうだいの親子の結び固めに参列するための推薦状も必要ありません。
21歳以上の会員は,(1)エンダウメントを受けていて,(2)有効な神殿推薦状を持っている場合に限り,親子の結び固めを受けることや,結び固めに参列することができます。
結び固めへの参列と親子の結び固めに関するその他の方針については,27.4.4および38.4.2を参照してください。
26.5
特殊な状況における神殿推薦状の発行
26.5.1
自身のエンダウメントを受ける会員
自身のエンダウメントを受ける人に推薦状を発行する手順は,神殿推薦状つづり2に記載されています。自身のエンダウメントを受けることを希望するふさわしい会員は,以下の条件をすべて満たす場合,エンダウメントを受けることができます。
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18歳以上である。
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中学や高校またはそれに相当する学校を卒業しているか退学している。
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確認を受けてから丸1年経っている。
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神殿の聖約を受けて生涯守りたいという望みを抱いている。
さらに,男性が自身のエンダウメントを受けるには,メルキゼデク神権を持っていなければなりません。自身のエンダウメントを受ける準備をしている会員について詳しくは,25.2.8を参照してください。エンダウメントを受けることができる人について詳しくは,27.2.1を参照してください。
26.5.2
最近バプテスマを受けた会員
ふさわしい成人会員は,教会の会員として確認を受けてから丸1年後に,自身のエンダウメントを受けることができます(27.2.1.1参照)。神権指導者は,会員がエンダウメントを受ける日が,バプテスマの日ではなく,確認の日から少なくとも丸1年を経過した後になるようにします。この規定に例外を認めることができるのは,大管長会のみです。
ふさわしい新会員には,代理のバプテスマと確認のための神殿推薦状を発行するべきです(26.4.2参照)。
26.5.3
自宅から離れた伝道地から帰還する若い宣教師
自宅から離れて奉仕している若い宣教師が伝道を終える前に,伝道部会長は神殿推薦状の面接を行います。宣教師がふさわしければ,推薦状を発行します。伝道部会長は,推薦状に日付を記入して推薦状を有効にし,宣教師が帰還した日から3か月後に有効期限が切れるようにします。
ビショップは,3か月の有効期限が迫ったころ,帰還宣教師と面接を行い,新しい神殿推薦状を発行します。ビショップが対応できず,急を要する場合,ビショップは顧問の一人に,この面接を行う権限を与えることができます。
大規模なヤングシングルアダルトワードでは,ビショップは経験豊富な顧問に,この面接を行う権限を与えることができます。
帰還宣教師はその後,ステーク会長会の一員と会い,神殿推薦状の面接を受けます。
この神殿推薦状の面接で,ビショップとステーク会長会の一員は,宣教師の解任の面接で与えた勧告についても確認します(24.8.2参照)。また,帰還宣教師の進歩状況や状態,現在の教会の召しについて話し合います。さらに,生涯にわたって霊的に成長し,奉仕する道を歩み続けるよう励ましを与えます。
帰還宣教師が教会の召しを受けていなければ,ビショップとステーク会長は,召しが与えられるように手配します。近くに神殿がある場合には,帰還宣教師を,神殿儀式執行者やボランティアとして奉仕するよう推薦することができます(25.5参照)。
26.5.4
同じワードで過ごした期間が一年未満の会員
会員が最低でも1年間続けて同じワードで過ごしていない場合,ビショップは会員の記録を確認して,教会の会員資格の制限に関する記載がないことを確かめます。
神殿推薦状の面接を行う前に,ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,その会員の前のビショップと連絡を取ります。顧問は,連絡して内密情報があることを知った場合,その会話を終えます。そしてビショップに,面接の前に以前のビショップと連絡を取るように伝えます。
26.5.5
離婚,別居,または婚姻の取り消し後
ビショップとステーク会長は,前回神殿推薦状を受けてから,離婚,法的な別居〔注—日本には存在しない〕,婚姻の取り消しを行った会員と面接するべきだと感じる場合があります。この面接では,会員が霊的に強められるように助けます。また,会員が引き続き神殿に参入するふさわしさがあるかどうかを確認します。
26.5.6
近親者が公に教会に反対している会員,または近親者が背教的なグループに所属している会員
ビショップや顧問は,近親者が教会に反対している会員や近親者が背教的なグループに所属している会員に推薦状を発行する場合,慎重に対応するべきです。このような状況にある会員に対して,家族との関係が原因で,神殿推薦状を持つことができないと感じさせるべきではありません。このような会員には,近親者との愛に満ちた関係を保つように励ますべきです。また会員が,神殿推薦状の質問すべてに,適切かつ誠実に答えた場合には,神殿推薦状を発行することができます。
26.5.7
トランスジェンダーを自認する人
神殿の儀式は,本人の出生時の生物学的性別に従って行われます。外科的,医療的,社会的に,出生時の生物学的性別からの移行を行おうとしていない,ふさわしい会員は,神殿推薦状と神殿の儀式を受けることができます(社会的移行の定義については,38.6.23を参照)。
移行後に出生時の生物学的性別に戻しており,ふさわしく,神の戒めを守る決意をしている会員は,神殿推薦状と神殿の儀式を受けることができます。
ビショップはステーク会長と協議して,思いやりとキリストのような愛をもって個々の状況に対応します。ステーク会長と伝道部会長は,地域会長会に助言を求めます。
詳しくは,38.6.23を参照してください。
26.5.8
重大な罪を犯した会員
重大な罪を犯した会員は,悔い改めるまで神殿推薦状を受けることができません(32.6参照)。罪を犯してから推薦状を発行するまでの期間は,ビショップとステーク会長の裁量に委ねられています。本人が心から悔い改めていることを見極めるのに十分な期間を経ているべきです。
26.5.9
教会会員資格の取り消しまたは放棄後に再加入した会員
26.5.9.1
以前にエンダウメントを受けたことのない会員
エンダウメントを受けたことのない会員が,バプテスマと確認を受けて再加入した場合,ビショップはその会員に,代理のバプテスマと確認のための推薦状を受けるための面接を行うことができます(26.4.2参照)。この面接は通常,会員の確認後1週間以内に行います。男性教会員は,神殿推薦状を受ける前に,神権の職に聖任されていなければなりません。
このような会員は,バプテスマと確認を受けて教会に再加入した日から丸1年たつまでは,自身のエンダウメントを受けるための推薦状を受けることはできません。
26.5.9.2
以前にエンダウメントを受けたことのある会員
以前にエンダウメントを受けたことのある会員は,祝福の回復の儀式によって神殿の祝福が回復されるまでは,どのような種類の神殿推薦状も受けることができません(32.17.2参照)。祝福が回復されると,エンダウメントを受けた会員のために神殿推薦状を発行することができます。