1 モーセが非常に高い山に連れて行かれたときに、神が①モーセに②語られた御言葉。
2 このとき、彼は①顔と顔を合わせて神に②まみえ、神と語り、神の③栄光がモーセのうえにあった。それゆえ、モーセは神の臨在に④堪えることができた。
3 神はモーセに言われた。「見よ、わたしは①全能の主なる神であり、②無窮とはわたしの名である。わたしは、日の初めもなく年の終わりもないからである。これは無窮ではないか。
4 また見よ、あなたはわたしの子である。それゆえ、①見なさい。そうすれば、わたしはあなたに、わたしの②手で造られたものを見せよう。しかし、すべてではない。わたしの③業は④終わりがないからである。わたしの⑤言葉もそうである。それらは決して絶えることがないからである。
5 それゆえ、だれもわたしのすべての栄光を見ることなしに、わたしのすべての業を見尽くすことはできない。また、だれもわたしのすべての栄光を見ながら、その後、肉体をもって地上にとどまることはできない。
6 わたしの子モーセよ、わたしはあなたに一つの業を用意している。あなたはわたしの①独り子に②かたどられている。わたしの独り子は、現在も将来も③救い主である。彼は④恵みと⑤真理に満ちているからである。しかし、わたしの⑥ほかに神はおらず、すべてのものはわたしとともにある。わたしはそれらすべてを⑦知っているからである。
7 さて見よ、わたしの子モーセよ、この一つのことを、わたしはあなたに示す。あなたが世にいるからである。今わたしはあなたにそれを示す。」
8 そこでモーセは眺めて、自分が創造されて住んでいる①世界を見た。モーセは世界とその果てと、現在いる人の子らと、過去に創造された人の子らのすべてを②見た。そして、これらのことに彼はひどく③驚くとともに、不思議に思った。
9 それから、神がモーセのもとから去って行かれたので、神の栄光はモーセのうえになく、モーセは一人残された。彼は一人残されると、地に倒れた。
10 さて、多くの時間が過ぎて、モーセは人としての本来の①力を再び取り戻し、独り言を言った。「今これで、わたしは、人は②取るに足りないものであることが分かった。このことは、思ってもみないことだった。
11 だが今、わたしは自分の目で①神を見た。しかし、わたしの②肉体の目ではなく、霊の目で見た。肉体の目では見られなかったであろう。神の御前では③枯れて④死んでしまっていたはずだ。しかし、神の栄光がわたしのうえにあり、わたしは神の御前で⑤変貌したので、神の御顔を⑥見た。」
12 さて、モーセがこれらの言葉を語ったとき、見よ、①サタンが来て、彼を②誘惑して言った。「人の子モーセよ、わたしを拝みなさい。」
13 そこで、モーセはサタンを見て言った。「おまえはだれだ。見よ、わたしは、神の独り子にかたどられている①神の子だ。おまえの栄光がどこにあるので、わたしがおまえを拝まなければならないのか。
14 見よ、わたしは、神の栄光がわたしのうえに及んで、神の御前で①変貌しなかったならば、神を見ることはできなかった。ところが、今わたしは肉体のままで、おまえを見ることができる。実にそのとおりではないか。
15 わたしの神の御名がほめたたえられるように。神の御霊はまだわたしから完全には退き去っていない。そうでなければ、おまえの栄光はどこにあるのか。それはわたしにとって闇だからだ。わたしはおまえと神とを区別することができる。神はわたしに、『神を①礼拝しなさい。あなたは神にのみ②仕えるべきである』と言われたからである。
16 サタンよ、退け。わたしを欺くな。神はわたしに、『あなたはわたしの独り子に①かたどられている』と言われたからである。
17 神はまた、燃える①しばの中からわたしを呼ばれたとき、わたしに戒めを与えて、『わたしの独り子の名によって神に②呼び求め、わたしを礼拝しなさい』とも言われた。」
18 さらにモーセは言った。「わたしは神に呼び求めることをやめない。わたしには神に伺うことがほかにある。神の栄光がわたしのうえにあったので、わたしは神とおまえとを区別することができる。サタンよ、立ち去れ。」
19 さて、モーセがこれらの言葉を語り終えると、サタンは大声で叫び、地上でわめきたてて、「わたしが①独り子だ。わたしを拝め」と命じて言った。
20 そこで、モーセはひどく恐れ始めた。そして、恐れ始めると、①地獄の惨苦を目にした。それでも、彼は神に②呼び求めたので、力を与えられた。そこで、彼は命じて言った。「サタンよ、わたしから離れ去れ。わたしは栄光の神であられるこの唯一の神のみを礼拝するからである。」
