「永遠の観点で読む」『聖文研究のスキル』

永遠の観点で読む

定義する

デール・G・レンランド長老の次の言葉を紹介するとよいでしょう。

「永遠の観点から物事を見続けるとは，人生は今，この場にとどまるものではなく，人生は死後も続き，わたしたちの選択には永遠の結果が伴うということを覚えておくということです。」（Dale G. Renlund, “Maintaining an Eternal Perspective,” Ensign, Mar. 2014, 58）

神がどのような御方であり，神のすべての子供たちのために計画をお持ちであることを覚えておくと，聖文の出来事や教義に神の御手を見いだすことができます。永遠の観点から読み，研究することで，自分の混乱の元となっている聖句を再検討し（異なる視点で見る），主の福音に対するより深い，個人的な洞察を得ることができます。

永遠の観点から研究するスキルを身につける際には，以下を行うことを検討してください。

主が御覧になっているように物事を見ることができるよう，聖霊の助けを求めます。
主の福音と，天の御父が子供たちのための備えられた計画と目的に基づいて，聖句や疑問を再検討します。次のような質問をすることにより再検討するとよいでしょう。
- 天の御父や神の計画について，また，神がその子供たちと交わる方法について，自分がすでに知っていることは何だろうか。
- この聖句や出来事に関連する，あるいはそれらを明確にする福音の教えはどれだろうか。
- この出来事や教義は，どのような影響を永遠にわたって及ぼすだろうか。
- 神はこの出来事やテーマをどのように御覧になるだろうか。

モデルを示す

生徒に，ノアか箱舟の絵を見せます。限られた視点で見ると，聖文の出来事の中には，厳しい，あるいは不公平に思える出来事があることを示します。聖書の読者の中には，神が洪水の中でこれほど多くの神の子供たちを滅ぼされたのはなぜかと尋ねる人がいます。

創世6：5－8を読み，要約します。（6節を理解する助けとして，モーセ8：25を参照してください。）「定義する」セクションで提案されている行動が，永遠の観点で聖句を見るうえでどのように役立つかを，実際に生徒にやって見せます。例えば，この出来事をよりよく理解するために祈った後，以下の質問について考えることにより聖句を再検討するとよいと提案します。

天の御父や神の計画について，また，神がその子供たちとの交わり方について，自分がすでに知っていることは何だろうか。（考えられる回答：天の御父は御自分の子供たちを愛しておられ，御父が行われるすべてのことは世のためであることは知っている〔2ニーファイ26：24参照〕。同時に，神は正義の御方で，神の子供たちに自分の邪悪な行いに対して責任を負わせられる。）
この出来事に関連する，あるいは明確にする福音の教えはどれだろうか。（考えられる回答：正義の律法がこの出来事に関連している。民の思いはすべて邪悪だった〔創世6：5参照〕。子供には，選択の自由を認め，真理を教える親のもとに生まれる権利がある〔「家族—世界への宣言」ChurchofJesusChrist.org 参照〕。死後の生活の教義も，この出来事を理解する助けとなるかもしれない〔1ペテロ3：18－20；教義と聖約138：28－34参照〕。）
この出来事や教義は，どのような影響を永遠にわたって及ぼすだろうか。（考えられる回答：多くの人は現世での経験を早期に終えたが，洪水の後に生まれた人々は，神の律法を学び，それに従う可能性が高まった。）
神はこの出来事やテーマをどのように御覧になるだろうか。（考えられる回答：主は涙を流される〔モーセ7：28－34参照〕。同時に，地上に生まれるのを待つ人々にとっては洪水が救済となることも御存じである。彼らの現世での命は短くされたが，おぼれた人々は霊界で真理を教えられるため，彼らにとっても救いとなるかもしれない。）

永遠の観点で読むスキルを実際にやって見せるもう一つの方法は，ビデオ「永遠の視点から疑問について調べる」（2：58）を見せることです。再検討することについてのこの説明は，わたしたちの前提や既存の信条を調べるという概念についても示しています。

2:58

練習する

生徒は現在の研究で学んだ聖句を使ってこのスキルを練習するか，以下の聖句の一つを使うとよいでしょう。協力して御霊を招くよう招き，天の御父の計画に関連する方法で聖句を見直すための質問をします。その後，生徒たちの経験について話し合います。

練習のためのその他の聖句：

創世3：9－19（アダムとエバが，堕落し，禁断の実を食べた結果を身に受ける。）
マタイ12：46－50（イエスは，家族が主と話そうと待っているとある人に言われた。）
1ニーファイ4：6－10（御霊が，ラバンを殺すようニーファイを促す。）
教義と聖約121：1－6（ジョセフが，リバティーの監獄で苦しみ，主が助けてくださらない理由を主に尋ねる。）

招き，フォローアップする

個人学習を行う際に，永遠の観点で読むという原則を活用するよう生徒に勧めます。忘れずにフォローアップを行い，生徒が経験をクラス全体に発表する時間を取り，必要に応じてこのスキルを繰り返します。一週間を通して，これらの原則を研究に使うことについて生徒にフォローアップする機会を見つけるとよいでしょう。