手引きと召し
38. 教会の方針と指針


「38. 教会の方針と指針」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』

「38. 教会の方針と指針」『総合手引き』

38.

教会の方針と指針

38.1

教会への参加

天の御父は,御自分の子供たちを愛しておられます。また,「すべての人が神にとって等しい存在」であり,御父は「御自分のもとに来て主の慈しみにあずかるよう」すべての人を招いておられます(2ニーファイ26:33)。

教会の指導者と会員は,だれが末日聖徒イエス・キリスト教会の集会に出席できるのか,だれが教会員になれるのか,だれが神殿に参入できるのか,尋ねられることがよくあります。

38.1.1

教会の集会への出席

救い主は御自分の弟子たちに,隣人を愛するように教えられました(マタイ22:39参照)。パウロは新しい改宗者に,「もはや異国人でも宿り人でもなく,聖徒たちと同じ国籍の者」となるように招いています(エペソ2:19)。救い主はまた,教会員は「世の人々の前で開かれる……公の集会から,決してだれも追い出さないように」と教えておられます(教義と聖約46:3)。

末日聖徒イエス・キリスト教会の聖餐会や日曜日のほかの集会,社交行事には,だれでも自由に出席することができます。管理役員は,出席者全員がこの神聖な場に敬意を払うようにする責任を負っています。

出席者は,集会での礼拝やほかの目的の妨げになる,混乱を招く行為や気を散らす行為を慎むべきです。教会の様々な集会や行事で求められる年齢や行動に関する要件は,すべて尊重すべきものです。そのため,あからさまな愛情表現や,気を散らす原因となる服装や身だしなみは控える必要があります。また,救い主に焦点を当てた集会の妨げになるような形で,政治的な意見を述べることや,性的指向やほかの個人的特徴について話すことも避けます。

不適切な言動があった場合,ビショップやステーク会長は愛の精神をもって個人的に勧告を与えます。また,その場にそぐわない振る舞いをする人には,天の御父と救い主を礼拝することを特に重んじて集っている出席者全員のために,この神聖な場の雰囲気を保つことに集中するよう勧めます。

教会の集会所は,教会の方針が適用される私有財産と見なされます。これらの指針に従おうとしない人には,教会の集会や行事に出席しないよう丁重に求めることになります。

38.1.2

教会員になる

末日聖徒イエス・キリスト教会の会員になることができるのは,「打ち砕かれた心と悔いる霊をもって進み出て」,「進んでイエス・キリストの名を受け」,神聖なバプテスマの聖約を交わし,それを守りたいと望む人です(教義と聖約20:37)。

8歳以上の未成年の子供のバプテスマについては,38.2.8.2を参照してください。

38.1.3

神殿参入

神殿は神聖な礼拝の場であり,神殿内では必要不可欠な儀式を受け,神聖な聖約を交わします。教会員にとって,神殿は神の宮です。この神聖さとそこで交わす聖約のために,神殿に参入できるのは,有効な神殿推薦状を持つ教会員のみです。会員は,求められている戒めを忠実に守り,イエス・キリストの福音に従って生活するなら,神殿推薦状を受けることができます(第26章参照)。

38.1.4

未婚会員の参加と祝福

すべての会員は,たとえ結婚したことがなくても,家族が教会員でなくても,永遠の家族の中で生活するという理想に向かって努力するべきです。これは,ふさわしい夫または妻として結び固められるために,また愛に満ちた父親または母親になるために,備えることを意味します。一部の人にとって,これらの祝福は来世まで成就しないこともありますが,最終的な目標はだれにとっても同じです。

現世で永遠の結婚と親になることの祝福を受けられない状況にある忠実な会員は,神と交わした聖約を守るならば,約束されたすべての祝福を永遠の世において受けることになります(モーサヤ2:41参照)。

38.1.5

18歳未満の未婚の親

父親になる予定の18歳未満の未婚の若い男性は,アロン神権定員会や長老定員会に参加することができます。若い男性と親とビショップは,祈りをもってこの件について判断するように任されています。

母親になる予定の18歳未満の未婚の若い女性は,若い女性や扶助協会に参加することができます。若い女性と親とビショップは,祈りをもってこの件について判断するように任されています。

この決断を下す際に,青少年と親と指導者は,以下の点を考慮します。

  • その青少年が青少年のクラスや活動に参加する場合,子供を連れて行くべきではない。

  • 子供を育てることを選んだ年長の青少年は,長老見込み会員として長老定員会に迎え入れるほうが,または扶助協会に迎え入れるほうが,恩恵を受ける場合がある。

38.2

儀式と祝福に関する方針

本セクションでは,儀式と祝福に関する方針を説明します。これらの方針には,特別な状況も含まれています。儀式と祝福に関する一般的な情報は,第18章に記載されています。神殿の儀式に関する情報は,第27章および第28章に記載されています。

38.2.1

儀式や祝福を通訳する

儀式や祝福を受ける人が,告げられる内容を理解することが大切です。管理役員は必要に応じて,儀式や祝福の言葉を,本人が理解できる言語に通訳する人を依頼することができます。これには,手話通訳も含まれます。

儀式や祝福を受ける人に聴覚障害がある場合には,音声文字変換アプリを利用することができます。また,聴覚障害のある人が,自分の家族に授けられる祝福を理解するために,手話通訳や音声文字変換アプリを利用することもできます。

祝福師の祝福文の翻訳について詳しくは,38.2.10.5を参照してください。祝福師の祝福の手話通訳について詳しくは,38.2.10.6を参照してください。

38.2.2

儀式や祝福の撮影,録音,文書化

儀式や祝福は神聖なものです。このため,だれであろうと儀式や祝福,バプテスマ会の様子を撮影または録音するべきでありません。

家族は,父親の祝福を録音して文字に起こすことができます。これらの祝福については,18.14.1で説明されています。

祝福師の祝福は文字に起こします。文字起こしを容易にするため,祝福師またはその筆記者は,祝福の言葉を録音します。

ほかの儀式や祝福は,録音したり,文字に起こしたりするべきではありません。

儀式のストリーミングについて詳しくは,38.2.3を参照してください。

38.2.3

儀式のストリーミング

可能な限り,儀式を見たい人はその場に参列するように努めるべきです。会員や友人は儀式のために集まるとき,御霊の影響を感じ,互いに交わることができます。

しかし,身近な家族が直接出席できない場合,ビショップまたはステーク会長は,儀式の様子をその家族にストリーミングする許可を出すことができます。例えば,身近な家族が以下の状況に当てはまる場合,ストリーミングが許可されます。

  • 遠隔地に住んでいる,または移動手段が限られている。

  • 身体的,精神的,または情緒的な健康問題を抱えている。

  • 免疫力が低下している,または介護施設や病院に入院している。

  • 手話通訳を必要としている。

  • 専任宣教師として奉仕している(伝道部会長の承認が必要)。

ビショップは,幼児の祝福やバプテスマ,確認,アロン神権の聖任のストリーミングについて,許可を出すことができます。ステーク会長は,メルキゼデク神権の聖任や宣教師の任命のストリーミングについて,許可を出すことができます。

聖餐の儀式のストリーミングは行いません。聖餐会をライブストリーミング配信する場合,聖餐の執行中は配信を一時停止するべきです。ビショップは,集会に出席できない人に,祭司またはメルキゼデク神権者が直接聖餐を執り行うことを許可することができます。

儀式のストリーミングが,御霊を妨げる原因となってはなりません。通常,使用する機器は一台のみにするべきです。機器の操作は,ワードやステークの技術支援スペシャリストが担当します。機器やそれを操作する人は,目立たないようにします。

儀式の配信データは,儀式後1日以内に削除するべきです。

38.2.4

知的障害のある人のための儀式

知的障害のある人のために儀式を行うかどうか検討する場合,本人とその親または保護者(該当する場合),指導者が協議します。そして,祈りの気持ちで,本人の望みと理解の度合いについて検討します。本人がふさわしく,儀式を受けることを望んでおり,十分な分別と責任能力があると認められるならば,儀式を差し控えるべきではありません。

特殊な事例に関して質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談することができます。ステーク会長は,必要に応じて,大管長会事務局に連絡することができます。

障害のために責任能力のない人は,「天の日の栄えの王国に救われ」ます(教義と聖約137:10)。従って,このような人のために儀式は不要であるか,または執行されません。唯一の例外は,聖約の下に生まれていない子供の親子の結び固めです。

知的障害のある人のための儀式の執行について詳しくは,以下を参照してください。

38.2.5

身体障害者が施す儀式と祝福,身体障害者のための儀式と祝福

手足を失くした人,まひのある人,聴覚障害のある人など,身体に障害のある人も,儀式と祝福を施し,受けることができます。指導者は,このような人々が可能な限り儀式に参加できるように手配します。指導者では解決できない問題がある場合,ステーク会長は大管長会事務局に連絡します。

聴覚障害がある人は,儀式や祝福を執行するときや受けるときに,手話でコミュニケーションを取ることができます。儀式を管理する神権指導者は,儀式を受ける人が,通訳やほかの手段を通じて儀式の内容を理解できるようにします(38.2.1参照)。

38.2.6

儀式の有効化または追認

儀式が無効となる理由が,以下に説明されています。また,儀式を有効にする方法と追認する方法も説明されています。

場合によっては,儀式を再度執行しなければなりません。そのような場合に書記は,ほかの儀式の日付と順序が前後しても,会員記録に新しい日付を記録します。

38.2.6.1

会員記録が作成されていない,または執行年が記載されていないか間違っている

記録の管理上,儀式の執行年が会員記録に記載されていない場合や間違っている場合,その儀式は有効とは見なされません。また,会員記録が作成されていなかった場合,バプテスマは無効となります。儀式の執行時に発行された証明書の原本により,その儀式を有効にすることができます。この証明書があれば,ビショップは書記に,会員記録を更新する許可を与えることができます。

証明書が見つからない場合は,儀式に立ち会った二人の証言により,その儀式を有効にすることができます。この二人の証人は,下記の要件を満たす必要があります。

  • 儀式が執行されたときに8歳以上であった。

  • その儀式を見聞きした。

  • 証言する時点で記録上の教会員である。

  • (1)儀式が執行された日付,または(2)執行された年と執行者を明記して,書面による証言を提出する。

  • ビショップリックまたはステーク会長会の一員の前で,自分の証言に署名する。

この証言があれば,ビショップは書記に,会員記録を作成または更新する許可を与えることができます。その後,証言の書類は破棄することができます。

証明書や証人が見つからない場合は,儀式を再度執行しなければなりません。

その会員が無効となった儀式の後にほかの儀式を受けていた場合は,大管長会による追認を受けなければなりません。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。

38.2.6.2

誤った順序で受けた儀式

誤った順序で受けた儀式は,無効です。例えば,兄弟がメルキゼデク神権を受ける前にエンダウメントを受けた場合,そのエンダウメントは無効です。しかしながら,大管長会はそのような儀式を追認することができます。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。

38.2.6.3

適切な年齢になる前に執行された儀式

適切な年齢になる前に執行された場合,その儀式は無効です。例えば,8歳になる前に執行されたバプテスマは,無効です。

無効となった儀式の後にほかの儀式を受けていなければ,その儀式を再度執行するべきです。ほかの儀式を受けていれば,それらの儀式と無効となった儀式は,大管長会による追認を受けなければなりません。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。

38.2.6.4

適切な権能なしに執行された儀式

適切な神権の権能を持たない人によって執行された儀式は無効です。例えば,メルキゼデク神権を持たない人が確認を行った場合,その確認は無効です。同様に,確認を行った人が,メルキゼデク神権を誤った順序で受けていた場合や,適切な承認なしにを受けていた場合も,その確認は無効となります(38.2.6.2参照。32.17も参照)。

無効となった儀式の後にほかの儀式を受けていなければ,適切な権能を持つ人によって,その儀式を再度執行するべきです。ほかの儀式を受けていれば,それらの儀式と無効となった儀式は,大管長会による追認を受けなければなりません。追認を申請するには,ステーク会長が大管長会事務局に手紙を送ります。場合によって大管長会は,その儀式を再度執行するように指示することができます。

38.2.7

子供の命名と祝福

子供の命名と祝福に関する一般的な情報については,18.6を参照してください。

38.2.7.1

重病の乳児

新生児が重病に陥っている場合,メルキゼデク神権者は,病院や家庭で命名と祝福を行うことができます。この場合,ビショップの承認は必要ありません。祝福を授けた後,速やかにビショップに通知し,子供の会員記録を作成できるようにします。

38.2.7.2

結婚していない親(離婚を含む)を持つ子供

ビショップが親や保護者から口頭で許可を得ている場合,子供に祝福を授けることができます。法的根拠なしに祝福に反対している親や保護者からの許可は必要ありません。

38.2.7.3

教会員ではない親を持つ子供

時折,教会員でない親や保護者から,子供に祝福を授けるように求められることがあります。このような場合,ビショップは,親や保護者から口頭で許可を得るようにします。法的根拠なしに祝福に反対している親や保護者からの許可は必要ありません。

ビショップは以下を説明します。

  • 子供の会員記録が作成される。

  • ワードの会員が定期的に連絡を取る。

  • 子供が8歳に近づいたら,ビショップやワードのほかの指導者が,バプテスマを受ける準備をするように提案する。

38.2.8

バプテスマと確認

バプテスマと確認に関する一般的な情報については,18.7および18.8を参照してください。

38.2.8.1

知的障害のある人

知的障害のある人は,本人に責任能力があると見なすのが妥当だと考えられる場合,バプテスマと確認を受けることができます。本人は,バプテスマの聖約を理解し,守る能力を有しているべきです。

ビショップは,以下の人に対するバプテスマの鍵を持っています。

  • 8歳以上の記録上の会員。

  • 親または保護者の少なくとも一人が会員である8歳の子供(18.7.1.1参照)。

本人とその親または保護者(該当する場合),ビショップはともに話し合い,バプテスマと確認を受けるべきかどうか判断します。

本人が改宗見込み者の場合は,伝道部会長がバプテスマの鍵を持っています(18.7.1.2参照)。この場合,宣教師は伝道部会長に報告します。伝道部会長は,本人とその親または保護者(該当する場合)と話し合い,バプテスマと確認を受けるべきかどうか判断します。ビショップが本人をよく知っている場合,伝道部会長は,ビショップに意見を求めることもできます。

責任能力のない人は,年齢にかかわらず,バプテスマを受ける必要はありません(教義と聖約29:46-50および本手引きの38.2.4参照)。

責任能力がないと思われる人の会員記録について詳しくは,33.6.10を参照してください。

38.2.8.2

未成年者

地元の法律で規定された未成年者は,以下の条件をすべて満たした場合,バプテスマを受けることができます。

  1. 親または法定後見人が許可を与えます。法的根拠なしにバプテスマに反対している親や保護者からの許可は必要ありません。例外を適用するには,大管長会の承認が必要です。

    バプテスマと確認の面接を行う人は,書面による許可が誤解を避けるのに役立つと感じる場合,書面による許可を求めます。地域によっては,書面による許可が必要な場合もあります。伝道部と地域の指導者は,助言を与えることができます。

    親や法定後見人は,子供が教わる教義を理解するべきです。また,子供がバプテスマの聖約を交わして守るのを進んで支援するべきです。

  2. 面接を行う人が,その子供はバプテスマの聖約を理解していると判断している。面接を行う人は,その子供が教会の集会に出席することを含め,戒めに従うことによってこの聖約を守るように努めることを確信するべきです。

子供が継父の姓を名乗っている場合,その名前でバプテスマと確認を受けることができます。これは,正式に養子縁組されていない場合でも同様です。ただし,子供の本名が地元の法律や慣習で定められている場合,それを会員記録と,「バプテスマと確認の証明書」に記載するべきです。

38.2.8.3

既婚者

既婚者は,バプテスマを受ける前に,伴侶の同意を得なければなりません。

38.2.8.4

同棲している人

結婚していない同棲中のカップルは,どちらかがバプテスマを受ける前に,純潔の律法に従って生活することを決意しなければなりません。これには,教義と聖約20:37で述べられているように,悔い改めを生じる信仰を働かせることが含まれます。また,同棲するのをやめるか,男女の場合は結婚することも含まれます。

38.2.8.5

教会会員資格を取り消された人や放棄した人

教会会員資格を取り消された人や放棄した人は,バプテスマと確認によって再加入することができます。このような人は,改宗者とは見なされません。宣教師は,このような人のバプテスマの面接は行いません。手順については,32.16を参照してください。

