1 さて、アビナダイは彼らに言った。「わたしはあなたがたに、①神御自身が人の子らの中に降って来て、御自分の民を②贖われるということを理解してほしいと思う。
2 この神は肉体に①宿られるので、神の御子と呼ばれる。またその肉体を②御父の御心に従わせられるので、御父にして御子なのである。
3 ①御父とは、神の力によって胎内に②宿られるからであり、御子とは、肉体を持たれるからである。このようにして、御父にもなり、御子にもなられるのである。
4 そして御二方は①一つの神、まことに、天地のまことの②永遠の③父であられる。
5 このように、肉体が御霊に従い、あるいは御子が御父に一つの神として従われた後、御子は①誘惑を受けてもその誘惑に負けず、かえって御自分の民から②あざけられ、鞭打たれ、追い出され、③拒まれるままになさる。
6 そして、このようなことの後、また人の子らの中で多くの大きな奇跡が行われた後、この御方は、①イザヤが、『毛を刈る者の前の物を言わない羊のように、彼は口を②開かなかった』と言ったように連れて行かれる。
7 まことにこの御方は連れて行かれて、①十字架につけられ、殺され、その肉体は死に従うが、御子の②御心は御父の御心にのみ込まれてしまう。
8 こうして、神は①死の縄目を断って②死に対して勝利を得、人の子らのために③執り成しをする力を御子に授けられる。
9 また天に昇り、憐れみの心を持ち、人の子らを哀れむ思いに満たされており、人の子らと正義の間に立ち、死の縄目を断ち、人の子らの罪悪と背きを①身に負い、彼らを贖い、正義の要求を②満たされる。
10 さて、わたしはあなたがたに言うが、だれが御子の子孫であると名乗るであろうか。見よ、わたしはあなたがたに言う。御子は罪のためのささげ物にされると、御自分の①子孫を御覧になる。では、あなたがたは何と答えるか。御子の子孫とはだれか。
11 見よ、わたしはあなたがたに言う。①預言者たち、まことに、主の来臨について預言してきたすべての聖なる預言者の言葉を聞いた人々、預言者たちの言葉を聴き、主が御自分の民を贖われることを信じ、自分たちの罪の赦しのためにその日を待ち望んできたすべての人、わたしはあなたがたに言うが、これらの人々が御子の子孫なのである。すなわち、彼らは②神の王国を受け継ぐ者である。
12 これらの人々は、①御子が罪を負ってくださる人々だからである。御子はこれらの人々を背きから贖おうとして、彼らのために死なれた。だから彼らは、御子の子孫ではないだろうか。
13 また、口を開いて預言し、戒めに背くことのなかったすべての預言者、すなわち世界が始まって以来のすべての聖なる預言者も、御子の子孫ではないだろうか。彼らは御子の子孫であると、わたしはあなたがたに言う。
14 そして彼らは、平和を①告げて広め、善のよきおとずれを伝えた人々であり、救いを告げて広め、シオンに向かって、『あなたの神が統治しておられる』と言った人々である。
15 おお、彼らの足は山の上にあって何と麗しかったことであろう。
16 そしてまた、今なお平和を告げて広めている者たちの足も、山の上にあって何と麗しいことであろう。
17 そしてまた、これから後とこしえに平和を告げて広める者たちの足も、山の上にあって何と麗しいことであろう。
18 見よ、わたしはあなたがたに言うが、これだけではない。おお、よきおとずれを伝えられる御方、①平和の創始者、すなわち御自分の民を贖われた主、御自分の民に救いを授けられた御方、まことに、この御方の②足は、山の上にあって何と麗しいことであろう。
19 もし、御自分の民のために主が行われる、①世の初めから備えられた贖いがなければ、わたしはあなたがたに言うが、これがなければ、全人類は②滅びるほかはなかった。
20 しかし見よ、死の縄目は断たれ、御子が統治し、死者を治める力を持たれる。そこで、御子は死者の復活をもたらされる。
21 こうして、復活が起こる。これは①第一の復活、すなわち、過去の人々と、現在の人々と、キリストの復活までの将来の人々の復活である。御子はキリストと呼ばれる。
22 さて、すべての預言者と、預言者たちの言葉を信じた人々、すなわち神の戒めを守ったすべての人の復活は、最初の復活の時にある。したがって、その復活は第一の復活である。
23 彼らはよみがえって、彼らを贖ってくださった①神とともに住む。このようにして彼らは、②死の縄目を断ってくださったキリストによって、永遠の命を得るのである。
24 彼らは、第一の復活にあずかる人々である。また、これらの人々こそ、①救いのことを告げ知らされなかったために無知のままで、キリストが来られる前に死んだ人々である。主はこれらの人々に回復をもたらされる。そして彼らは、主に贖われて第一の復活にあずかり、永遠の命を得る。
25 また、幼い①子供たちも永遠の命を得る。
26 しかし見よ、あなたがたは神の御前で①畏れ、震えおののきなさい。あなたがたは震えおののいて当然である。主は、御自分に②背いて罪の中で③死ぬ者、すなわち、世界が始まって以来、故意に神に背き、神の戒めを知っていながらそれらを守ろうとせず、罪の中に滅びてしまったすべての者については、決して贖いをなさらないからである。④これらの者は、第一の復活に⑤決してあずかれない者たちである。
27 だから、あなたがたは震えおののいて当然ではないか。救いはこのような者には決して与えられない。主はこのような者を贖われないからである。まったく、主はこのような者を贖うことがおできにならない。主は御自分の御言葉をお取り消しになれないからである。主は正義がその権利を主張するときに、①正義を拒むことがおできにならないからである。
28 さて、あなたがたに言っておく。将来、主の救いがあらゆる国民、部族、国語の民、民族に①告げ知らされる時が来るであろう。
29 まことに主よ、あなたの①見張り人は声を上げ、声を合わせて歌うことでしょう。主がシオンを元に戻されるとき、彼らはそれを目の当たりに見るからです。
30 エルサレムの荒れた所よ、喜びの声を上げ、ともに歌え。主が御自分の民を慰め、エルサレムを贖われたからである。
31 主はその聖なる御腕を、すべての国民の目の前に現された。地の果てに至るすべての人は、わたしたちの神の救いを見るであろう。」