音声設定概要

最終更新:2020年1月7日11時40分

集会所音響システムは,集会所の場所,建物の築年数,建築デザイン,地元の施設管理グループと業者による判断などの要因により世界各地で異なります。こうした差異により,集会所ウェブキャストの音響機材の厳密な設定方法を説明することは困難です。本書には,一般的な方法が記載されていますが,各地域での柔軟な対応が求められるかもしれません。

音響機材

ウェブキャスト用音響機材には下記のような種類があります。

  1. 音源(礼拝堂音響システムの出力またはマイク)

  2. オーディオミキサー(推奨)またはファントム電源付きミニアンプ

  • オーディオミキサーを使用することにより,放送中声量の異なる話者や音楽に対応するために,複数の音源で音量を動的に調節することができるようになります。
  • また,ファントム電源付きミニアンプを使用することで,音声がウェブキャストの装置に取り入れられる前に,音声レベルを増幅させることもできます。音源が一つのみの場合。
  1. 音声ケーブルとアダプター

必要になるケーブルの長さ,サイズ,種類およびアダプターは設定により異なります。一般的な例を次に示します。


放送サイトでの音声設定

一般的に,集会所で音声を拾うには四つのオプションがあります。そのうちの三つは礼拝堂の音響システムを使用し,残りの一つは個別のマイクを使用します。それぞれに異なる設定指示があります。状況に最適なオプションを使用してください。

  • オプションA:集会所図書室(または衛星放送キャビネット)音響システムを使用する。
  • オプションB:書記の机,聖餐台,または説教壇音響システムジャックを使用する。
  • オプションC:説教壇上の第2マイクを使用する。
  • オプションD:聴覚障がい者用の既存の受信機を使用する。

注意事項: 礼拝堂のスピーカーまたはアンプを,エンコーダー装置へ直接接続しないでください。作動する電圧が異なります。それらを接続すると機材が破損します。

オプションA:集会所図書室(または衛星放送キャビネット)音響システムを使用する。

集会所図書室(または衛星放送キャビネット)に衛星放送パネルがある場合には,その近くにエンコーディング装置を設置します。この位置は,エンコーディング装置に接続する必要のある構成部品に近い位置でもあります。

  1. 衛星放送機器のラックがあるドアを開けます。
  2. 礼拝堂オーバーフローのために使われている変調器を探してください。通常,これは米国で最も大きな数字のチャンネルになります。例えば,ラックに3チャンネルと10チャンネルがあり,3チャンネルに画像が表示されていて、10チャンネルには表示されていないとしたら,礼拝堂の出力はおそらく10チャンネルです。礼拝堂の後ろに設置されている映像入力ジャックへカメラが接続されると,正しいチャンネルが礼拝堂を映し出します。
  3. ラックの後部を開けて,礼拝堂オーバーフロー後部用の変調器を探してください。「RF出力」,「映像入力」,「音声入力」の 3本のケーブルがあるはずです。
  4. 礼拝堂オーバーフロー後部用から「音声入力」ケーブルを外し, Yアダプター(LDS-MECP配線キットの中にあります)の雌型コネクターの一つへ差し込みます。
  5. Yアダプターの雄型コネクターを礼拝堂オーバーフロー用変調器の後部へ差し込みます。
  6. Mini-to-RCAアダプター(側面に雄型RCA付き)をYアダプターの最後のコネクターに差し込ます。
  7. Mini-to-RCAアダプター(側面に3.5mmプラグ付き)をエンコーディング装置の音声入力に差し込みます。

オプションB:書記の机,聖餐台,または説教壇音響システムジャックを使用する。

ウェブキャストエンコーディング装置は書記の机,聖餐台の近く,または礼拝堂の後部に設置できます。

  1. 書記の机の近く,聖餐台の下,または説教壇の横にある音声出力ポートを見つけます。これは通常3.5mmポートです。
  2. 3.5mm(雄)-3.5mm(雄)音声ケーブルを使って,エンコーディング装置の音声入力に接続します。