38.2.8.6

伝道部会長や大管長会の承認が必要な状況

過去に以下の状況にあった人は,バプテスマを受ける前に伝道部会長の承認が必要です。

  • 重大な犯罪を犯した(38.2.8.7参照)。

  • 堕胎に関与した(38.6.1参照)。

このような場合,伝道部会長が本人と面接を行います。必要であれば,伝道部会長は,顧問の一人にこの面接を行う権限を託すことができます。この権限は,面接ごとに個別に託します。伝道部会長は,面接を行う顧問から報告を受け,それからバプテスマと確認を承認するか否かを判断します。

以下に該当する場合,バプテスマを受ける前に大管長会の承認が必要です。

  • 殺人を犯した(38.2.8.7参照)。

  • 性的不正行為にかかわる犯罪により,有罪判決を受けたことがある(38.2.8.7参照)。

  • 現在,重大な犯罪や違反行為(通常は1年以上の懲役刑),または性的不正行為にかかわる犯罪により,法的保護観察中または仮釈放中である(38.2.8.7参照)。

  • 多妻結婚に関与した(38.2.8.8参照)。

  • 出生時の生物学的性別とは異なる性別への移行を完了している(38.2.8.9参照)。

本人が初めてバプテスマを受けようとしている場合は,伝道部会長が面接を行います。伝道部会長がその人をふさわしいと判断し,バプテスマを推薦する場合,伝道部会長はLCRを使って大管長会に承認の申請を提出します。

本人が再加入を希望する元会員である場合は,ビショップとステーク会長の両方が面接を行います。ビショップとステーク会長は,32.16の手順に従います。両者がその人をふさわしいと判断し,バプテスマを推薦する場合,ステーク会長はLCRを使って大管長会に承認の申請書を提出します。

大管長会への申請には,面接で判断の決め手となったあらゆる詳細を含めるべきです。

大管長会に申請を提出する際のステーク会長(または伝道部会長)の責任については,6.2.3を参照してください。

38.2.8.7

有罪判決を受けた人

有罪判決を受けた人は,刑期を終えるまでバプテスマを受けることはできません。これは,改宗者にも,再加入を希望する人にも当てはまります。

重大な犯罪または性的不正行為にかかわる犯罪で有罪判決を受けた人は,保護観察または仮釈放の期間を終えるまで,バプテスマと確認を受けることはできません。大管長会だけが,例外を認めることができます(38.2.8.6参照)。これらの人は,地元の神権指導者と密接に連絡を取るように奨励されています。また,救い主の助けを得てバプテスマと確認を受けるにふさわしくなれるように,全力を尽くします。

専任宣教師は,刑務所や拘置所に収監されている人を教えてはなりません。

殺人や性的不正行為にかかわる犯罪で有罪判決を受けた人は,大管長会から承認を得ないかぎり,バプテスマを受けることはできません(38.2.8.6参照)。殺人を告白した人も,たとえそれが神権指導者への内密の告白であっても,同様です。ここでいう殺人には,人工妊娠中絶や,警察官または軍人としての公務執行中の行為は含まれません。

本人が初めてバプテスマを受けようとしている場合,伝道部会長は38.2.8.6の指示に従います。本人が再加入を希望する元会員である場合,ビショップおよびステーク会長は,同じセクションの指示に従います(32.16も参照)。

38.2.8.8

多妻結婚に関与した成人

多妻結婚を奨励,指導,またはそれに関与していた成人は,バプテスマを受ける前に,大管長会の承認を得なければなりません。

本人が初めてバプテスマを受けようとしている場合,伝道部会長は38.2.8.6の指示に従います。本人が再加入を希望する元会員である場合,ビショップおよびステーク会長は,38.2.8.6の指示に従います(32.16も参照)。

申請書には,本人が過去に多妻結婚に関与していたことを記述するべきです。また,本人の悔い改めと現在の家族の状況についても記述するべきです。

38.2.8.9

トランスジェンダーを自認する人

トランスジェンダーの人は,出生時の生物学的性別とは異なる性別への移行(性別適合)を試みる目的で,任意の医療処置や外科処置を行おうとしていなければ,バプテスマと確認を受けることができます。

伝道部会長は,思いやりとキリストのような愛をもって個々の状況に対応するために,地域会長会と協議するべきです。

任意の医療処置や外科処置により性別適合を終えた人は,バプテスマを受けるために,大管長会の承認を得なければなりません。伝道部会長は,本人と面接して,ほかの面ではふさわしいことを確認し,バプテスマを推薦できる場合,この承認を申請することができます。このような人は,神権や神殿推薦状,一部の教会の召しを受けることができません。ただし,その他の方法で教会に参加することができます。

詳しくは,38.6.23を参照してください。

38.2.9

神権の聖任

神権の聖任に関する一般的な情報については,18.10を参照してください。

38.2.9.1

新会員

バプテスマと確認を受けた兄弟は,その年に12歳以上になる場合,アロン神権の職に聖任される資格があります。ビショップは確認後すぐに,通常は1週間以内に,面接を行います。ビショップリックの一員は,聖餐会で本人の名前を提示し,ワードの会員が提案された聖任に賛意を表明できるようにします(18.10.3参照)。その後,以下の適切な職に聖任することができます。

  • 執事:年内に12歳か13歳になる場合

  • 教師:年内に14歳か15歳になる場合

  • 祭司:年内に16歳以上になる場合。19歳以上の場合は,長老見込み会員とも見なされます(38.2.9.3参照)

新会員は以下の条件を満たしている場合,メルキゼデク神権を受け,長老に聖任される資格があります。

  • 18歳以上。

  • 祭司として奉仕したことがある(期間の定めはない)。

  • 福音を十分に理解している。

  • ふさわしさを示している。

新たにバプテスマを受けた兄弟は,バプテスマや確認の当日には聖任されません。まずビショップから面接を受け,ワードの会員から賛意の表明を受ける必要があります。

父親が神権を受けて,自分の家族のバプテスマを執行できるように,家族のバプテスマを遅らせるべきではありません。

38.2.9.2

結婚していない親(離婚を含む)を持つ若い男性

ビショップが親や保護者から口頭で許可を得ている場合,若い男性をアロン神権の職に聖任することができます。法的根拠なしに聖任に反対している親や保護者からの許可は必要ありません。

その若い男性が継父の姓を名乗っている場合,その名前で聖任を受けることができます。正式に養子縁組されていない場合も同様です。しかしながら,地元の法律または慣習上定められている若い男性の正式名を聖任証明書に記載するべきです。

38.2.9.3

長老見込み会員

長老見込み会員とは,メルキゼデク神権を持たない19歳以上の男性教会員を指します。メルキゼデク神権を持たない19歳未満の既婚男性も,長老見込み会員です。

ビショップの指示の下に,長老定員会会長会は長老見込み会員と密接に協力して,本人がメルキゼデク神権を受ける備えができるように助けます。長老見込み会員が祭司でない場合は,本人がふさわしくなり次第,祭司に聖任するべきです。最初に執事や教師に聖任する必要はありません。長老見込み会員は,福音を十分に理解し,ふさわしさを示したときに,長老に聖任することができます。ビショップとステーク会長は,本人と面接してこの判断を下します(31.2.6参照)。

長老見込み会員がメルキゼデク神権を受ける備えができるように助けることついて詳しくは,8.4を参照してください。

38.2.9.4

ワードに居住して1年未満の兄弟

ワードに居住して1年未満の兄弟が,メルキゼデク神権の職への聖任を必要とすることや,希望することがあります。そのような場合,ビショップまたは割当を受けた顧問は,前のビショップと連絡を取り,ふさわしさに関して検討すべき事柄があるかどうか尋ねます。顧問は,内密情報があることを知った場合,その会話を終えます。そしてビショップに,面接を行う前に,前のビショップと連絡を取るように伝えます。

38.2.9.5

ヤングシングルアダルトワードとシングルアダルトワードの兄弟

ヤングシングルアダルトワードとシングルアダルトワードの18歳以上のふさわしい男性は,長老に聖任するべきです。長老に聖任されていない男性は,長老見込み会員として長老定員会に所属します。

38.2.9.6

交戦地帯または孤立した地域に駐屯する軍人

軍人は通常,本人の会員記録が置かれているワードで面接と聖任を受けます。しかしながら,本人が長期にわたって洋上にいる場合や,交戦地帯や孤立した地域にいる場合は,実行できないことがあります。そのような場合,軍人会員のグループリーダーが本人と面談します。グループリーダーは,本人に聖任を受ける準備ができていると感じたら,軍人会員グループを管轄する教会ユニットの管理指導者に推薦書を提出します(そのような教会ユニットがない場合は,地域会長会に推薦書を提出します)。管理指導者は,本人の所属ワードのビショップと連絡を取り,彼のふさわしさを確認します。

アロン神権の職へ聖任する場合,管理指導者は,グループリーダーまたは末日聖徒チャプレンに,本人と面接して聖任を監督する権限を与えることができます。長老の職へ聖任する場合,ステーク会長,伝道部会長,または地域会長会は,末日聖徒チャプレンに,本人と面接して聖任を監督する権限を与えることができます。すべての聖任は,18.10.3で説明されているように,支持または追認を受けるべきです。

38.2.9.7

知的障害を持つ兄弟

知的障害のある男性教会員とその親(該当する場合)とビショップは,本人が神権を受けるべきかどうかについて一緒に話し合います。また,本人の希望や,神権とそれに伴う責任について基本的な事柄を理解しているかどうか話し合います。

そのような障害のある神権者は,可能なかぎりすべての神権の務めを果たせるように支援を受けるべきです。

38.2.9.8

バプテスマと確認によって再加入した兄弟

以前にエンダウメントを受けたことのない男性がバプテスマと確認によって教会に再加入した場合,その後すぐに聖任を受けることができます。そして,会員資格の取り消しや放棄が行われたときに保持していた神権の職に聖任されます。

以前にエンダウメントを受けたことがある男性は,神権の職には聖任されません。その代わり,祝福の回復の儀式を通して以前の職が回復されます。

詳しい情報と手順については,32.17を参照してください。

38.2.9.9

トランスジェンダーを自認する人

出生時の生物学的な性別とは異なる性別への移行(性別適合)を試みる目的で任意の医療処置や外科処置を受けた会員は,神権を受けることも行使することもできません。また,社会的に出生時の生物学的な性別とは異なる性別に移行した会員も,神権を受けることや行使することはできません。

ステーク会長は,思いやりとキリストのような愛をもって個々の状況に対応するために,地域会長会と協議するべきです。

医療的,外科的,社会的に,出生時の生物学的な性別から離れようとしていないふさわしい男性教会員は,神権を受けて行使することができます。

詳しくは,38.6.23を参照してください。

38.2.10

祝福師の祝福

祝福師の祝福に関する一般的な情報については,以下を参照してください。

  • 本手引きのセクション18.17

  • 『祝福師への情報と提案』

  • 『世界指導者訓練集会—祝福師』

38.2.10.1

知的障害のある会員

知的障害のある会員とその親または保護者(該当する場合)とビショップは,本人が祝福師の祝福を受けるべきかどうか一緒に話し合います。そして,本人の希望について,また本人に祝福を理解する基本的な能力があるかどうかについて検討します。推薦可能であれば,ビショップリックの一員は「祝福師の祝福への推薦状」を発行することができます。手順は,18.17に記載されています。

38.2.10.2

宣教師

祝福師の祝福は,宣教師にとって霊的な強さの源となり得ます。可能であれば,宣教師は伝道を始める前に,祝福師の祝福を受けるべきです。それができない場合は,伝道中に祝福師の祝福を受けることができます。伝道部会長は,宣教師と面接し,「祝福師の祝福への推薦状」を作成します。手順は,18.17に記載されています。

宣教師訓練センター(MTC)に滞在中の宣教師は,下記の条件をすべて満たしている場合にのみ,祝福師の祝福を受けることができます。

  • 宣教師の母国語で祝福を授けられる祝福師がいない地域の出身である。

  • 宣教師の母国語で祝福を授けられる祝福師がいない伝道部で伝道する。

  • MTCの近くに住んでいる祝福師が,宣教師の母国語で祝福を授けることができる。

38.2.10.3

軍務に就く会員

祝福師の祝福は,軍務に就いている会員にとって霊的な強さの源となり得ます。可能であれば,ふさわしい会員は,入隊する前に祝福師の祝福を受けるべきです。

それができない場合,本人の常駐基地で祝福師の祝福を受けることができます。そこのビショップリックの一員が,本人と面接し,「祝福師の祝福への推薦状」を作成します。手順は,18.17に記載されています。

ステーク会長は,詳細について十二使徒定員会事務局(Q12Patriarchs@ChurchofJesusChrist.org)に問い合わせることができます。

38.2.10.4

祝福師の所属するステーク外に居住している会員

会員は通常,自分の所属ステークの祝福師から祝福師の祝福を受けます。しかし,以下のような場合,会員は別のステークの祝福師から祝福を受けることができます。

  • 実子や養子を問わず,祝福師の直系の子孫(子供,孫,ひ孫)である。

  • 現職の祝福師がいないステークに住んでいる。

  • 地方部に住んでいる。

  • 所属するステークの祝福師が本人と同じ言語を話せないが,近隣のステークの祝福師が話せる。

このような場合,ビショップリックの一員または支部会長は,18.17に記載されているように,その会員の面接を行います。祝福師のステーク会長会の一員および祝福を受ける人のステーク会長会または伝道部会長会の一員は,「祝福師の祝福システム」を通して推薦を承認しなければなりません。

38.2.10.5

祝福師の祝福の翻訳

祝福師の祝福のもたらす霊感や祝福の意味は,翻訳では伝えることが困難です。そのため,会員は自分が最もよく理解できる言語で祝福を受けるべきです。教会は,祝福師の祝福の翻訳文を提供していません。

また会員は,祝福師の祝福を翻訳することを勧められていません。しかし,時には,祝福文を本人が理解できる言語に翻訳する必要があります。そのような場合,会員は,翻訳してくれる信頼できるふさわしい教会員を探すことができます。会員は,祝福の霊的側面と内密性を理解している熟練した翻訳者を選ぶべきです。祝福の翻訳は,教会本部に保管されません。

ステーク会長は,祝福師の祝福の点訳文を要請することができます。その場合,十二使徒定員会事務局(Q12Patriarchs@ChurchofJesusChrist.org)に連絡します。

38.2.10.6

祝福師の祝福の手話通訳

会員に聴覚障害がある場合,祝福師の祝福の手話通訳を行うことができます。会員本人が通訳者を指名します。最適の通訳者は,信頼できるふさわしい教会員で,祝福師の祝福の教義的な重要性を理解している人です。しかし,教会員が見つからない場合は,ほかの有能な人が通訳を行うことができます。

38.2.10.7

2度目の祝福師の祝福

ごくまれな状況において,ふさわしい会員が2度目の祝福師の祝福を要請することがあります。しかし,これは奨励されていないため,要請が承認されない可能性があります。そのような要請を行う重要な理由があれば,その件についてビショップと話し合います。ビショップは,2度目の祝福が必要であると感じたら,「祝福師の祝福への推薦状」を作成します。手順は,18.17に記載されています。

その後,ステーク会長が本人と面接し,本人と一緒に最初の祝福文を読みます。そして,2度目の祝福が必要であると感じたら,ステーク会長は十二使徒定員会事務局(Q12Patriarchs@ChurchofJesusChrist.org)に承認を求めます。

ステーク会長は,十二使徒定員会事務局の決定を,祝福を受ける人と祝福師に伝えます。要請が承認された場合,ステーク会長は「祝福師の祝福システム」でその推薦を承認します。ステーク会長は,2番目の祝福文が元の祝福文に差し代わることを本人に伝えます。その後,祝福師は2度目の祝福師の祝福を授けることができます。

38.3

民事結婚

教会指導者は会員に,神殿結婚する資格を得て,神殿で結婚し,結び固めを受けるように勧めています。地元の法律で認められている場合,教会指導者は以下のような状況において,民事結婚を執り行うことができます。

