教え、学ぶ
愛をもって耳を傾ける


「愛をもって耳を傾ける」『聖文研究のスキル』

愛をもって耳を傾ける

定義する

愛をもって耳を傾けることは,耳だけでなく,目と心を使って相手の話に耳を傾ける能力であることを伝えるとよいでしょう。意識的に相手の話を聞こうと努め,相手がどのように考えを伝えようとしているかを観察することは,その人が愛され,認められていると感じる助けとなります。愛をもって耳を傾けることにより,御霊を招き,識別の賜物により祝福をもたらします。わたしたちはほかの人の必要を理解し,感じることができます。

レイナ・I・アブルト姉妹はこのように教えています。

レイナ・I・アブルト姉妹

「愛を持って耳を傾けることは,わたしたちが与えることのできる最高の贈り物です。そうするときに,愛する人や友人を抑圧している重い雲を運んだり,持ち上げたりする手助けができるかもしれません。それによって,わたしたちの愛を通して,再び彼らは聖霊を感じ,イエス・キリストから発せられる光に気づくことができるのです。」(レイナ・I・アブルト「曇りの時も晴れの時も,主よ,われと共におりたまえ『リアホナ』2019年11月号,58)

耳を傾けるスキルを高めるために,以下のことを行うとよいでしょう。

  • 気を散らすもの脇に置く(電子機器など)。

  • 話している人を見て,その人の言葉と身振りに集中する。

  • 次に何を言おうか考えるのではなく,相手の言っていることに注意を払う。

  • 誤解を減らすために補足の質問をする。

  • 相手の言ったことを言い換えることにより心からの関心を示し,相手が理解してもらえていると感じられるようにする。

  • 決めつけと批判を脇に置く。

モデルを示す

上記の傾聴スキルのリストを見せ,愛をもって耳を傾ける方法をあなたがやって見せる際に生徒に参照してもらうとよいでしょう。

クラスの前方に二つの椅子を互いに向かい合わせて置き,一人の生徒を募ってあなたの正面に座ってもらいます。その生徒が最近のレッスンや個人の福音研究で学んだ意義深いことを話す間,あなたは積極的な聞き手になる方法をやって見せるとよいでしょう。

練習する

生徒たちに二人一組か少人数のグループに分かれてもらい,交代で話したり,耳を傾けたりすることにより,積極的に耳を傾けるスキルを練習してもらいます。最近のレッスンや個人の聖文研究について話し合うことで,このスキルを練習してもらうとよいでしょう。あるいは,次の聖句とそれに伴う質問について話し合ってもよいでしょう。

練習のためのその他の聖句:

  • イザヤ12:2。あなたやあなたの知人が困難な状況で恐れを克服し,主を信頼したときのことを思い出してください。それはどのような経験でしたか。

  • ヨハネ16:33。世界の状態について不安を感じるとき,何があなたの助けになりますか。

  • 1ニーファイ8:33。自分の信じていることをあざ笑われたら,あなたならどのように対処しますか。

  • 教義と聖約121:1。神が自分の祈りに耳を傾けてくださらないと感じている友人や家族を助けるために,あなたなら何と言いますか。

生徒たちに,このスキルを練習してみて,うまくいったことと難しかったことについて話し合ってもらいます。それぞれの発言は,愛をもって耳を傾けようとしてもらう人の気持ちを表しているかもしれません。

招き,フォローアップする

生徒たちに,今週,人とのかかわりにおいてこのスキルを練習するよう招きます。また,愛をもって耳を傾けるためにほかの人が行っていることにも注目するとよいでしょう。次のクラスで,愛をもって耳を傾けるスキルがどのように上達したかを,生徒に発表してもらいます。