21 すると、①サタンはおののき始め、地が揺れ動いた。モーセは力を与えられ、神に呼び求めて言った。「独り子の御名によって言う。サタンよ、立ち去れ。」
22 するとサタンは、涙を流し、泣きわめき、①歯ぎしりをしながら、大声で叫んだ。そしてそこから、すなわちモーセの前から立ち去って、姿が見えなくなった。
23 さて、このことについてモーセは証を述べた。しかし、悪事のゆえにそれは人の子らの中に知られていない。
24 さて、サタンがモーセの前から立ち去ったとき、モーセはその目を天に向け、御父と御子のことを証される①聖霊に満たされた。
25 そして、彼は神の名を呼ぶと、再び神の栄光を見た。神の栄光が彼のうえにあったからである。そして、彼は一つの声が告げられるのを聞いた。「モーセよ、あなたは幸いである。全能者であるわたしがあなたを選び、あなたは多くの①水よりも強くされるからである。あたかもあなたが②神であるかのように、水はあなたの③命令に従うであろう。
26 見よ、わたしは、まことにあなたの生涯の最後まであなたとともにいる。あなたはわたしの民を、すなわちわたしの①選民②イスラエルを③奴隷の状態から④救い出さなければならないからである。」
27 また、その声がまだ語っておられるうちに、モーセはその目を向けて、地を、まことに、そのすべてを①見た。彼が見なかったものはちり一つもなく、彼は神の御霊によってそれを見極めた。
28 また、彼は地に住む者も見た。彼が見なかった者は一人もなかった。彼は神の御霊によって見極めた。その数は多く、まことに海辺の砂のように数え切れなかった。
29 また、彼は多くの地を見た。それぞれの地は①地球と呼ばれ、その面に住む者がいた。
30 そこで、モーセは神に呼び求めて言った。「どうぞわたしにお話しください。これらのものはどうしてこうなのですか。そして、あなたはこれらのものを何によってお造りになったのですか。」
31 見よ、主の栄光がモーセのうえにあったので、モーセは神の前に立ち、①顔と顔を合わせて神と語った。そして、主なる神はモーセに言われた。「わたし自身に②目的があってこれらのものを造った。ここに知恵があり、それはわたしの内にある。
32 わたしの力の①言葉によって、わたしはこれらのものを創造した。わたしの力の言葉とは、②恵みと③真理に満ちている独り子のことである。
33 無数の①世界を、わたしは②創造した。また、わたし自身に目的があってこれらを創造した。子によって、わたしはこれらを創造した。子とは、わたしの③独り子のことである。
34 また、すべての人の①最初の者を、わたしは②アダムと名付けた。すなわち、③数多である。
35 しかし、この地球とこの地球に住む者の話だけをあなたにしよう。見よ、わたしの力の言葉によって過ぎ去った多くの世界がある。また、現在ある世界も多くあり、それらは人にとって数え切れない。しかし、わたしにはすべてのものが数えられている。それらはわたしのものであり、わたしはそれらを①知っているからである。」
36 そこで、モーセは主に言った。「おお、神よ、あなたの僕を憐れんでください。そして、この地球とこの地球に住む者と、また天について、わたしにお話しください。そうすれば、あなたの僕は満足します。」
37 そこで、主なる神はモーセに言われた。「もろもろの①天は数多く、人には数えることができない。しかし、わたしには数えられている。それらはわたしのものだからである。
38 一つの地球とその天が過ぎ去ると、まことに別のものが生じる。わたしの業にもわたしの言葉にも、①終わりがないのである。
39 見よ、人の①不死不滅と②永遠の命をもたらすこと、これがわたしの③業であり、わたしの④栄光である。
40 さて、わたしの子モーセよ、わたしはあなたが立っているこの地球についてあなたに語ろう。あなたはわたしが語ることを①書き記さなければならない。
41 人の子らがわたしの言葉を価値のないものと見なし、あなたが書き記す書からその多くを①取り去る日に、見よ、わたしは②あなたのような者を一人立てよう。そして、あなたが③書き記すものは、人の子ら、すなわちそれらを信じるすべての者の中に再びあるであろう。」
42 (これらの言葉は、その名が人の子らに知られることのない山の中でモーセに①語られた。そして今、それらはあなたに告げられている。信じる者のほかだれにもそれらを示してはならない。まことにそのとおりである。アーメン。)