  • 神殿で結婚する予定だが,神殿結婚には法的効力が認められていない。

  • 神殿で結婚する予定だが,民事結婚が,親や近親者が疎外されていないと感じる助けとなる。

  • 長期間,神殿を利用することができない。

  • 神殿で結婚する計画を立てていない。

民事結婚は,夫婦が生きているかぎり有効です。死すべき世を超えて存続するものではありません。

民事結婚は,結婚式が挙行される場所の法律に従って執り行うべきです。

民事結婚や関連する宗教的儀式は,安息日に行うべきではありません。また,普段と違う時間帯に行うべきではありません。

民事結婚に関して本セクションで答えが得られない質問がある場合,ビショップはステーク会長に相談します。ステーク会長は,大管長会事務局に問い合わせることができます。

38.3.1

民事結婚の執行者

地元の法律で認められている場合,現在以下の召しを受けている教会役員は,民事結婚を執り行うことができます。

  • 伝道部会長

  • ステーク会長

  • 地方部会長

  • ビショップ

  • 支部会長

これらの役員が執行できるのは,男女間の民事結婚のみです。また,以下の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 花嫁または花婿が教会員である,またはバプテスマの日付がある。

  • その役員が管理する教会ユニットに,花嫁または花婿の会員記録が現在ある,またはバプテスマ後に作られる予定である。

  • 結婚が行われる管轄区域内において,その教会役員が,民事結婚を執り行う法的権限を有している。

現職の末日聖徒チャプレンは,事前の承認なしに,民事結婚を執り行うことができます。

予備役または州兵の部隊に割り当てられているチャプレンは,民事結婚を執り行う前に,教会の軍人関係・チャプレンサービス課から承認を受けなければなりません。38.9.10に記載されている連絡先の情報を参照してください。

以下のような軍以外で働いているチャプレンは,民事結婚を執り行う前に,教会の軍人関係・チャプレンサービス課から承認を得なければなりません。

  • 病院

  • ホスピス

  • 介護施設

  • 刑務所

  • 国境警備隊

  • 警察署または消防署

退役したチャプレンには,チャプレンという立場で民事結婚を執り行う権限はありません。

教会指導者としての召しにおいて,またはチャプレンとして結婚を執り行う人は,本章の指針を用いるべきです。また,法的要件にすべて従います。

末日聖徒のチャプレンは,ステーク会長,ビショップまたは支部会長として奉仕していないかぎり,教会の管理役員とは見なされません。教会の管理役員でないチャプレンが民事結婚を執り行う場合,そのチャプレンは所属している政府または民間組織の代理人としての役割を果たします。このため,民事結婚の儀式の言葉は,38.3.6にあるように,チャプレンによって多少異なります。

末日聖徒のチャプレンが執行できるのは,男女間の民事結婚のみです。

教会員のために民事結婚を執り行う教会役員およびチャプレンは,必要な結婚情報をワードまたは支部書記に提供するべきです。書記は会員記録を更新します。

教会における立場で民事結婚を執り行う教会役員またはチャプレンは,報酬を受け取ることができません。

38.3.2

ほかのユニットの会員のための民事結婚

教会役員は,自分が管理する教会ユニットに花嫁と花婿の会員記録がどちらもない場合,教会員のために結婚式を執り行うことはできません(38.3.1参照)。末日聖徒のチャプレンや教会役員が政府関係者である場合は例外となります。

38.3.3

教会員でない人のための民事結婚

教会役員は,花嫁と花婿が教会員でない場合,一方または両方にバプテスマの日付がない限り,結婚式を執り行うことはできません。末日聖徒のチャプレンや教会役員が政府関係者である場合は例外となります。

38.3.4

教会の建物内で行う民事結婚

結婚式は,教会の通常のスケジュールに支障を来さなければ,教会の建物で行うことができます。結婚式は,安息日や月曜日の夕べに行うべきではありません。教会の建物で執り行う結婚式は,簡潔かつ厳かであるべきです。また,音楽は神聖で,敬虔で,喜びに満ちたものであるべきです。

結婚式は,礼拝堂や文化ホール,あるいはほかの適切な部屋で執り行うことができます。多目的室になっていない礼拝堂では,結婚披露宴を行うことはできない。結婚式は,集会所の適切な使用に関する指針に従って執り行うべきです(35.5.3参照)。

教会は,教会の集会所やほかの施設を,同性婚,多妻婚,非合法婚,その他教会の教義や方針に添わない結婚に関連するいかなる目的にも使用することを禁じています。

まれな状況において,ビショップは,教会役員でない人や教会員でない人が執行する結婚式のために,教会建物の使用を許可することができます。ビショップはまず,ステーク会長に相談します。また,結婚式を執行する人と話し合い,その人が本セクションにある指針を理解していることを確認します。ステークまたはワード評議会の一員が結婚式に立ち会い,建物が適切に使用され,管理されるようにします。

ビショップは,教会の建物で行う結婚式のライブストリーム配信を許可することができます(29.7参照)。

38.3.5

官吏によってまたは公共の場所で執行しなければならない民事結婚

一部の地域では,官吏が結婚式を執り行うことが法律により義務付けられています。また,公共の建物や公共の場所で挙式することが義務付けられている地域もあります。そのような場合,法的上の権限を与えられた神権役員は,民事結婚後に短い宗教的な集会を執り行うことができます。その集会で,夫婦に勧告を与えます。

38.3.6

民事結婚の儀式

結婚は神聖なものであり,その神聖さを尊び,厳かに行うべきです。神殿外で執行される教会員の結婚は,決意と喜びの精神を反映したものであるべきです。

特記されている場合を除き,本セクションの情報は,末日聖徒のチャプレンと教会役員に適用されます。

教会役員は,民事結婚を行う前に,結婚の誓いの神聖さについて夫婦に勧告を与えることができます。また,御霊の導きに従って,その他の勧告を付け加えることもできます。

民事結婚を執り行う際に,教会役員は二人に次のように言います。「どうぞ,お互いの右手を取ってください。」続いて,このように言います。「〔花婿の姓名〕と〔花嫁の姓名〕,あなたがた二人は,神とこれらの証人の前で,誓いを交わすしるしとしてお互いに右の手を取っています。」(花婿と花嫁は,これらの証人を前もって選任または指名できます。)

それから教会役員は花婿に向かって次のように言います。「〔花婿の姓名〕,あなたは〔花嫁の姓名〕を,法の下に結ばれたあなたの妻として受け入れ,自ら法の下に結ばれた連れ合いたる夫として,妻とのみ結び合い,その他のものと結び合わず,夫婦という神聖な関係にかかわるあらゆる律法と責任と義務とを守り,二人が共に命のあるかぎり,愛し,敬い,慈しむという神聖な約束を結びます。あなたは,自らの自由意志と選びによって,これを行いますか。」

花婿は「はい」または「行います」と答えます。

その後,教会役員は花嫁に向かって次のように言います。「〔花嫁の姓名〕,あなたは〔花婿の姓名〕を,法の下に結ばれたあなたの夫として受け入れ,自ら法の下に結ばれた連れ合いたる妻として,夫とのみ結び合い,その他のものと結び合わず,夫婦という神聖な関係にかかわるあらゆる律法と責任と義務とを守り,二人が共に命のあるかぎり,愛し,敬い,慈しむという神聖な約束を結びます。あなたは,自らの自由意志と選びによって,これを行いますか。」

花嫁は「はい」または「行います」と答えます。

その後,教会役員は二人に次のように言います。「わたしは末日聖徒イエス・キリスト教会の長老として,わたしに授けられた法律上の権限により,あなたがた〔花婿の姓名〕と〔花嫁の姓名〕が,生涯,合法的かつ正当に結婚した夫婦であると宣言します。」

〔教会の管理役員として奉仕していないチャプレンの場合の言葉:「わたしは〔軍人支部または民間組織〕のチャプレンとして,わたしに授けられた法律上の権限により,あなたがた〔花婿の姓名〕と〔花嫁の姓名〕が,生涯,合法的かつ正当に結婚した夫婦であると宣言します。」〕

「何とぞ,子孫が栄える喜びをもって,神がこの結婚を祝福され,あなたがたが末永く幸福な生活を送り,神の祝福によって,あなたがたが交わした誓いを神聖に保つことができますように。これらの祝福を主イエス・キリストの御名によってあなたがたのうえに注ぎます,アーメン。」

「夫婦として互いにキスをするように」という勧めは,文化規範に基づくものであり,任意です。

38.4

結び固めに関する方針

教会員は,神殿の儀式を受けるときに,神と神聖な聖約を交わします。神殿の結び固めの儀式は,会員が儀式を受けるときに交わす聖約を尊ぶように努めるならば,家族を永遠に結びます。結び固めの儀式には,以下が含まれます。

  • 夫婦の結び固め

  • 親子の結び固め

聖約を守る人は,結び固めによって与えられた個人の祝福を保持します。これは,配偶者が聖約を破った場合や,結婚関係を解消した場合も同様です。

両親に結び固められる忠実な子供,または聖約の下に生まれた忠実な子供は,永遠の親子関係という祝福を保持します。これは,親が結婚の結び固めを取り消した場合や教会会員資格を取り消された場合,または会員資格を放棄した場合も同様です。

結び固めの儀式の永遠性や,結び固めに関連する家族や配偶者との関係について懸念のある会員は,主を信頼し,主の慰めを求めるように勧められています。

結び固めの方針について,本セクションで解決できない質問がある会員は,ビショップに相談するべきです。ビショップは,質問があればステーク会長に連絡します。ステーク会長は,質問があれば,自分の神殿地区内の神殿会長会,地域会長会,または大管長会事務局に連絡することができます。

38.4.1

男女の結び固め

必要としていること

セクション

必要としていること

民事結婚をしており,配偶者との結び固めを受けたいと思っています。

セクション

38.4.1.1

必要としていること

前の配偶者と離婚しており,現在の配偶者と結び固めを受けたいと思っています。

セクション

38.4.1.2

必要としていること

結び固めを受けた配偶者が亡くなりました。わたしは,今はだれと結び固められることができますか。

セクション

38.4.1.3

必要としていること

結び固めの取り消しまたは結び固めの承認を申請する必要があります。

セクション

38.4.1.4

必要としていること

神殿の結び固めに対する制限を解除する必要があります。

セクション

38.4.1.5

必要としていること

神殿で配偶者とこの世限りの結婚をしました。わたしたちは,互いに結び固められることができるのでしょうか。

セクション

38.4.1.6

必要としていること

亡くなったわたしの家族は,だれに結び固めることができますか。

セクション

38.4.1.7

必要としていること

離婚は結び固めにどのような影響をもたらしますか。

セクション

38.4.1.8

必要としていること

結び固めを取り消すと,どのような影響がありますか。

セクション

38.4.1.9

必要としていること

教会会員資格の放棄や取り消しは,わたしの結び固めにどう影響しますか。

セクション

38.4.1.10

38.4.1.1

生存している会員の民事結婚後の結び固め

民事結婚をした男女は,以下の条件を満たしている場合,状況が許すせばすぐに神殿で結び固めを受けることができます。

  • 二人とも教会員として1年以上経過している(27.3.1および27.2.1参照)。

  • 備えができており,ふさわしい。

神権指導者は,結び固めを受ける男女に神殿推薦状を発行する場合,民事結婚が法的に有効であることを確認します。26.3および27.3を参照してください。

38.4.1.2

生存している会員の離婚後の結び固め

女性。生存している女性は,一度に一人の夫とのみ結び固められることができます。夫と結び固められた後に離婚した女性は,生存中に別の男性と結び固めを受ける前に,以前の結び固めの取り消しを受けなければなりません(38.4.1.4参照)。

現在結婚していない生存している女性や,別の男性と結び固められていない女性は,離婚後に死亡した夫との結び固めを受けることができます。この場合,まず元夫の妻(存在する場合)から署名入りの同意書を得なければなりません。

亡くなった配偶者のための儀式の執行について詳しくは,第28章を参照してください。

男性。夫婦の結び固めを受けた後に離婚した男性は,別の女性と結び固めを受ける前に,結び固めの承認を受けなければなりません(38.4.1.4参照)。(1)以前の結び固めが取り消されている場合や,(2)以前の妻が死亡している場合でも,結び固めの承認が必要です。

男性が最後に結び固められた女性と離婚しているのであれば,結び固めの承認が必要です。例えば,離婚後に2番目の妻との結び固めのために結び固めの承認を受けた男性は,その後2番目の妻が死亡した場合,再度結び固めの承認を受ける必要はありません。

生存している男性は,離婚後に死亡した妻との結び固めを受けることができます。この場合,まず以前の妻の夫(存在する場合)から署名入りの同意書を得なければなりません。また,結婚している場合,現在の妻から同意書を得なければなりません。

亡くなった配偶者のための儀式の執行について詳しくは,第28章を参照してください。

38.4.1.3

配偶者の死後に生存している会員の結び固め

女性。夫婦の結び固めを受けた後に夫が死亡した女性は,最初の結び固めの取り消しを受けないかぎり,別の男性との結び固めを受けることはできません(38.4.1.4参照)。

現在結婚していない生存している女性,または別の男性と結び固められていない生存している女性は,死亡した夫との結び固めを受けることができます。結婚が離婚に至った場合については,38.4.1.2を参照してください。

現在結婚している生存している女性は,大管長会の承認がなければ,死亡した夫との結び固めを受けることはできません。

死亡した配偶者のための儀式の執行について詳しくは,第28章を参照してください。

男性。夫婦の結び固めを受けた後に妻が死亡した男性は,ほかの男性とすでに結び固められていない別の女性と結び固めを受けることができます。その場合,前妻が死亡する前に離婚していなければ,大管長会から結び固めの承認を受ける必要はありません(38.4.1.2参照)。

生存している男性は,亡くなった妻と結び固めを受けることができます。結婚が離婚に至った場合については,38.4.1.2を参照してください。男性が再婚している場合,亡くなった妻との結び固めを受けるには,事前に現在の妻から書面による同意書を得なければなりません。

死亡した配偶者のための儀式の執行について詳しくは,第28章を参照してください。

38.4.1.4

結び固めの取り消しや結び固めの承認の申請

生存している会員の離婚後の結び固めについて詳しくは,38.4.1.2を参照してください。配偶者を亡くした生存している会員の結び固めについて詳しくは,38.4.1.3を参照してください。

男女を問わず会員は,別の配偶者と結び固められる予定がなくても,結び固めの取り消しを求めることができます。離婚後に別の女性との結び固めを受ける男性教会員は,結び固めの承認を受けなければなりません。

結び固めの取り消しや結び固めの承認を求める手順は,以下の通りです。

  1. 会員がビショップに申請について話す。

  2. ビショップは以下を確認する。

    1. 離婚が成立している。

    2. 会員が離婚に伴う子供と配偶者の扶養に関する法的要件をすべて満たしている。

  3. 結び固めの取り消しや承認を推薦する場合,ビショップは以下を行う。

    1. 会員のために,「指導者と書記のためのリソース」(LCR)を使って『大管長会への申請書』に必要事項を入力する。LCRを利用できない指導者は,『大管長会への申請書』フォームを使用します。このフォームは,教会本部の内密記録事務局から入手できます。

    2. 申請書をステーク会長に提出する。

  4. ステーク会長は本人と面談を行い,以下を確認する。

    1. 離婚が成立している。

    2. 会員が離婚に伴う子供と配偶者の扶養に関する法的要件をすべて満たしている。

  5. ステーク会長は,結び固めの取り消しや承認を推薦する場合,LCRを使って教会本部に申請書を提出する。大管長会に申請を提出する際のステーク会長の責任については,6.2.3を参照してください。

  6. 要請が承認されると,大管長会は,結び固めの取り消しや承認が許可されたことを伝える手紙を送る。

  7. 手紙を受け取った後,会員は神殿の結び固めの予約をすることができる。会員は神殿でこの手紙を提示します。

38.4.1.9を参照してください。

38.4.1.5

神殿の結び固めに対する制限の解除

結び固めを受けた人が婚姻中に姦淫を犯した場合,大管長会の承認がなければ,姦淫の相手との結び固めを受けることができません。

そのような男女は,結婚して5年以上経過してから承認を求めることができます。神殿の結び固めの制限を解除するための申請は,以下の手順で行います。

  1. 解除を望む男女が,ビショップおよびステーク会長と面談を行う。

  2. これらの指導者は,制限を解除すべきであると感じたら,大管長会に推薦の手紙を書く。手紙には,申請者が神殿参入をするにふさわしいことと,5年以上安定した結婚生活を送っていることを記載するべきです。大管長会に申請書を提出する際のステーク会長の責任については,6.2.3を参照してください。

