1さて、当時の若者の中には、ベニヤミン王が民に語ったときにまだ幼い子供であったために、彼の言葉を理解できなかった者が大勢いた。彼らは、自分たちの先祖の言い伝えを信じなかった。
2彼らは、死者の復活について述べられたことも信じなければ、キリストの来臨についても信じなかった。
3また、彼らは自分の不信仰のために、神の言葉を理解できなかった。そして、彼らの心はかたくなであった。
4彼らは、バプテスマを受けようともしなければ、教会に加わろうともしなかった。彼らは信仰に関してはまったく違った民になっており、いつまでもそのままで肉欲にふける罪深い状態にとどまっていた。彼らは主なる自分たちの神に請い願おうとしなかったからである。
5モーサヤ王の治世に、このような者の数は神の民の半分に満たなかったが、教会の兄弟たちの中に不和が起こったために、やがて神の民よりも多くなった。
6そして、これらの者は教会に属していた多くの者をだまし、彼らに多くの罪を犯させた。そのため、教会に属していながら罪を犯した者を、教会は説諭しなければならなかった。
7そこで、教師たちはこれらの者を祭司たちの前に連れて行き、祭司たちに引き渡した。そして祭司たちは、彼らを大祭司アルマの前に連れて行った。
8当時モーサヤ王は、教会を管理する権能をアルマに与えていた。
9さて、アルマは彼らのことについて知らなかったが、彼らを訴える証人は大勢いた。まことに、人々は立って、彼らの罪悪についてたくさんの証言をした。
10ところで、このようなことはこれまで教会の中で起こったことがなかったので、アルマは心の中で思い悩み、これらの者を王の前に連れて行かせた。
11そして、アルマは王に言った。「まことにわたしたちは、教会の兄弟たちから訴えられたこれらの多くの者を、王の御前に連れてまいりました。彼らはいろいろな罪悪を犯して連れて来られた者たちですが、自分たちの罪を悔い改めません。ですから、罪科に応じて王に裁いていただくために、王の御前にこれらの者を連れてまいりました。」
12ところが、モーサヤ王はアルマに言った。「まことに、わたしはこの人々を裁きません。あなたが裁くようにあなたの手に渡します。」
13そこでアルマは、再び心を悩ました。そして彼は、この問題について何を行えばよいか主に尋ねた。神の目にかなわないことを行うのを恐れたからである。
14アルマが自分の心のすべてを神に注ぎ出したところ、主の声が聞こえて言われた。
15「アルマよ、あなたは幸いである。モルモンの泉でバプテスマを受けた者たちも幸いである。あなたはわたしの僕であるアビナダイの言葉だけを深く信じたので、幸いである。
16また彼らは、あなたが彼らに語った言葉だけを深く信じたので、幸いである。
17あなたはこの民の中に教会を設立したので、幸いである。この民は立てられ、わたしの民となるであろう。
18まことに、喜んでわたしの名を受けるこの民は幸いである。わたしの名によって彼らは呼ばれるからである。彼らはわたしのものである。
19あなたは、戒めに背いた者についてわたしに尋ねたので、幸いである。
20あなたはわたしの僕である。わたしはあなたに、あなたが永遠の命を受けると聖約する。あなたはわたしに仕え、わたしの名によって出て行き、わたしの羊を集めなさい。
21そして、わたしの声を聞く者はわたしの羊となる。あなたはその者を教会に受け入れなさい。その者をわたしも受け入れよう。
22見よ、これはわたしの教会である。バプテスマを受ける者はだれでも、悔い改めのためのバプテスマを受けなければならない。あなたが受け入れる者はだれでも、わたしの名を信じなければならない。そうすれば、その者をわたしは惜しみなく赦そう。
23世の罪を負うのはわたしである。世の人々を造ったのはわたしであり、最後まで信じる者にわたしの右の場所を与えるのは、わたしである。
24見よ、これらの者はわたしの名によって呼ばれる。これらの者はわたしを知るならば、進み出て、永遠にわたしの右に一つの場所を得るであろう。
25そして、第二のラッパが鳴ると、そのとき、わたしをまったく知らなかった者たちが出て来て、わたしの前に立つであろう。
26そのとき、彼らはわたしが主なる彼らの神であり、彼らの贖い主であることを知るであろう。しかし、彼らは贖われないであろう。
27そのとき、わたしは彼らに、彼らをまったく知らなかったと告げよう。これらの者は、悪魔とその使いのために用意された永遠の火の中に入るであろう。
28わたしはあなたに言う。わたしの声に耳を傾けない者を、あなたはわたしの教会に受け入れてはならない。そのような者を、わたしは終わりの日に受け入れないからである。
29わたしはあなたに言う。行きなさい。そして、だれであろうとわたしに背く者を、あなたはその者の犯した罪に応じて裁きなさい。もしその者があなたとわたしの前で罪を告白し、真心から悔い改めるならば、その者をあなたは赦しなさい。わたしもその者を赦そう。
30そしてわたしは、民が悔い改める度に、わたしに対する彼らの過ちを赦そう。
31あなたがたも互いに過ちを赦し合わなければならない。まことに、わたしはあなたに言う。隣人が悔い改めると言うときにその過ちを赦さない者は、自分自身に罪の宣告を招くことになる。
32さて、わたしはあなたに言う。行きなさい。罪を悔い改めようとしない者はだれであろうと、わたしの民の中に数えてはならない。今後、このことを守るようにしなければならない。」
33さて、アルマはこれらの御言葉を聞くと、それを保存できるように、また神が命じられたとおりに教会の人々を裁けるように、それを書き記した。
34そして、アルマは行って、罪悪を犯して連れて来られた者たちを主の言葉に従って裁いた。
35また、罪を悔い改めてそれを告白した者はだれであろうと、教会の人々の中に数えた。
36しかし、罪を告白しようとせず、罪悪を悔い改めようとしない者は、教会の人々の中に数えられることなく、彼らの名は消された。
37そして、アルマは教会の諸事をすべて整えた。人々は再び平和を得て、教会の諸事において非常に栄えるようになり、神の前を慎み深く歩み、多くの人を受け入れ、多くの人にバプテスマを施した。
38さて、ともに教会を管理したアルマと彼の同僚たちは、これらのことをすべて行い、力の限り歩み、すべてのことについて神の言葉を教え、あらゆる苦難に耐え、また、神の教会に属していないすべての者から迫害を受けた。
39彼らは教会の兄弟たちを戒めた。また、彼らも各々、神の言葉により、自分の罪、すなわち過去に犯した罪に応じて戒めを受け、絶えず祈るように、またすべてのことについて感謝をささげるように神から命じられた。