ジェイムズのための新しい教会
ジェイムズはこの教会で、ほかの教会とはちがう気持ちを感じました。
このお話はフィージーでの出来事です。
ジェイムズは、家族がブタを小さなさくでかこって、かっている場所に向かいました。「ブタさん、どうぞ」エサを投げ入れると、ブタたちはうれしそうに鼻を鳴らしました。
それから、ジェイムズはあらわれた水入れを外の水道の蛇口がある場所まで運びました。水道の蛇口をひねると、冷たい水が水入れの中にいきおいよく入っていきました。毎日ブタにえさをやったり、家族のために水をくんだりすることで、ジェイムズはお手伝いをしていました。
「ジェイムズ!」お母さんが声をかけました。「教会のじゅんびはできた?」
ジェイムズは水道の蛇口をしめ、最後の重いボトルを家の中に運びました。「今できたところ。」
毎週日曜日、ジェイムズの家族は町にあるキリスト教の教会に行っていました。ジェイムズはイエス・キリストについて学ぶのが好きです。
やがて、ジェイムズと妹のウナイシとマラマは、残りの家族と一緒に教会に向かって歩き始めました。道では、数羽の野生のニワトリが鳴く声がしました。
しかし、かれらが着いたとき、ドアはしまっていました。「牧師さんがいなくなってしまったから、今週も来週も教会がしまっていたことをわすれていたよ」とお父さんが言いました。
「ほかに行ける教会はないかな?」ジェイムズはたずねました。今週教会に行けないのは残念なことです。
お父さんは少し考えて、言いました。「そうだ。思いつく教会があるよ。」
ジェイムズと家族は、お父さんについて家に帰りました。みんなで、川のほとりの小さな木造のふねに乗りこみ、お父さんはモーターを動かすために後ろにすわりました。
ボートは音をたてて川を下っていきます。ジェイムズは、高い緑の木々にかくれている鳥をさがしました。15分ほどすると、小さな教会の建物が見えてきました。そこには、「末日聖徒イエス・キリスト教会」と書かれた看板があります。
「そう、この教会だ」とお父さんが言いました。お父さんはボートを岸まで動かし、みんなは船からおりました。礼拝堂からは音楽が聞こえてきます。
中に入ると、ジェイムズは両親やきょうだいたちと一緒にすわりました。みんなで話者や歌に耳をかたむけます。ジェイムズは温かい、幸せな気持ちを感じました。
集会が終わると、親切な女性が話しかけてくれました。「子供のための特別なクラスがあるのよ」と彼女は言います。「初等協会と言うの。ぜひ来てみないかしら?」
ジェイムズは妹たちの方を見ました。だれも知っている人がいないクラスに行くのは、少しきんちょうしますが、少なくとも、妹たちは一緒に参加できます。もしかしたら、楽しいかもしれません。
「うん」とジェイムズは言いました。
「行こうよ!」マラマはとてもうれしそうです。
ジェイムズと妹たちは、女性の後ろについて、教室に向かいました。たくさんの子供たちが小さな椅子にすわり、話したり笑ったりしていました。ジェイムズがすわると、みんながにっこりとほほえみかけてくれました。みんなとてもやさしそうです!
歌を歌い、ほかの子供たちがジェイムズと妹たちが歌詞を覚えることができるよう助けてくれました。それから、イエス・キリストについてのレッスンがありました。ジェイムズはこの教会で、ほかの教会とはちがう、良い気持ちを感じました。
教会が終わると、ジェイムズの家族は家に帰るためにボートに乗りこみました。ジェイムズはもう一度、教会の建物の外にある看板を見ました。そこにはイエス・キリストの名前があります。それなら、イエス・キリストの教会にちがいありません。ジェイムズはイエス様にしたがいたいと思いました。
「来週もここに来ていい?」ジェイムズはたずねました。
お母さんとお父さんはほほえんで言いました。「わたしたちも同じことを考えていたのよ。」
「やったあ!」ウナイシは声をはずませました。
ジェイムズもにっこりしました。特別な何かを見つけたのです。ジェイムズは、もっと学ぶのが待ち切れませんでした。
イラスト/ベサニー・スタンクリフ