  3. 当事者の男女も,大管長会あてに要請する手紙を書く。

  4. ステーク会長は,このすべての手紙を大管長会に提出する。この申請書は,結び固めの取り消しや承認の申請書とともに,提出することができます(38.4.1.4参照)。

  5. 申請が承認されると,大管長会は,神殿の結び固めに対する制限が解除されたことを伝える手紙を送る。

  6. 手紙を受け取った後,その男女は結び固めの予約をすることができる。この手紙は,神殿で提示します。

38.4.1.6

この世限りの神殿結婚後の結び固め

神殿でこの世限りの結婚をした夫婦は,通常,その後に結び固めを受けることはありません。そのような結び固めを受けるには,最初に女性が大管長会から以前の結び固めの取り消しを受けなければなりません。ビショップとステーク会長の両方が,その取り消しが正当であると感じた場合,ステーク会長はLCRを使って,大管長会に申請書を提出します。大管長会に申請書を提出する際のステーク会長の責任については,6.2.3を参照してください。

現在神殿でこの世限りの結婚は行われていません(27.3.3参照)。

38.4.1.7

死者の結び固め

本セクションは,死者を,同じく亡くなった配偶者に結び固める場合に適用されます。夫婦のどちらかがまだ存命の場合は,38.4.1.3を参照してください。

死亡した女性。死亡した女性は,生前正式に婚姻関係を結んだすべての男性に結び固めることができます。以下の表は,いつこれらの結び固めを行えるかを示しています。

生前に夫と結び固められていない場合

生前結婚していた存命の男性または亡くなった男性全員と結び固めることができる。男性が存命の場合,妻(結婚している場合)から書面による同意を得なければならない。男性が亡くなっている場合,妻(いる場合)から書面による同意を得なければならない。

生前に夫と結び固められている場合

この女性が結婚していたほかの男性と結び固めるには,夫全員がすでに死亡していなければならない。これには離婚した元夫も含まれる。男性の妻(いる場合)から,それぞれ書面による同意を得なければならない。

死亡した男性。死亡した男性は,生前合法的に結婚した女性が(1)死亡している場合,または(2)生存しているがほかの男性と結び固められていない場合,それらの女性全員と結び固めることができます。

死亡した男性を,生前に結婚していた亡くなった女性と結び固めるには,亡くなった女性の夫(いる場合)から,書面による同意を得なければなりません。

離婚後に死亡した夫婦。離婚後に死亡した夫婦は,子供たちとの結び固めを可能にするために,代理による結び固めを行うことができます。死亡時に,夫妻のいずれかが教会会員資格を取り消されるか放棄していて,バプテスマを再び受けていない場合については,28.3.5を参照してください。

生前に結び固めの取り消しを受けていた死亡した男女の結び固めを行うには,大管長会の承認を得る必要があります。

38.4.1.8

離婚の影響

結び固めを受けた夫婦が後に離婚した場合,その結び固めが取り消されないかぎり,ふさわしい個人に対する結び固めの祝福は引き続き有効です(38.4.1.4および38.4.1.9参照)。神殿の聖約に忠実であり続ける会員は,たとえ配偶者が聖約を破っても,あるいは結婚関係を解消しても,神殿で約束されたすべての祝福を受けることができます。

離婚後に生まれた子供について詳しくは,38.4.2.1を参照してください。

38.4.1.9

結び固めの取り消しの影響

大管長会が結び固めの取り消しを承認すると,その結び固めに伴う祝福は効力を失います。神権指導者は,結び固めの取り消しを求める会員が,これらの原則を理解できるように助言します。指導者は,これらの決断において,会員の選択の自由を尊重するべきです。

前夫との結び固めが取り消された後に生まれた子供は,女性が別の男性と結び固めを受けないかぎり,聖約の子ではありません。

38.4.1.10

教会会員資格の放棄または取り消しの影響

神殿で結び固めを受けた夫婦のいずれかが教会会員資格を放棄した場合や会員資格を取り消された場合,本人の神殿の祝福も取り消されます。ただし,配偶者と子供が受けた結び固めの儀式の個人的な祝福は,彼らが忠実であり続けるならば,有効に存続します。

夫婦の一方または両方が会員資格を放棄した後に,あるいは教会会員資格を取り消された後に生まれた子供は,聖約の子ではありません。38.4.2.8を参照してください。

38.4.2

親子の結び固め

子供を両親に結び固める前に,両親は互いに結び固められていなければなりません(38.4.1参照)。

38.4.2.1

聖約の下に生まれた子供

母親が神殿で夫に結び固められた後に生まれた子供は,その結び固めの聖約の下に生まれた子供です。聖約の子は,親子の結び固めを受ける必要はありません。

女性がある男性に結び固められた後に,別の男性との間に子供をもうける場合があります。そのような場合,これらの子供は,(1)結び固めが取り消された後や,(2)教会会員資格の放棄または取り消しにより結び固めが無効になった後に生まれた場合を除き,この女性が最も最近行った結び固めにおける聖約の下に生まれた子供となります。

38.4.2.2

聖約の下に生まれていない子供

聖約の下に生まれていない子供は,以下の人との結び固めを行うことで,永遠の家族の一員になることができます。

  • 実父母。

  • 養父母。

  • 実親(または養親)の一方と継親(38.4.2.5参照)。

これらの子供は,聖約の下に生まれた子供が受ける祝福と同じ祝福を受けます。

親子の結び固めを受ける子供のための神殿推薦状の発行について詳しくは,27.4.1を参照してください。

21歳以上の会員は,親子の結び固めを受ける前にエンダウメントを受けなければなりません。

21歳未満の既婚会員は,親子の結び固めを受けるためにエンダウメントを受ける必要はありません。ただし,有効な神殿推薦状を所持していなければなりません(26.4.4参照)。

生存している子供と生存している親の結び固め。生存している子供は,夫と妻である二名の親とのみ結び固めを受けることができます。両親が生存している場合,二人は結婚し,互いに結び固められていなければなりません。

生存している子供と亡くなった親の結び固め。生存している子供は,一組の親とのみ結び固めを受けることができます。以下は,両親との親子の結び固めを受けていない会員と,両親を亡くした会員が利用できる結び固めの選択肢を表にしたものです。

状況

選択肢

未成年の子供または知的障害のために責任能力のない人

  • 本人を育てた法定後見人夫婦または養父母との結び固めを行う

  • 成人になるまで待った後に,亡くなった両親との結び固めを行う

成人

  • 亡くなった両親との結び固めを行う

  • 本人を育てた法定後見人夫婦または養父母との結び固めを行う

亡くなった子供と親(生者または死者)の結び固め。死亡した人は通常,実父母または養父母に結び固められます。ただし,死亡した子供は,以下の人に結び固めることもできます。

  • 実母と継父。

  • 実父と継母。

  • 子供を育てた里親または祖父母(38.4.2.4参照)。

  • 子供を養子にしようとしたが,子供が死亡する前に養子縁組を完了できなかった夫婦(38.4.2.4参照)。

これらの結び固めは,たとえ死亡した子供が実父母や養父母にすでに結び固められていても,執行することができます。上記以外の状況において,血縁関係にない親や養子縁組されていない親との結び固めには,大管長会の承認が必要です。

38.4.2.3

生存している養子または里子

聖約の下に生まれた生存している子供,または親子の結び固めを受けた生存している子供は,大管長会の承認がなければ,ほかの親との結び固めを受けることはできません。

合法的に養子縁組され,聖約の下に生まれた子供でなく,以前の両親に結び固められていない生存している子供は,養子縁組の手続きが完了した後に,養父母との結び固めを受けることができます。その際,養子縁組の確定通知書の写しを神殿で提示するべきです。法律上の親権を認める旨の判決文だけでは,結び固めを受けるのに不十分です。子供の実の親を明らかにする義務はありません。

生存している会員が里親との結び固めを行うには,大管長会の承認が必要です。里子の実親が不明であっても,この要件は適用されます。このような要請は,ステーク会長がLCRを使って行います(6.2.3参照)。

38.4.2.4

死亡した養子または里子

死亡した養子は,通常養父母に結び固められます。

死亡した里子は,通常実親に結び固められます。

38.4.2.5

生存している子供の実親の一方と継親との結び固め

未成年の子供と責任能力のない子供。生存している未成年の子供と知的障害のために責任能力のない子供は,以下の条件をすべて満たしている場合に限り,実親の一方と継親と結び固めることができます。

  • 聖約の子ではない,あるいは以前に結び固めを受けたことがない。

  • ほかの親と養子縁組をしていない。

  • もう一方の実親から,結び固めを行うことに同意する署名入りの手紙を受けている。法律上の親権を認める旨の判決文だけでは,結び固めを受けるのに不十分です。同意書には以下のような文面を用いるべきです。「わたし〔実親の名前〕は,〔子供または子供たちの名前〕が神殿で〔両親の名前〕に結び固められることを許可します。わたしは,結び固めが宗教上の儀式であり,法的な意味を持たないものと理解しています。」この手紙は,結び固めの前に神殿で提示します。

もう一方の実親が死亡しているか,その親の親権が法的手続きによって完全に消滅している場合,同意書は必要ありません。同様に,子供が居住している地域の法律で成人と見なされる場合,同意は必要ありません。

もう一方の実親が行方不明で,徹底的な調査をしても見つけられなかった場合,同意書は必要ありません。この場合,ビショップとステーク会長は,徹底的な調査をしたが行方不明の親を見つけられなかった確認作業について証明します。後日,もう一方の実親が名乗り出た場合,その結び固めは見直されることになります。

成人した子供。生存している成人会員は,聖約の子でなく,親子の結び固めを受けていない場合,実親の一方と継親に結び固めることができます。

21歳以上の会員は,実親の一方と継親との結び固めを受ける前に,エンダウメントを受けていなければなりません。

21歳未満の既婚会員は,実親の一方と継親との結び固めを受けるために,エンダウメントを受けている必要はありません。ただし,親子の結び固めを受けるための有効な神殿推薦状を所持していなければなりません(26.4.4参照)。

38.4.2.6

人工授精または体外授精によって誕生した子供

両親がすでに結び固めを受けていれば,人工授精または体外授精によって誕生した子供は,聖約の下に生まれた子供です。両親が結び固めを受ける前に生まれた子供は,両親が結び固めを受けた後に,両親に結び固めることができます。

38.4.2.7

代理母から生まれた子供

子供が代理母から生まれた場合,ステーク会長はその件を大管長会事務局に照会します(38.6.22参照)。

38.4.2.8

結び固めが取り消された場合や無効となった場合の子供の立場

聖約の子や親子の結び固めを受けた子供は,後に両親の結び固めが(1)取り消されても,あるいは(2)親のいずれかの会員資格の取り消しまたは放棄により無効となっても,子供の立場は変わりません。

両親の結び固めが取り消された後や無効となった後に生まれた子供は,聖約の子ではありません。そのような子供は,両親の神殿の祝福が回復され(該当する場合),その他の障害が解決された後,両親に結び固めることができます。

38.5

神殿衣とガーメント

38.5.1

神殿衣

神殿でのエンダウメントや結び固めの儀式の間,教会員は白い衣類を着用します。女性は,長袖または七分袖のドレス(またはスカートと長袖または七分袖のブラウス),靴下またはストッキング,靴または室内履きなどの白い衣類を着用します。

男性は,長袖のシャツ,ネクタイまたは蝶ネクタイ,ズボン,靴下,靴または室内履きなどの白い衣類を着用します。

エンダウメントと結び固めの儀式の間,会員は白い衣服の上に,さらに儀式用衣装を着用します。

38.5.2

神殿衣とガーメントの入手

ワードとステークの指導者は,エンダウメントを受けた会員に,自分の神殿衣を入手するように勧めます。神殿衣とガーメントは,教会ディストリビューション・ストアやstore.ChurchofJesusChrist.orgで購入できます。ステークやワードの書記は,会員が神殿衣やガーメントを注文するのを助けることができます。

一部の神殿には,貸し出し用の衣類が用意されています。神殿に貸し出し用の衣類が用意されていない場合,会員は神殿衣を持参する必要があります。特定の神殿での貸し出し用衣類の有無を知るには,temples.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

神殿には,専任宣教師が利用できる神殿衣が一定数用意されています。宣教師が宣教師訓練センターにいる間や,伝道地で奉仕している間に,神殿の儀式に参加することが許可されている場合,貸し出し料金はかかりません。必要に応じて,この衣類は宣教師が自身のエンダウメントを受ける際に利用できます。

ガーメントの生地やスタイルについて詳しくは,store.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

38.5.3

障害またはアレルギーのある会員のためのガーメントと神殿衣

寝たきりの会員や,重度の身体障害のある会員,特定の布地やガーメントにアレルギーのある会員は,特別なガーメントを購入することができます(「ガーメントと神聖な衣類」,store.ChurchofJesusChrist.org参照)。

車椅子の会員や,ほかの必要を抱えている会員のために,短い神殿ローブも用意されています(store.ChurchofJesusChrist.org参照)。

38.5.4

神殿前掛けの製作

会員は,認可された前掛けキットを使用する場合,自分の神殿前掛けを製作することができます。このキットは,教会ディストリビューション・ストアやstore.ChurchofJesusChrist.orgで入手できます。

会員は,ほかの儀式用神殿衣装や神殿ガーメントを作るべきではありません。

38.5.5

ガーメントの着用と扱い方

エンダウメントを受ける会員は,生涯にわたって神殿ガーメントを身に着けるという聖約を交わします。

神殿ガーメントは,神殿で交わした聖約を思い起こすためのものであり,生涯にわたって適切に着用することで,誘惑と悪に対する守りとなります。ガーメントは上着の下に着用するべきです。ガーメントを着用したままでも無理なく行える活動であれば,ガーメントを脱ぐべきではありません。また,服のスタイルに合わせてガーメントに手を加えるべきではありません。エンダウメントを受けた会員は,ガーメントの着用に関する個人的な質問について答えを得るために,聖なる御霊の導きを求めるべきです。

ガーメントを着用することは神聖な特権であり,着用することで,救い主イエス・キリストに従うという内なる決意を表すことができます。

ほかの下着を神殿ガーメントの上に着るか,下に着るかは個人的な好みの問題です。

26.3.3を参照してください。

38.5.6

軍隊,消防,警察,または同様の機関でのガーメントの着用

本セクションの指針は,以下の機関または職務で勤務中に特定のユニフォームを着用する規定のあるエンダウメントを受けた会員に適用されます。

  • 軍隊。

  • 消防士。

  • 警察官。

  • 政府保安官。

ビショップは,上記のような職務で働くエンダウメントを受けた会員が,以下の指針を理解できるようにします。

可能であれば,ほかの会員と同様にガーメントを着用するべきです。しかしながら,ガーメントは,その意味を理解していない人々の目にさらすことは避けるべきです。会員は,御霊の導きを求めると同時に,機転や分別,知恵を働かせるべきです。一時的にガーメントをしまっておき,状況が許すようになったときに再度身に着けることが最も良い場合もあります。ただし,ガーメントを着用することが単に不便だからという理由で,着用しないことを正当化することはできません。

職務規定により,会員がガーメントを着用できない場合もあります。そのような場合,本人がふさわしさを保っているかぎり,その会員の宗教上の立場に影響はありません。会員は,引き続きガーメントの着用に伴う祝福を受けることができます。会員がガーメントを着用できない場合は,状況が許すようになったら直ちに再度着用するべきです。

このような機関にいる会員は,色やネックラインの形状など,下着に関する具体的な条件について個々の配属先に助言を求めるべきです。これらの会員は,ガーメントの指針を満たす,各機関が承認した衣服をビーハイブ衣料に送付して,認可されたガーメントにするために印を付けてもらうことができます。指針およびその他の指示は,「ガーメントの印付け注文フォーム」(Garment Marking Order Form)に記載されています。

38.5.7

ガーメントと儀式用神殿衣の処分

会員は,着古した神殿ガーメントを処分する場合,マークを切り取って破棄するべきです。その後,残りの布を切り刻み,ガーメントであることが分からないようにします。残った布は廃棄できます。