オプションC:説教壇上の第2マイクを使用する。

このオプションでは,礼拝堂音響システムの代わりに別個のマイクを使用します。この方法にはオーディオミキサーが必要です。

  1. 説教壇または話者の位置に代替マイクを設置します。
  2. マイクケーブルを代替マイクに接続します。
  3. マイクケーブルをミキサーに差し込みます。
  4. ミキサーの出力から出ているケーブルを,エンコーディング装置の音声入力に差し込みます。ミキサーの種類により,コネクターは 1/4インチ, RCA, または 1/8インチのものを使います。エンコーディングデバイスのコネクターは1/8インチ(3.5mm)です。アダプターが必要となる場合があります。

オプションD:聴覚障がい者用の既存の受信機を使用する。

このオプションは,聴覚障がい者が使用する,有線または無線のアンプ(例えば,合衆国ではComtek)を用いるものです。聴覚障がい者のために音を変化させる必要があるため,低音と高音が弱くなっています。エンコーディング装置の音量を下げると,より自然な音が出ます。

  1. 聴覚障がい者用受信機を見つけます。定期的に受信機を使う会員がいる場合,予備の受信機を使用します。
  2. 集会中に電源が切れてしまわないように,新しい電池を入れます。
  3. エンコーディング装置上の「音声入力」を,3.5mm(雄)-3.5mm(雄)音声ケーブル付き聴覚障がい者用受信機に接続します。
  4. ケーブルがポートへ差し込まれると,受信機は自動的に稼動するはずです。

受信地の集会所における音響設定

礼拝堂音響システムの多くは,ステレオRCA(RCA-3.5mmアダプターが必要)または3.5mm入力を備えています。これが利用できない場合はマルチアダプター入力装置(普通クラブボックスと呼ばれる)を用いて,受信装置の音声出力を礼拝堂音響システムへ接続します。

  1. クラブボックスの3.5mmケーブルを,受信装置のヘッドフォンジャックへ接続します。
  2. このケーブルのもう一方の端を,それに合うクラブボックス(EJ-10およびEJ-8クラブボックスのみ)のジャックへ差し込みます。
  3. クラブボックスのマイク出力ケーブルを,礼拝堂のマイク入力ジャックへ接続します。

ヒント:ひずみを抑えるには,クラブボックスの音量を調節します。礼拝堂の音量を調節するには,説教壇の音量制御スイッチを使います。


音響機材のテスト

実際の行事で使われるのと同じ種類の音響機材をテストするようにしてください。集会に音楽,声量が異なる話者,聖歌隊,バイオリン独奏などがある場合には,行事の前にそれぞれの音声入力をテストします。テスト行事中および実際の行事のバッファー前の時間に受信サイトで音声レベルのテストを実施することをお勧めします。


行事の管理

いったんウェブキャストが始まると,放送サイトと受信サイトの間で遅延があるため,音声レベルの調節をすることはより難しくなります。行事の最中に音響機器を調節する必要がある場合,受信地では約30秒-1分遅れて調節を聞くことになります。放送装置に届く前に別個のオーディオミキサーを通して音声を流すことにより,音声レベルの調節に最大限の柔軟性を生かすことができます。

音響レベルが一部では許容範囲であるが,全受信地でない場合には,問題のある受信地でのみ音響を調節してもよいでしょう。行事の中継中でも可能な、受信サイトでの音声の調整方法は次のとおりです。

音楽に関するヒント

ウェブキャスト中に参加者全員が歌うとき,または特別な音楽発表があるときは,音量を上げる準備をしてください。歌が終わるときには,次に話す人のために音量を下げる必要があります。音楽のために受信地で音量を上げることで,フィードバックが発生することはありません。

注―最近建てられたり改装が行われたステークセンターには,演壇に「聖歌隊用」マイクが追加で設置されていることがあり,オルガンと礼拝堂の別々の音声が,ウェブキャスト中に送信地でオーディオミキサーに取り込まれ,これら別々の信号が適切にミックスされます。

オーディオミキサーを使用した音声レベルの制御についてさらに学んでください。