会員は,着古した儀式用神殿衣を処分する場合,布地を切り刻んで本来の使用方法が分からなくなるようにします。その後,布は廃棄するべきです。

着られる状態にあるガーメントや神殿衣は,エンダウメントを受けた会員に譲ることができます。神権指導者や扶助協会指導者は,このような衣服を必要としている人々を紹介することができます。会員は,ガーメントや儀式用神殿衣を,古着屋に譲渡したり,ビショップの倉や神殿,慈善団体に寄付したりするべきではありません。

38.5.8

神殿埋葬衣

エンダウメントを受けた会員が亡くなった場合,可能であれば,神殿衣を着せて埋葬または火葬するべきです。文化的習慣や埋葬慣習から,それが不適切または困難な場合は,神殿衣を畳んで,遺体の横に置くことができます。

神殿衣を着せて埋葬または火葬できるのは,生前にエンダウメントを受けた会員だけです。エンダウメントを受けた人が生前にガーメントを着用しなくなった場合も,家族から要望があれば,神殿衣を着せて埋葬または火葬することができます。

教会会員資格の取り消しまたは放棄後,祝福を回復されていない人は,神殿衣を着せて埋葬または火葬することはできません。

生前にエンダウメントを受けた人が自殺した場合,神殿衣を着せて埋葬または火葬することができます。

埋葬または火葬に使用する神殿衣は新品である必要はありませんが,状態のよい清潔なものであるべきです。その会員自身の神殿衣を使用することもできます。

埋葬または火葬される会員に神殿衣を着せることができるのは,エンダウメントを受けている同性の遺族か配偶者です。遺族に該当者がいないか,遺族がエンダウメントを受けていた男性の遺体に着付けすることを望まない場合,ビショップは長老定員会会長に依頼して,エンダウメントを受けている男性が遺体への着付けや適切な着付けの監督を行うように,手配することができます。遺族に該当者がいないか,遺族がエンダウメントを受けていた女性の遺体に着付けすることを望まない場合,ビショップは扶助協会会長に依頼して,エンダウメントを受けている女性が遺体への着付けや適切な着付けの監督を行うように,手配することができます。指導者は,快く引き受けてくれる人にこの割り当てを与えるようにします。

男性の遺体には,神殿ガーメントと次の白い衣類を着用させます。長袖のシャツ,ネクタイ,ズボン,靴下,靴または室内履き。女性の遺体には,神殿ガーメントと次の白い衣類を着用させます。長袖または七分袖のドレス(あるいはスカートと長袖または七分袖のブラウス),靴下またはストッキング,靴または室内履き。

儀式用神殿衣装は,エンダウメントで指示されているように遺体に着用させます。ローブを右肩に着け,引きひもを左腰で結びます。前掛けを腰にしっかりと巻きます。帯を腰に巻き,左腰の上で蝶結びに結びます。男性の帽子は通常,ひつぎや棺桶を閉じるときまで,遺体のそばに置いておきます。その後,帽子の蝶結びが左耳の上にくるように被せます。女性のベールは,頭の後ろの枕の上に垂らしておくことができます。埋葬や火葬の前に,女性の顔をベールで被うかどうかは遺族の判断に任されており,任意となります。

免許を受けた葬祭業者やその従業員しか,遺体を扱えない地域もあります。そのような場合,エンダウメントを受けている遺族は,あるいはビショップや扶助協会会長から依頼を受けたエンダウメントを受けている会員は,神殿衣が遺体に正しく着せられるように助言します。

国によっては,生物分解性の衣類を着用させて埋葬することを義務付けている場合があります。生物分解性の神殿衣はstore.ChurchofJesusChrist.orgで入手できます。

埋葬までに神殿衣を入手するのが困難な地域では,ステーク会長は,標準サイズの男性用と女性用の神殿衣をそれぞれ少なくとも1組ずつ手元に保管しておくようにするべきです。

神殿衣を入手できない場合,エンダウメントを受けて死亡した会員には,ガーメントとほかの適切な衣服を埋葬衣として着せます。

38.6

道徳上の問題に関する方針

本セクションには,教会が「推奨しない」事柄に関する方針が少し記載されています。教会員は通常,それらの事柄に関連した決断を理由に会員資格の制限を受けることはありません。しかし,すべての人は最終的に,自分の決断について神に報告する責任を負っています。

38.6.1

堕胎

主は,「あなたは殺してはならない。……これに類することをしてはならない。」と命じられました(教義と聖約59:6)。教会は,個人的あるいは社会的な都合で,自らの意思により堕胎を行うことに反対しています。会員は,堕胎を受けたり,施したり,手配したり,勧めたり,同意したり,その費用を支払ったりしてはなりません。例外として検討し得るのは,次の場合だけです。

  • 強姦または近親相姦によって妊娠している。

  • 資格ある医師が,母親の生命や健康が深刻な危機に瀕していると診断している。

  • 資格ある医師が,胎児に重大な欠陥があり,出生後生命を維持できないと診断している。

このような例外であっても,堕胎が自動的に正当化されるわけではありません。堕胎はきわめて重大な問題です。責任を負うべき人々は,祈りを通して確認を得てからでなければ,堕胎を考えるべきではありません。会員は,この過程の一環として,ビショップに相談することができます。

教会員が堕胎に関与している場合,管理役員は慎重にその状況を調査します。会員が堕胎を受けたり,施したり,手配したり,勧めたり,同意したり,その費用を支払ったりした場合,会員資格評議会が必要になることがあります(32.6.2.5参照)。ただし,バプテスマ前に堕胎に関与していた場合は,会員資格評議会を開くことを検討すべきではありません。また,本セクションで先に概説した三つのいずれかの理由により会員が堕胎に関与した場合も,会員資格評議会を開くことや会員資格の制限を検討すべきではありません。

ビショップは具体的な案件について質問がある場合,ステーク会長に問い合わせます。ステーク会長は必要に応じて,大管長会事務局に問い合わせることができます。

これまで明らかにされているかぎり,人は堕胎の罪を悔い改めて赦しを得ることができます。

38.6.2

虐待

虐待とは,身体的,性的,心理的,経済的に害を及ぼすような形で,ほかの人を不当に扱うことや,ネグレクトをすることです。教会は,いかなる形の虐待も許容しない立場を取っています。配偶者や子供,ほかの家族や人々を虐待する人は,神の律法と人の法律に背いています。

すべての会員,特に両親と指導者は,子供やほかの人々を虐待から守るために,油断なく絶えず注意を払い,できるかぎりのことをするように勧められています。虐待の事実に気づいた会員は,そのことを公的機関に通報し,ビショップに相談します。教会指導者は,虐待についての報告を真摯に受け止め,決してないがしろにすべきではありません。

子供や青少年にかかわる成人は全員,支持を受けてから1か月以内に,子供と青少年を守ることに関する訓練を修了する必要があります(ProtectingChildren.ChurchofJesusChrist.org参照)。また,3年ごとにこの訓練を受け直す必要があります。

虐待が起きた場合,教会指導者が第一に,直ちに行うべきことは,虐待を受けた人を助け,今後虐待を受ける可能性のある人を守ることです。指導者は,虐待行為のある家庭や環境に,あるいは安全でない家庭や環境にとどまるように勧めるべきではありません。

38.6.2.1

虐待ヘルプライン

一部の国では,ステーク会長とビショップを援助するために,教会が内密の虐待ヘルプラインを設けています。これらの指導者は,虐待を受けたと思われる状況や,虐待を受ける危険性のある状況があれば,何であれ速やかにこのヘルプラインに電話するべきです。また,会員が児童ポルノを閲覧,購入,または配付していることに気づいた場合も,ヘルプラインに電話するべきです。

ビショップやステーク会長は,24時間いつでも,このヘルプラインを利用することができます。電話番号は以下のとおりです。

  • アメリカおよびカナダ:1-801-240-1911または1-800-453-3860(内線2-1911)

  • イギリス:0800-970-6757

  • アイルランド:1800-937-546

  • フランス:0805-710-531

  • オーストラリア:02-9841-5454(国内より)

  • ニュージーランド:09-488-5592(国内より)

ビショップとステーク会長は,虐待にかかわる状況に対処する場合,ヘルプラインに電話するべきです。質問には,法律や臨床の専門家が回答します。これらの専門家は,以下の方法についても指示を与えます。

  • 被害者を助け,今後の虐待から守る方法。

  • 被害者になり得る人を保護する方法。

  • 虐待の通報に関する法的義務を遵守する方法。

教会は,虐待の通報に関する法律を遵守する責任があります(38.6.2.7参照)。法律は地域によって異なり,教会指導者の大半は法律の専門家ではありません。ビショップとステーク会長が虐待を通報する責任を果たすにあたって,ヘルプラインに電話することが不可欠です。

ビショップはまた,虐待の事例をステーク会長に知らせるべきです。

ヘルプラインを利用できない国では,虐待について知ったビショップはステーク会長に連絡するべきです。ステーク会長は,エリアオフィスのエリア・リーガル・カウンセルに助言を求めるべきです。また,エリアオフィスのファミリーサービスのスタッフや福祉・自立マネージャーに相談することも奨励されています。

38.6.2.2

虐待のカウンセリング

虐待の被害者は,深刻なトラウマを抱えていることがよくあります。ステーク会長とビショップは,心からの思いやりと共感をもって対応します。また,被害者に霊的な助言と支援を与えて,虐待による破壊的な影響を克服できるように助けます。

時には,被害者が羞恥心や罪悪感を抱いていることもありますが,被害者に罪はありません。指導者は,被害者と家族が,神の愛を理解し,イエス・キリストと主の贖罪を通してもたらされる癒しを理解できるように助けます(アルマ15:83ニーファイ17:9参照)。

ステーク会長とビショップは,虐待を犯した人が悔い改めて,虐待行為を止めるように助けるべきです。成人が子供に対して性的な罪を犯した場合,行動を変えるのは非常に困難かもしれません。この悔い改めの過程は,非常に長くなる可能性があります。38.6.2.3を参照してください。

また,ステーク会長とビショップは,虐待の被害者および加害者双方の家族に働きかける際に,思いやりをもって細心の注意を払うべきです。

被害者と加害者へのカウンセリングの指針は,「虐待—助ける方法」に記載されています。

被害者と加害者,ならびにそれぞれの家族には,教会指導者の霊感による援助に加えて,専門家によるカウンセリングが必要かもしれません。詳しくは,31.3.6を参照してください。

ビショップとステーク会長が何らかの虐待について知ったときにすべきことについて詳しくは,38.6.2.1を参照してください。性的虐待,強姦,その他の性的暴行のカウンセリングについて詳しくは,38.6.18.2を参照してください。

また,FamilyServices.ChurchofJesusChrist.orgも参照してください。

38.6.2.3

子供や青少年への虐待

子供や青少年への虐待は,特に重大な罪となります(ルカ17:2参照)。ここで言う「子供や青少年への虐待」には,以下が含まれます。

  • 身体的虐待:身体的暴力により深刻な身体的危害を加える行為。目に見えない危害を加えていることもあります。

  • 性的虐待または搾取:子供や青少年との性行為,または意図的にほかの人がそのような行為をすることを許可または助長する行為。ここで言う「性的虐待」には,年齢の近い未成年者同士の合意に基づく性行為は含まれません。

  • 心理的虐待:言葉や行いで,子供や青少年の自尊心や自己評価を著しく傷つける行為。これには通常,侮辱や洗脳操作,あるいは相手を辱め,軽んじるような批判を繰り返し,継続的に行うことが含まれます。また,深刻なネグレクトが含まれる場合もあります。

  • 児童ポルノ:38.6.6を参照。

ビショップやステーク会長は,子供や青少年への虐待について知った場合,あるいはその疑いを抱いた場合,直ちに38.6.2.1の指示に従います。また,今後の虐待から被害者を守るために対策を講じます。

成人会員が,本セクションに記載されているような子供や青少年への虐待を行った場合,教会会員資格評議会と会員記録への注意書きが必須となります。32.6.1.1および38.6.2.5も参照してください。

同年代の子供や青少年の間の身体的および心理的ないじめについては,ワードの指導者が対応するべきです。会員資格評議会は開きません。

38.6.2.4

配偶者や別の成人への虐待

配偶者や別の成人への虐待は,様々な形で起こり得ます。これには,身体的,性的,心理的,経済的虐待が含まれます。高齢者,社会的弱者,障害者などの成人は時々,虐待される危険性が高くなります。

多くの場合,虐待には,あらゆる状況に適用できる単一の定義というものは存在しません。むしろ,虐待行為の深刻さは広範囲に及びます。その範囲は,時折きつい言葉をかけるものから,重大な危害を加えるものまで多岐にわたります。

ビショップやステーク会長は,配偶者や別の成人に対する虐待について知った場合,直ちに38.6.2.1の指示に従います。また,今後の虐待から被害者を守るために対策を講じます。

指導者は,個人的なカウンセリングや会員資格評議会が虐待に対処する最適の措置であるかどうか判断するために,御霊の導きを求めます。また,その措置について直属の神権指導者に相談することもできます。ただし,配偶者や別の成人への虐待が以下に該当する場合,会員資格評議会を開くことが必須となります。

  • 身体的虐待:身体的暴力により深刻な身体的危害を加える行為。目に見えない危害を加えていることもあります。

  • 性的虐待:38.6.18.3に明記されている状況を参照してください。

  • 心理的虐待:言葉や行いにより,被害者の自尊心や自己評価を著しく傷つける行為。これには通常,侮辱や洗脳操作,あるいは相手を辱め,軽んじるような批判を繰り返し,継続的に行うことが含まれます。

  • 経済的虐待:相手を経済的に利用する行為。これには,人の財産,金銭,その他の貴重品を違法または不当に利用する行為が含まれることがあります。また,相手の金銭を支配する力を不正に得ることも含まれます。行動を強要するために金銭的な力を用いる行為が含まれる場合もあります。32.6.1.3も参照してください。

38.6.2.5

教会の召し,神殿推薦状,会員記録の注意書き

虐待を行った会員は,悔い改めて教会会員資格の制限が解除されるまで,教会の召しを受けるべきではなく,神殿推薦状を持つこともできません。

子供や青少年に対して,性的な虐待,あるいは身体的または心理的に深刻な虐待を加えた場合,本人の会員記録に注意書きが付けられます。その会員には,子供や青少年にかかわる召しや割り当てを与えてはなりません。これには,自宅に青少年や子供のいる家族へのミニスタリングも含まれます。また,青少年をミニスタリングの同僚にしないことも含まれます。大管長会が注意書きの削除を承認しない限り,これらの制限はそのまま継続するべきです。注意書きについては,32.14.5を参照してください。

38.6.2.6

ステークおよびワード評議会

ステークおよびワード評議会集会で,ステーク会長会とビショップリックは,虐待の防止と対応に関する教会の方針と指針を定期的に確認します。また,「福音ライブラリー」にある「ライフヘルプ」の「虐待」セクションにある重要なメッセージを教えます。そして,評議会での話し合いを促します。指導者と評議会のメンバーは,この取り扱いの難しいテーマについて教え,話し合う際に,御霊の導きを求めます。

評議会の会員も,子供と青少年を守ることに関する訓練を修了する必要があります(38.6.2参照)。

38.6.2.7

虐待に関する法的問題

会員の虐待行為が準拠法に反している場合,ビショップやステーク会長は,その行為を警察やほかの適切な政府当局に通報するよう,強く本人に勧めるべきです。ビショップやステーク会長は,教会のヘルプラインを通じて,地元の通報義務に関する情報を入手することができます(38.6.2.1参照)。会員が通報義務について質問がある場合は,資格のある人から法的助言を得るように勧めます。

教会指導者と会員は,虐待を公的機関へ通報することに関するあらゆる法的義務を果たすべきです。一部の地域では,子供や青少年にかかわる指導者や教師は「通報義務者」と見なされ,虐待を法的機関に通報しなければなりません。同様に,多くの地域において,虐待について知った人はそのことを法的機関に通報する義務があります。ビショップとステーク会長は,通報義務者や虐待の通報にかかわるその他の法的義務について詳しく知るために,ヘルプラインに電話するべきです。法律に従うことが,教会の方針です。

38.6.3

人工授精

38.6.9を参照してください。

38.6.4

産児制限

夫婦間の愛情行為は,美しく神聖なものであるべきです。それは子供をもうけるために,そして夫婦間の愛を表現するために,神によって定められました(2.1.2参照)。

神の霊の子供たちに肉体を与えることは,子供をもうけることのできる結婚した夫婦に与えられた特権であり,夫婦には生まれた子供を養い育てる責任があります(2.1.3参照)。子供をいつ,何人もうけるかに関する決断は,きわめて個人的でプライベートな事柄です。これは夫婦と主の間で行うべきものであり,教会員はこの件について互いを裁くべきではありません。

教会は,産児制限の選択肢としての不妊手術を推奨していません。不妊手術には,精管切除術や卵管結紮術などがあります。ただし,この決断は個人的な事柄であり,最終的には,夫婦の判断と祈りをもって熟慮した結果に委ねられています。夫婦は,この決断を下す際に,一致して話し合い,御霊の確認を求めるべきです。

医療上の理由で,不妊手術が必要になる場合もあります。会員は,医療専門家に相談することで助けを得ることができます。

38.6.5

純潔と貞潔

主の純潔の律法とは,以下を指しています。

  • 男女間における法的な結婚以外の性的関係を禁じること。

  • 結婚生活における貞潔。

夫婦間の愛情行為は,美しく神聖なものであるべきです。それは子供をもうけるために,そして夫婦間の愛を表現するために,神によって定められました。

夫婦として合法的かつ正当に結婚した男女だけが,性的関係を持つべきです。神の目から見て,道徳的な清さは非常に重要です。純潔の律法を破ることは,きわめて重大なことなのです(出エジプト20:14マタイ5:28アルマ39:5参照)。これを破る人は,生命を創造するために神から与えられた神聖な力を誤って用いています。

会員が以下に当てはまる場合,教会会員資格評議会が必要になる可能性があります。

  • 姦淫,私通,同性間の性的関係,オンラインや電話での性的な交際など,男女間における法的な結婚以外の性的関係を持っている(32.6.2参照)。

  • 同棲,シビル・ユニオンおよびシビル・パートナーシップ,同性結婚など,男女間における法的な結婚以外の形態で婚姻関係やパートナーシップを結んでいる。

  • ポルノグラフィーを頻繁に,あるいは衝動的に使用し,会員の結婚生活や家族に深刻な悪影響を及ぼしている(38.6.13参照)。

これらの事例に対して会員資格評議会を開くかどうかの判断は,様々な状況によって決まります(32.7参照)。例えば,神殿の聖約に背いた会員や,繰り返し罪を犯している会員には,悔い改めを助けるために評議会が必要になる可能性が高くなります。

性的な罪に対して評議会が必須となる場合については,32.6.1.2を参照してください。

場合によっては,個人的なカウンセリングや略式の会員資格の制限で十分であるかもしれません(32.8参照)。

38.6.6

児童ポルノ

教会は,あらゆる形態の児童ポルノを非難しています。ビショップやステーク会長は,会員が児童ポルノに関与していることを知ったら,直ちに38.6.2.1の指示に従います。

会員が子供のポルノ画像を作成,共有または所有している場合,あるいは繰り返し閲覧している場合,会員資格評議会および会員記録への注意書きが必須となります(32.6.1.232.14.5参照)。一般的に,この指針は,子供や青少年とほぼ同年代の人が,自分や他人の性的な写真を共有した場合には適用されません。このような状況においては,個人的なカウンセリングと略式の会員資格の制限が適切な場合があります。

詳しい指針については,38.6.13を参照してください。

38.6.7

精子や卵子の提供や販売

夫婦が神の霊の子供たちに肉体を提供するという規範は,神により定められたものです(2.1.3参照)。このため,教会では精子や卵子を提供することを推奨していません。ただし,これは個人的な事柄であり,最終的には,ドナー候補者の判断と祈りをもって熟慮した結果に委ねられています。38.6.9を参照してください。教会では,精子や卵子の販売も推奨していません。

38.6.8

女性器切除

教会は,女性の生殖器の切除を非難しています。

38.6.9

不妊治療

夫婦が神の霊の子供たちに肉体を提供するという規範は,神により定められたものです(2.1.3参照)。必要な場合,生殖技術は結婚した男女が子供を持ちたいという義にかなった望みを実現するのを助けることができます。この技術には,人工授精や体外受精などが含まれます。

教会は,夫以外の精子や妻以外の卵子を用いて行う人工授精や体外受精を推奨していません。ただし,これは個人的な事柄であり,最終的には,法律に基づいて結婚した男女の判断と祈りをもって熟慮した結果に委ねられています。

養子縁組」の項(「福音トピックス」topics.ChurchofJesusChrist.org)も参照してください。

38.6.10

近親相姦

教会は,あらゆる形態の近親相姦を非難しています。ここで言う「近親相姦」とは,以下の人々が性的な関係を結ぶことを指します。

  • 親と子。

  • 祖父母と孫。

  • 兄弟姉妹。

  • おじまたはおばと姪または甥。

ここで言う,「子」,「孫」,「兄弟姉妹」,「姪」,「甥」には,血縁,養子,継子,里親関係が含まれます。近親相姦は,未成年者同士,成人と未成年者,または成人同士の間で起こることがあります。地元の法律上,ある関係が近親相姦にあたるのかどうか質問がある場合,ステーク会長は大管長会事務局に指導を求めます。

未成年者が近親相姦の被害者となった場合,ビショップやステーク会長は,教会の虐待ヘルプラインが利用可能な国では,ヘルプラインに電話をかけます(38.6.2.1参照)。その他の国では,ステーク会長がエリアオフィスのエリア・リーガル・カウンセルに助言を求めるべきです。また,エリアオフィスのファミリーサービスのスタッフや福祉・自立マネージャーに相談することも奨励されています。

会員が近親相姦を犯した場合,教会会員資格評議会と記録への注意書きが必須となります(32.6.1.232.14.5参照)。近親相姦はほとんどの場合,教会による本人の会員資格の取り消しが必須となります。

未成年者が近親相姦を犯した場合,ステーク会長は,大管長会事務局に連絡して指示を仰ぎます。

近親相姦の被害者は,深刻なトラウマを抱えていることがよくあります。指導者は,心からの思いやりと共感をもって対応します。また,被害者に霊的な助言と支援を与えて,近親相姦による破壊的な影響を克服できるように助けます。

時には,被害者が羞恥心や罪悪感を抱いていることもありますが,被害者に罪はありません。指導者は,被害者と家族が,神の愛を理解し,イエス・キリストと主の贖罪を通してもたらされる癒しを理解できるように助けます(アルマ15:83ニーファイ17:9参照)。

また,被害者と家族には,教会指導者の霊感による援助に加えて,専門家によるカウンセリングが必要となる場合があります。詳しくは38.6.18.2を参照してください。

38.6.11

体外受精

38.6.9を参照してください。

38.6.12

オカルト

「神から出ているものは光」です(教義と聖約50:24)。オカルトは,闇に焦点を合わせ,欺きを受ける原因となります。また,キリストを信じる信仰を失わせます。

オカルトには,悪魔崇拝や,イエス・キリストの福音とは調和しない神秘的な活動も含まれています。そうした活動には,占いやのろい,神の神権の力を模した癒しの行為などが挙げられますが,それだけに限りません(モロナイ7:11-17参照)。

教会員は,いかなる形であれ,いわゆる悪魔礼拝に参加したり,いかなる方法であれオカルトに関与したりするべきではありません。教会員は,会話の中や教会の集会において,そのような闇に焦点を当てるべきではありません。

38.6.13

ポルノグラフィー

教会は,あらゆる形態のポルノグラフィーを非難しています。ポルノグラフィーの使用は,どのようなものであれ個人の生活や家族,社会に害をもたらします。また,主の御霊を退けてしまいます。教会員は,あらゆる形のポルノグラフィーを避け,その制作,拡散,使用に反対すべきです。

教会は,ポルノグラフィーにより生活に影響をきたした人々を支援するために,以下のリソースを提供しています。

ステーク会長とビショップも,必要に応じて家族を支援します。

何の気なしにポルノグラフィーに触れてしまうこともあるでしょう。たまにであろうと,頻繁にであろうと,意図的にポルノグラフィーを用いることは害となります。

ポルノグラフィーの使用に対する悔い改めを助けるには,通常,個人的なカウンセリングと略式の会員資格の制限で十分です(32.8参照)。通常,会員資格評議会は開きません。ただし,ポルノグラフィーを頻繁にあるいは衝動的に使用し,会員の結婚生活や家族に深刻な悪影響を及ぼしている場合,評議会が必要になる可能性があります(38.6.5参照)。会員が子供のポルノ画像を作成,共有,所有している場合,あるいは繰り返し閲覧している場合には,評議会が必須となります(38.6.6参照)。

会員によっては,教会の指導者からの霊感による助けに加えて,専門家によるカウンセリングを必要とすることがあります。必要に応じて,指導者は,ファミリーサービスに連絡して支援を求めることができます。連絡先の情報については,31.3.6を参照してください。

38.6.14

偏見

人は皆,神の子供です。すべての人は兄弟姉妹であり,神の神聖な家族の一員です(『家族—世界への宣言』参照)。神は,「ひとりの人から,あらゆる民族を造り出〔されました〕」(使徒17:26)。「すべての人が神にとって等しい存在」です(2ニーファイ26:33)。「神の目には,〔一人一人が〕皆等しく貴い存在」(モルモン書ヤコブ2:21)なのです。

偏見は,啓示された神の言葉と一致していません。神の御心にかなうか否かは,肌の色やその他の属性ではなく,神と神の戒めに対する献身にかかっています。

教会はあらゆる人々に,いかなるグループや個人に対しても,偏見のある態度や行動を捨てるように呼びかけています。教会員は,あらゆる神の子供たちが尊重されるように率先して取り組むべきです。会員は,人々を愛するようにという救い主の戒めに従います(マタイ22:35-39参照)。また,いかなる種類の偏見も退け,だれに対しても善意を持って接するように努めます。これには,人種,民族,国籍,部族,性別,年齢,障害の有無,社会経済的な地位,信仰の有無,性的指向に基づく偏見などが含まれます。

38.6.15

同性に引かれる性質と同性愛行為

教会は,同性に引かれる人々に対して,思いやりと愛と敬意をもって手を差し伸べるよう家族や教会員に勧めています。また,すべての人に対する優しさや寛容,愛,尊敬の念についての教会の教えが反映されるように,社会全体における理解が深まるようにしています。教会は同性に引かれる気持ちの原因について見解を表明していません。

神の戒めは,異性間や同性間を問わず,あらゆる不道徳な行為を禁じています。教会指導者は,純潔の律法を破った会員に勧告を与えます。指導者は,イエス・キリストとその贖罪に対する信仰,悔い改めの過程,地上における人生の目的について,会員が明確に理解できるように支援します。純潔の律法に反する行為は,教会会員資格評議会を開く原因になる可能性があります(38.6.5参照)。そうした行為は,心からの悔い改めによって赦しを得ることができます。

同性に引かれる気持ちを感じること自体は罪ではありません。会員がそのような気持ちを抱いていても,その気持ちに従って行動しなければ,天の御父が御自分の子供たちのために用意された計画と教会の教義に従って生活していることになります。指導者は,そのような人々が主の戒めに従って生活しようとする自らの決意を保てるように支え,励まします。そのような気持ちを抱いている会員も,ふさわしければ,教会の召しを受け,神殿推薦状を所持し,神殿の儀式を受けることができます。また,教会員の男性は,神権を受けて行使することができます。

聖約を守るすべての会員は,現世で永遠の結婚や親になる祝福を受けられるかどうかにかかわらず,約束されたすべての祝福を永遠の世において受けることでしょう(モーサヤ2:41参照)。

教会は,同性に引かれることで生活に影響をきたしている人々をよりよく理解して支援するために,以下のリソースを提供しています。

  • 「福音トピックス」「同性に引かれる性質」の項,topics.ChurchofJesusChrist.org

  • ライフヘルプ「同性に引かれる性質ChurchofJesusChrist.org

教会指導者の霊感を受けた援助に加えて,専門家によるカウンセリングが会員の助けになる場合があります。指導者は,ファミリーサービスに連絡して支援を求めることができます。連絡先の情報については,31.3.6を参照してください。

38.6.16

同性結婚

聖典に基づく教義上の原則として,教会は,男女間の結婚が神の子供たちの永遠の行く末に対する創造主の計画にとって重要であると断言しています。また,神の律法により,結婚が男女間の合法的かつ正当な結びつきとして定義されていることを認めています。

夫婦として合法的かつ正当に結婚した男女だけが,性的関係を持つべきです。同性同士も含め,それ以外の性的関係はすべて罪深い行為で,家族という神が創造された制度を損なうものです。

38.6.17

性教育

子供の性教育に対する第一の責任は,親にあります。親は,健全で義にかなった性的な望みについて,子供たちと率直かつ明確に,継続して話し合うべきです。話し合いは,以下を念頭に置いて行うべきです。

  • 子供の年齢と成熟度に適した内容にする。

  • 子供たちが幸せな結婚生活を送る備えをし,純潔の律法を守ることができるように助ける(2.1.2参照)。

  • ポルノグラフィーの危険性,避けることの必要性,遭遇したときの対処法について説明する。

詳しくは,「性教育と行動」の項(「福音トピックス」topics.ChurchofJesusChrist.org)を参照してください。

親は,子供を教える責任の一環として,学校で教えられている性教育について把握し,その内容に適切な影響力を及ぼすように努めるべきです。親は正しい原則を教え,学校での指導が福音に則したものとなるように支援します。

38.6.18

性的虐待,強姦,その他の性的暴行

教会は,性的虐待を非難しています。ここで言う「性的虐待」とは,望んでいない性行為を他人に強要することです。法的な同意を得ていない人や,同意を与えることのできない人との性行為は,性的虐待と見なされます。性的虐待は,夫婦間,恋人間でも起こり得ます。子供や青少年への性的虐待について詳しくは,38.6.2.3を参照してください。

性的虐待は,ハラスメントから強姦などの性的暴行まで,幅広い行為が対象となります。これは,身体的な虐待や言葉による虐待,その他の方法で行われる可能性があります。性的虐待,強姦,その他の性的暴行を受けた会員へのカウンセリングについての指針は,38.6.18.2を参照してください。

会員が性的虐待を疑ったり気づいたりした場合,被害者とほかの人々を守るために,できるだけ迅速に対策を講じます。これには,公的機関へ通報することや,ビショップやステーク会長に注意を呼びかけることも含まれます。子供が虐待を受けた場合,会員は38.6.2の指示に従うべきです。

38.6.18.1

虐待ヘルプライン

ビショップやステーク会長が,性的虐待や強姦,その他の性的暴行について知った場合,教会の虐待ヘルプラインを利用できる国では,ヘルプラインに電話をかけます(連絡先については38.6.2.1を参照)。質問には,法律や臨床の専門家が回答します。これらの専門家は,以下の方法についても指示を与えます。

  • 被害者を助け,さらなる被害から守る方法。

  • 被害者になり得る人を保護する方法。

  • 通報に関する法的義務を遵守する方法。

ヘルプラインを利用できない国では,このような犯罪行為について知ったビショップは,ステーク会長に連絡するべきです。ステーク会長は,エリアオフィスのエリア・リーガル・カウンセルに助言を求めるべきです。また,エリアオフィスのファミリーサービスのスタッフや福祉・自立マネージャーに相談することも奨励されています。

38.6.18.2

性的虐待,強姦,その他の性的暴行の被害者に対するカウンセリング

性的虐待,強姦,その他の性的暴行の被害者は,深刻なトラウマを抱えていることがよくあります。被害者がビショップやステーク会長を信頼して秘密を打ち明けた場合,心からの思いやりと共感をもって対応します。また,被害者に霊的な助言と支援を与えて,虐待による破壊的な影響を克服できるように助けます。教会の虐待ヘルプラインが利用できる国では,電話をかけて助言を求めます(38.6.18.1参照)。

時には,被害者が羞恥心や罪悪感を抱いていることもありますが,被害者に罪はありません。指導者は,被害者を非難してはなりません。そして,被害者と家族が,神の愛と,イエス・キリストと主の贖罪を通してもたらされる癒しを理解できるように助けます(アルマ15:83ニーファイ17:9参照)。

会員は,虐待や暴行に関する情報を伝えることを選ぶ場合がありますが,指導者はその詳細に過度に注意を向けるべきではありません。被害者に害を及ぼす可能性があるからです。

また,被害者と家族には,教会指導者の霊感による援助に加えて,専門家によるカウンセリングが必要となる場合があります。詳しくは,31.3.6を参照してください。

38.6.18.3

会員資格評議会

性的暴力や虐待を行った人には,会員資格評議会が必要になる可能性があります。会員が強姦を犯した場合や,その他の性的暴行で有罪判決を受けた場合,会員資格評議会が必須となります(32.6.1.1参照)。

また,社会的弱者である成人との性行為についても,評議会を開かなければなりません。ここで言う「社会的弱者である成人」とは,身体的または精神的機能に制限があるために,その行為に同意できないか,その行為がどのようなものか理解できない人を指します。

指導者は,その他の形の性的虐待に対処するために,個人的なカウンセリングや会員資格評議会が最適な措置であるかどうかについて,御霊の導きを求めます(32.6.2.232.8参照)。深刻な案件には,評議会が必須となります。指導者は直属の神権指導者に,その措置について相談することができます。

性的虐待の加害者のために会員資格評議会を開いた結果,会員資格が制限された場合,本人の会員記録に注意書きが付けられます。

虐待のカウンセリングについては,38.6.2.2を参照してください。性的暴行の被害者に対するカウンセリングについては,38.6.18.2を参照してください。

38.6.19

未婚の親になる独身者

妊娠している独身の教会員は,ビショップと会って話をするように勧められています。アメリカとカナダでは,ファミリーサービスが以下について対応しています。

  • 教会指導者との相談。

  • 未婚の親になる独身者とその家族とのカウンセリング。

このサービスを利用するのに,ビショップの紹介は必要ありません。料金は無料です。ファミリーサービスの連絡先については,31.3.6を参照してください。

その他の地域では,指導者は,エリアオフィスのファミリーサービスのスタッフや福祉・自立マネージャーに相談することができます。

未婚の親になる独身者とのカウンセリングのための指針は,「未婚者の妊娠」の項(「福音トピックス」topics.ChurchofJesusChrist.org)にも記載されています。

38.6.20

自殺

この世の生涯は,神から与えられた貴い賜物であり,大切に扱い,守るべきものです。教会は,自殺の防止を強く支持しています。自殺願望のある人や,自殺の影響を受けた人を助ける方法について詳しくは,suicide.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

自殺を考えたことのある人の多くは,身体的,精神的,情緒的,霊的な苦痛から解放されることを望んでいます。そのような人には,家族や教会指導者,資格ある専門家からの愛と助けと支援が必要です。

会員が自殺を考えていたり,自殺を試みたりした場合,ビショップは宗務上の支援を与えます。また,本人が直ちに専門的な助けを得られるように手配します。ビショップは必要に応じて,本人の身近にいる人々にも専門家の助けを求めるように勧めます。

本人に最も近い家族や指導者,専門家が最善の努力を尽くしたとしても,自殺を常に防げるわけではありません。自殺は,その人を愛する家族やほかの人々に,深い心の傷や動揺,答えの見えない疑問を残します。指導者は家族の相談に乗り,慰めを与えるべきです。また,養いと支援を与えます。家族も,専門家の支援とカウンセリングを必要とする場合があります。

人が自ら命を絶つのは正しいことではありません。しかし,神のみが,本人の思いや行い,責任の度合いを判断することがおできになります(サムエル上16:7教義と聖約137:9参照)。

家族は,ビショップと相談しながら,亡くなった人の葬儀の場所と内容を決定します。家族は,教会の施設を利用することを選択できます。亡くなった人が生前にエンダウメントを受けていた場合は,神殿衣を着せて埋葬または火葬することができます。

愛する人を自殺で亡くした人は,イエス・キリストと主の贖罪に,希望と癒しを見いだすことができます。

自殺予防とミニスタリングについて詳しくは,suicide.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

38.6.21

不妊手術(精管切除術を含む)

38.6.4を参照してください。

38.6.22

代理出産

夫婦が神の霊の子供たちに肉体を提供するという規範は,神により定められたものです(2.1.3参照)。このため,教会では代理出産を行うことを推奨していません。ただし,これは個人的な事柄であり,最終的には,夫婦の判断と祈りをもって熟慮した結果に委ねられています。

代理出産により生まれた子供は,聖約の子ではありません。子供の出生後,大管長会の承認を得た場合に限り,両親と結び固めることができます(38.4.2.7参照)。両親は大管長会に手紙を書き,ステーク会長に渡します。この要請を支持する場合,ステーク会長は親の手紙に自分の手紙を添えて,大管長会に提出します。

38.6.23

トランスジェンダーの個人

トランスジェンダーの人は複雑な試練に直面しています。トランスジェンダーを自認する会員や非会員,および彼らの家族や友人には,細やかな心遣いと優しさ,思いやり,キリストのような豊かな愛をもって接するべきです。教会の聖餐会や日曜日のほかの集会,社交行事には,だれでも自由に出席することができます(38.1.1参照)。

性別は,天の御父の幸福の計画に不可欠な特性です。「家族の宣言」における「性別」とは,「出生時の生物学的な性別」を指しています。中には,生物学的な性別と自認している性別との間に違和感を覚える人もいます。その結果,自らをトランスジェンダーと自認する場合があります。教会は,人々がトランスジェンダーを自認する原因について,見解を表明していません。

ほとんどの教会への参加と,一部の神権の儀式は,性別に関係なく行われます。トランスジェンダーの人は,38.2.8.9で概説されているように,バプテスマと確認を受けることができます。また,聖餐にあずかり,神権の祝福を受けることもできます。ただし,神権の聖任や神殿の儀式は,出生時の生物学的性別に応じて行われます。

教会指導者は,出生時の生物学的性別とは異なる性別への移行(「性別適合」)を目的とした任意の医療処置や外科処置を受けることのないように勧めています。指導者は,それらの行動を取ることが,教会会員資格を制限する原因になると忠告します。

指導者はまた,社会的移行をしないように助言します。社会的移行には,自分が出生時の生物学的性別とは異なる性別であることを示すために,服装や身だしなみを変えたり,名前や代名詞を変えたりすることが含まれます。指導者は,社会的移行をする人に,移行している間,教会会員資格の制限を受けることになると勧告します。

これには,神権や神殿推薦状を受けることや行使すること,また一部の教会の召しを受けることへの制限が含まれます。教会員としての特権の一部は制限されますが,それ以外の教会への参加は歓迎されます。

トランスジェンダーの人で,医療的,外科的,社会的に,異なる性別に移行することを求めていないふさわしい人は,教会の召しや神殿推薦状,神殿の儀式を受けることができます。

子供や青少年,成人の中には,性別への違和感や自殺願望を和らげるために,資格ある医療専門家からホルモン療法を受ける人もいます。そうした治療を始める前に,本人(および未成年者の親)が潜在的なリスクと利点を理解しておくことが重要です。そのような会員が,異なる性別への移行を試みておらず,ふさわしい場合,教会の召しや神殿推薦状,神殿の儀式を受けることできます。

会員が,自分が希望する名前や呼ばれたい代名詞に変えることを決断した場合,希望する名前を会員記録の「通称」欄に記載することができます。ワード内で本人の希望する通称で呼んでもらうことができます。

状況はユニットによって,また人によって大きく異なります。会員と指導者は,ともに話し合い,主に相談します。地域会長会は,地元の指導者が個々の状況に合わせて慎重に対応できるように支援します。ビショップはステーク会長に相談します。ステーク会長と伝道部会長は,地域会長会に助言を求めなければなりません(32.6.3および32.6.3.1参照)。

トランスジェンダーの人への理解と支援について詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgの「トランスジェンダー」を参照してください。

38.7

医療および健康に関する方針

38.7.1

遺体解剖

遺体解剖は,遺族の同意があり,法的に認められている場合に行うことができます。場合によっては,解剖が法律で義務付けられています。

38.7.2

埋葬と火葬

遺体を埋葬するか火葬にするかは,遺族が決めます。遺族は故人の希望を尊重します。

国によっては,火葬が法律で義務付けられています。また,埋葬が家族にとって手頃な方法でない場合や,現実的な選択肢でない場合もあります。いずれの場合も,遺体は尊厳と敬意をもって扱うべきです。会員は,常に復活の力が適用されることを再確認するべきです(アルマ11:42-45参照)。

エンダウメントを受けている会員の遺体を埋葬または火葬する場合,可能であれば,儀式用神殿衣を着せるべきです(38.5.8参照)。

葬儀や告別式は,家族が集い,家族関係や価値観を受け継いでいく機会となります(29.5.4参照)。

38.7.3

出生前に死亡した子供(死産・流産児)

胎児の死亡を経験した親は,悲しみや喪失感にさいなまれます。指導者や家族,ミニスタリングブラザーやミニスタリングシスターは,情緒的および霊的な支援を行います。

親は,告別式や納骨式を行うかどうかを決めることができます。

親は,子供に関する情報をFamilySearch.orgに記録することができます。手順はウェブサイトに記載されています。

出生前に死亡した子供のための神殿儀式は,必要ないか,執行されることはありません。これは,この子供たちが永遠の家族の一員となる可能性を否定するものではありません。親は主を信頼し,主の慰めを求めるように勧められています。

38.7.4

安楽死

この世の生涯は,神から与えられる貴い賜物です。安楽死とは,不治の病やその他の状態で苦しんでいる人の命を意図的に終わらせることです。自殺幇助を含め,安楽死に携わる人は,神の戒めに背いており,地元の法律も犯している可能性があります。

終末期にある人への過度の延命措置を止めることや放棄することは,安楽死とは見なされません(38.7.11参照)。

38.7.5

HIVの感染とエイズ

HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している会員やエイズ(後天性免疫不全症候群)に罹患している会員は,教会の集会や活動に温かく迎え入れるべきです。患者が出席しても,ほかの人々が健康上のリスクを負うことはありません。

38.7.6

催眠術

一部の人にとって,催眠術は選択の自由を損なうおそれがあります。会員は,実演や娯楽を目的とした催眠術への参加を控えるように勧められています。

病気や精神障害を治療するために催眠術を利用する場合は,資格ある医療専門家と相談のうえ決断を下すべきです。

38.7.7

出生時の性別が明確でない個人

ごくまれに,男性器か女性器かはっきりしない性器(外性器異常,曖昧な性,性分化疾患など)を持って生まれてくる子供がいます。親やほかの人々は,資格ある医療専門家の指導の下に,子供の性別を決定するための決断をしなければならない場合があります。医療処置や外科処置を施すことについての決断は,多くの場合,新生児期に行われます。ただし,医学的に必要な場合を除き,その決断を下すのを引き延ばすことができます。

外性器異常を持って生まれた青少年や成人が,乳幼児期に決められた性別と本人が自認する性別に関して精神的な葛藤を覚えている場合,特別な思いやりと知恵が必要となります。

外性器異常を持って生まれた青少年や成人の会員記録,神権の聖任,神殿の儀式に関する質問は,大管長会事務局に問い合わせるべきです。

38.7.8

治療法と健康管理

適切な医療支援を探し求めること,信仰を行使すること,そして神権の祝福を受けることは,主の御心に従って癒しをもたらすために,一体となって働きます。

会員は,倫理的,霊的,法的に疑わしい治療法や健康法を用いたり,宣伝したりすべきではありません。健康上の問題を抱えている人は,国家免許を受けた,資格ある医療専門家に相談するべきです。

教会員は,適切な医療支援を求めるだけでなく,ヤコブの手紙5:14にある,「教会の長老たちを招き,主の御名によって,オリブ油を注いで祈ってもらうがよい」という聖句の指示に従うように勧められています。神権による癒しの祝福は,必要とされる神権の職に就いている人が施します。祝福は,依頼されたときに無償で施します(18.13参照)。

教会員は,祈りや適切に執行される神権の祝福によらずに,癒しの力にあずかる特別な方法があると主張する個人やグループに,奇跡的あるいは超自然的な癒しを求めることは控えるように勧められています。こうした行為はよく,「エネルギーヒーリング」と言われていますが,ほかの名称も使われています。多くの場合,このような癒しを施すという約束は,金銭と引き換えにして与えられます。

38.7.9

医療大麻(医療マリファナ)

教会は,医療目的以外での大麻の使用に反対しています。38.7.14を参照してください。

ただし,以下の条件を満たす場合には,大麻を医療目的で使用することができます。

  • 免許を受けた医師または法的に認可されたほかの医療提供者が,医学的に大麻の使用が必要であると判断している。

  • 医師または認可されたほかの医療提供者から指示された投与量および投与方法を守る。教会は,医療提供者が医療上の必要に基づいて許可した場合を除き,大麻の吸引を認めていません。

教会は,医療目的を含め,大麻の喫煙を認めていません。

38.7.10

臓器および組織の提供と移植

臓器や組織の提供は,無私の行為であり,多くの場合,疾患を抱えている人々に大きな恩恵をもたらします。

生きている人が,他人に臓器を提供するかどうか,提供された臓器を受け取るかどうかの決断は,適切な医学的助言と祈りをもって熟慮した事柄に基いて下すべきです。

亡くなった人からの臓器や組織の移植を認めるかどうかの決断は,本人か本人の家族が下します。

38.7.11

延命措置(生命維持措置を含む)

重い病気に直面したとき,会員は,主への信仰を働かせ,適切な医学的支援を探し求めるべきです。しかし,死が避けられない状態となったときは,死が祝福であり,永遠の存在にとって目的のある一つの過程であると考えるべきです(2ニーファイ9:6アルマ42:8参照)。

会員は,過度の延命措置を講じる義務があると感じるべきではありません。こうした決断は,可能であれば,本人または家族が下すのが最善です。その際,適切な医学的助言と,祈りを通して神の導きを求めるべきです。

指導者は,家族の生命維持装置を外すかどうかの決定に直面している人々を補佐します。

38.7.12

自己啓発団体

多くの民間団体や営利組織は,自己認識や自尊心,精神性,家族関係を改善することを目的としたプログラムを提供しています。このような団体は,本来なら解決に時間と祈り,個人的な努力を要する問題が直ちに解決する,と約束する傾向にあります。参加者は,一時的な気休めや心の高まりを感じるかもしれませんが,以前の問題が再発することも多く,より深い失望や落胆を味わうことになります。

中には,教会や中央幹部個人がそれらを推薦していると主張したり,ほのめかしたりしている団体もあります。しかし,そのような主張は真実ではありません。

教会員は,こうした団体の一部が,危害を及ぼしかねない概念や手段を用いていると,警告されています。また,多くの団体は,法外な料金を請求し,長期的な契約を勧めてきます。霊性や信仰を弱める可能性のある方法で,世俗的な概念と福音の原則を混ぜ合わせている団体も存在します。

教会指導者は,そのような団体や活動への金銭の支払い,宣伝,推薦を行ってはなりません。また,教会の施設をこのような活動のために使用してはなりません。

社会的な問題や情緒的な問題を抱えている会員は,福音の原則に添った援助手段の見つけ方について助言を受けるために,指導者に相談することができます。詳しくは,22.3.4を参照してください。

38.7.13

ワクチン接種

資格ある医療専門家が行うワクチン接種は,健康を守り,命を守ります。教会員は,ワクチン接種を通じて自分と子供,地域社会を守るように勧められています。

最終的には,ワクチン接種について決断を下すのは,各自の責任です。不安を抱いている会員は,資格ある医療専門家に相談するとともに,聖霊の導きを求めるべきです。

ワクチン接種を受けていない宣教師候補者は,割り当てが自国のみに限定される可能性が高くなります。

38.7.14

知恵の言葉と健康習慣

知恵の言葉は神の戒めです。神は,御自分の子供たちに肉体的,霊的な祝福をもたらすために,知恵の言葉を明らかにされました。預言者たちは,教義と聖約89章の教えには,たばこ,強い飲み物(アルコール),熱い飲み物(茶とコーヒー)を控えることも含まれると明らかにしてきました。

また,預言者は会員に,有害な物質や違法な物質,依存性のある物質,判断力を損なう物質を避けるように教えています。

ほかにも,知恵の言葉や教会指導者によって特定されていない有害な物質や慣習が存在します。会員は,身体的,霊的,情緒的な健康を高めるための選択をするとき,知恵と祈りをもって判断を下すべきです。

使徒パウロは次のように述べています。「あなたがたは知らないのか。自分のからだは,神から受けて自分の内に宿っている聖霊の宮であって,あなたがたは,もはや自分自身のものではないのである。あなたがたは,代価を払って買いとられたのだ。それだから,自分のからだをもって,神の栄光をあらわしなさい。」(1コリント6:19-20

主は,知恵の言葉と生ける預言者の導きに従う人々に,霊的な祝福と物質的な祝福を約束しておられます(教義と聖約89:18-21参照)。

38.8

管理運営に関する方針

38.8.1

養子縁組と里親

子供を養子にすることや,里親になることで,子供たちや家族に祝福をもたらすことができます。養子縁組を通して,愛に満ちた永遠の家族を築くことができます。家族のもとに来たのが養子縁組か出産かにかかわらず,子供たちは同様に貴い祝福です。

子供を養子にすることや,里親になることを希望する会員は,関連する国や政府の準拠法をすべて遵守するべきです。

教会が養子縁組を斡旋することはありません。ただし,アメリカやカナダにおいて,指導者はファミリーサービスを相談先として会員に紹介することができます。連絡先の情報については,31.3.6を参照してください。

未婚の親になる独身者について詳しくは,38.6.19を参照してください。

詳しい情報については,「養子縁組」(「福音トピックス」topics.ChurchofJesusChrist.org)を参照してください。

38.8.2

類縁詐欺

類縁詐欺は,他人からの信頼や信用を利用して人を騙すときに発生します。これは,当人たちが教会など,同じグループに属しているときに起こり得ます。また,教会の召しや家族関係など,友情や信頼ある立場を悪用することでも起こり得ます。類縁詐欺は通常,金銭的な利益を得ることを目的としています。

教会員は,正直に付き合い,誠実に行動するべきです。類縁詐欺は,信頼や信用を裏切る恥ずべき行為であり,その加害者は刑事訴追の対象となる可能性があります。また,類縁詐欺をはたらいた教会員は,教会会員資格の制限または取り消しを受ける場合があります。詐欺行為に対する会員資格評議会に関する指針については,32.6.1.3および32.6.2.3を参照してください。

会員は,教会や教会指導者が自らの商取引を後援している,承認している,代表していると述べたり,ほのめかしたりしてはなりません。

38.8.3

視聴覚資料

視聴覚資料は,教会のクラスや集会において御霊を招き,福音の教えを豊かにするのに役立ちます。視聴覚資料の例としては,ビデオや写真,音楽の録音などがあります。これらの資料を使うことが,クラスや集会の妨げやメインとなるべきではありません。

会員は,聖餐会やステーク大会の一般部会で視聴覚資料を使用するべきではありません。ただし,賛美歌の伴奏に必要な場合は,録音された音楽をこれらの集会で使用することができます。

会員は,視聴覚資料を用いる場合,すべての著作権法を遵守するべきです(38.8.11参照)。また,福音と調和した,御霊を招く助けとなる資料のみを用いるべきです。

38.8.4

中央幹部,中央役員,地域七十人のサインと写真

教会員は,中央幹部,中央役員,地域七十人にサインを求めるべきではありません。会員はまた,自分の聖典や賛美歌集,プログラムにサインするよう,これらの指導者に求めるべきではありません。そのような行為は,指導者の神聖な召しや集会の雰囲気を損なうものであり,指導者がほかの会員とあいさつを交わすのを妨げることにもなりかねません。

会員は,礼拝堂で中央幹部や中央役員,地域七十人の写真を撮るべきではありません。

38.8.5

事業

いかなるものであろうと,事業や教会以外の団体を宣伝する目的で,教会の集会所やその他の施設,教会の集会やクラス,教会のウェブサイトやソーシャルメディアチャンネルを使用してはなりません。

いかなる事業や教会以外の団体に対しても,教会のグループのリストや会員に関するその他の情報を提供することはできません。これには,出会い,教育,就職の機会を設けるものが含まれます(ただし,これに限定されるものではありません)。38.8.31を参照してください。

38.8.6

教会職員

教会職員は,常に教会の標準に従って生活し,教会の標準を守らなければなりません。また,地元の雇用に関する法律を遵守しなければなりません。

会員は,教会で仕事を始める,または続けるためには,神殿推薦状を持つにふさわしくなければなりません。教会人事部の担当者は,定期的にステーク会長やビショップと連絡を取って,現職の教会職員や教会での雇用を予定している会員が,神殿推薦状を持つにふさわしい状態にあることを確認します。指導者は,この要請に速やかに対応するべきです。

38.8.7

教会機関誌

教会機関誌には,以下のものがあります。

大管長会は全会員に,教会機関誌を読むように勧めています。これらの機関誌は,会員がイエス・キリストの福音を学び,生ける預言者の教えを研究し,世界規模の教会という家族とのつながりを感じ,信仰をもって困難に立ち向かい,神に近づけるように助けることができます。

指導者は,会員が機関誌を利用できるように以下のような支援を提供します。

  • 会員が機関誌(印刷版)の定期購読の申し込みや更新ができるように助ける。

  • ChurchofJesusChrist.org,「福音ライブラリー」アプリ,「福音実践」アプリで機関誌のコンテンツにアクセスする方法を会員に見せる。このデジタルコンテンツは無料です。

  • 新会員がバプテスマを受けたらすぐ,デジタル版の教会機関誌にアクセスする方法を教える。印刷版の機関誌を希望する新会員には,ユニットの予算で1年間の定期購読を贈ります。

  • 親や保護者と一緒に教会に出席していないすべての子供と青少年に,継続的に定期購読を提供する。ユニットの予算を使ってください。

ビショップは,会員が機関誌を利用できるように助けるために,機関誌担当者を召すことができます。あるいは,ワード幹部書記に,補佐を任せることもできます(7.3参照)。

機関誌担当者や幹部書記は,地元の会員から信仰を高める経験や証を集めて,機関誌で分かち合うように助けることもできます。

印刷機関誌の購読はstore.ChurchofJesusChrist.org,グローバルサービス部,ディストリビューション・サービスストアで入手することができます。一部の地域では,ユニットが会員に代わって機関誌を注文し,集会所で配付します。詳しくは,グローバルサービス部かディストリビューション・センターに問い合わせてください。

38.8.8

教会の名称,ロゴ,シンボル

画像
教会のロゴとシンボル

教会の名称,ロゴ,シンボルは,教会を識別するために重要なものです。これらは商標登録されているか,ほかの方法で世界中で法的に保護されています。これらは,教会の公式文書やニュース,イベントを識別するために使用します。

当教会を識別するための主要なもの(名称,ロゴ,シンボル)は,以下の指針に従った場合にのみ使用してください。

書面における教会の名称。地元のユニットは,以下の条件をすべて満たしている場合,書面において教会の名称(ロゴやシンボルではない)を用いることができます。

  • 教会の名称を用いた活動や催し物を,そのユニットが正式に主催している(例:聖餐会のプログラム)。

  • 地元の教会ユニットの名称を,教会の名称の前後につけて使用している(例:末日聖徒イエス・キリスト教会カンポ・ローザ支部)。

  • 書体は正式のロゴを模写あるいは似せて作成したものではない。

ロゴとシンボル。教会のロゴとシンボル(上記の図参照)は,大管長会と十二使徒定員会の承認を得た場合にのみ使用することができます。これらを,装飾要素として使用してはなりません。これらを,個人的に,あるいは営利や宣伝を目的として用いることはできません。

質問は,下記に問い合わせるべきです。

Intellectual Property Office(知的財産事務所)

50 East North Temple Street

Salt Lake City, UT 84150-0005

電話:1-801-240-3959または1-800-453-3860(内線:2-3959)

ファックス:1-801-240-1187

電子メール: cor-intellectualproperty@ChurchofJesusChrist.org

38.8.9

教会職員やボランティアからステーク会長やビショップへの連絡

教会職員やボランティアが,ステーク会長やビショップに連絡を取る必要がある場合,よほど緊急な場合や内密事項でないかぎり,その指導者の幹部書記に直接連絡をします。このようにすることで,ステーク会長とビショップは,彼ら自身にしか果たすことのできない多くの責任に集中することができます。

教会職員およびボランティアには,教会の全部門,教育プログラムと学校,福祉および自立支援事業,教会関連の事業の担当者が含まれます。

幹部書記が召されていない場合や,幹部書記が召しを十分に果たせていない場合には,直接指導者に連絡することができます。

38.8.10

コンピューター

教会の集会所で使用するコンピューターとソフトウェアは,教会本部やエリアオフィスが提供し,管理します。指導者と会員は,これらのリソースを用いて,家族歴史活動などの教会の目的を支援します。

これらのコンピューター上のすべてのソフトウェアは,教会に適切にライセンスされていなければなりません。

ステーク会長は,ファミリーサーチセンターのコンピューターを含め,ステーク内のコンピューターの設置と利用を監督します。ステーク技術支援スペシャリストは,33.10に概説されているように,コンピューターが適切にアップデートされ,メンテナンスされるようにします。

38.8.11

著作権のある資料

著作権とは,以下のような有形(デジタルを含む)のオリジナル作品の著作者に与えられている法律による保護を指します。

  • 文芸作品,音楽作品,脚本,舞踊作品。

  • 絵画,写真,彫刻作品。

  • 視聴覚作品(映画,ビデオ,CD,DVDなど)。

  • コンピュータープログラムやゲーム。

  • インターネットやその他のデータベース。

創作品とその使用許可を規定する法律は,国によって異なります。本セクションで概説されている教会の方針は,大部分の国で適用されている国際条約と一致しています。分かりやすくするため,本セクションでは,創作者の権利を「著作権」と呼ぶことにします。ただし,これらの権利の一部は,国によっては別の呼称で呼ばれることがあります。

教会員はすべての著作権法を厳密に守るべきです。通常,著作権所有者のみが,自分の作品の以下の使用を許可することができます。

  • 複製(コピー)

  • 配付

  • 公演

  • 一般向けに展示

  • 派生物の作成

著作権所有者の許可なく,上記の方法で著作物を使用することは,教会の方針に反しています。そのように使用することで,当教会や使用者が法的責任を負うことになる場合があります。

作品を使用する人は,作品が著作権によって保護されていることを考慮に入れるべきです。出版物には通常,「©19592John Doe」というような著作権の表示があります(音響録音の場合は℗が用いられます)。ただし,法的な保護を受けるのに,著作権の表示は必要ありません。同様に,出版物が絶版になっていたり,インターネットに掲載されていたりしても,それが著作権で保護されていないことにはなりません。また,それを許可なく複製,配付,公演,展示,派生物の作成を行うことを正当化するものでもありません。

教会の知的財産事務所(Intellectual Property Office, IPO)は,Intellectual Reserve Inc.(IRI)が著作権を有する資料を含む,著作権のある教会資料やプログラムの使用を申請する手続きを支援しています。IRIは,当教会が使用する知的財産を所有している独立した非営利法人です。教会が所有している資料の使用申請については,ChurchofJesusChrist.orgの「利用規約」を参照してください。

以下の質問と回答は,会員が教会や家庭で著作権のある資料を使用する際に,著作権法を理解し,守るための助けとなるでしょう。これらの指針で解決できない質問がある場合,会員はIPOに問い合わせることができます。

Intellectual Property Office(知的財産事務所)

50 East North Temple Street

Salt2Lake2City,UT 84150-0005

電話:1-801-240-3959または1-800-453-3860(内線:2-3959)

ファックス:1-801-240-1187

電子メール: cor-intellectualproperty@ChurchofJesusChrist.org

「出版されている教会の資料をコピーすることはできますか。」別段の定めがない限り,教会の資料は,教会,家庭,家族での非営利目的で使用するためにコピーすることができます。教会のウェブサイトやアプリに付随する利用規約には,これらのウェブサイトやアプリ上の資料の使用方法が載っています。IPOの書面による特別の許可がなければ,教会資料を営利目的に使用することはできません。

「楽譜をコピーすることはできますか。」楽譜には特有の著作権法が適用されます。賛美歌や歌に制限が特に記載されていなければ,教会,家庭,家族での非営利目的での使用のために,以下の資料から楽譜をコピーすることができます。

印刷された楽譜や録音された音楽を著作権所有者から承認を得ないで複写や複製することは,教会の方針に反します。

「教会が所有していない資料をコピーすることはできますか。」一般的に,できません。著作権法は,個人が所有する資料の使用も規制しています。通常,一般の人が教会外の資料をコピーする前に従わなければならない条件を示す制限事項があります。通常,このような制限は出版物の巻頭近くに記されています。会員はすべての著作権法を厳密に守るべきです。

「市販の視聴覚作品を教会の集会で上映することができますか。」一般的に,できません。教会員は,市販の視聴覚作品に記されている注意書きと制限に違反するべきではありません。映画,その他のビデオ,音楽も含まれます。市販の視聴覚作品を教会の集会で使用する場合,一般的に,著作権所有者の許可が必要です。

「教会で使うために,コンピューターのソフトウェアやほかのプログラムをダウンロードしたり,コピーしたりすることができますか。」一般的に,できません。コンピューターのプログラムやほかのソフトウェアは,すべてのライセンスを適正に購入したのでなければ,コピーやダウンロードをしてはなりません。

「ミュージカルや演劇作品を上演するには,どのような許可が必要ですか。」教会またはIRIが所有する作品は,教会本部の許可がなくても教会で上演をすることができます。著作権で保護された作品が教会所有でない場合,教会でその作品の全体または一部を上演する会員は,著作権所有者の許可を得なければなりません。通常,著作権所有者は,たとえ上演が無料で行われても,報酬や使用料を要求します。すべての上演には,地元の神権指導者の承認が必要です。

38.8.12

教科課程の資料

教会は,会員がイエス・キリストの福音を学び,実践するのに役立つ資料を提供しています。これには,聖典,総大会のメッセージ,機関誌,手引き,書籍,その他のリソースが含まれます。指導者は,家庭で福音を研究するために,必要に応じて聖典やその他のリソースを用いるよう会員を励まします。

福音の学習と指導は,救い主とその教義に焦点を当てるべきです。教会のクラスにおいて,この焦点を保つことができるように,指導者は教師が承認された資料を用いるよう徹底します。承認された資料については,『教科課程に関する指示』を参照してください。

38.8.13

住所録

会員と指導者は,教会が提供している会員名の住所録を使用するように奨励されています。これらの住所録は,ChurchofJesusChrist.orgや「会員ツール」アプリにある「ワードの住所録と地図」で利用できます。住所録には,会員の基本的な連絡先の情報が掲載されています。ステークやワードの指導者は,各自の召しに役立つ追加情報を閲覧することができます。指導者は,「指導者と書記のためのリソース」でもこの情報を見ることができます。

会員は,自分のデジタル連絡先の情報の表示に制限をかけることができます。会員は,自分の世帯のプロフィールでプライバシーレベルを選択することで制限をかけることができます。

ステークやワードの指導者は,会員が選択したプライバシー設定を尊重するべきです。また,これらの指導者は,承認された教会の目的にのみ情報を使用するようにします。

通常,ステークとワードの住所録の印刷は必要ありません。指導者がほんとうに必要だと判断した場合,ChurchofJesusChrist.orgにある「ワードの住所録と地図」を使うことによってのみ,印刷した住所録を作成できます。これらの住所録には,会員の性別や年齢,誕生日などは含まれていません。

会員リストを教会以外で使用するために印刷するべきではありません。

38.8.14

服装と外見

男性と女性は,神のかたちに創造されました(創世1:26-27アブラハム4:27参照)。死すべき肉体は,神聖な賜物です。

教会員は,適切な服装や身だしなみを選ぶ際に,体を尊重する気持ちを表すように奨励されています。何が適切であるかは,それぞれの文化や場面によって異なります。例えば,聖餐会では,聖餐の儀式に対する敬意を表すために,自分に用意できる最善の日曜日にふさわしい服装をします(18.9.3参照)。神殿参入にも,これと同じ原則が当てはまります(27.1.5参照)。イエス・キリストの弟子は,どのような服装や身だしなみが最適なのかを自ら悟ることでしょう。

会員や指導者は,服装や身だしなみで人を判断するべきではありません。また,救い主が命じられたように,すべての人を愛するべきです(マタイ22:39ヨハネ13:34-35参照)。教会の集会や活動では,すべての人が歓迎されるべきです(38.1.1参照)。

神殿推薦状を発行するときや,ワードやステークの召しを与えるとき,指導者はその人のふさわしさと御霊の導きについて考慮します(26.330.1.131.1.1参照)。

38.8.15

極端な備えと生存主義

教会は自立を奨励しています。会員は,人生の試練に対して霊的にも肉体的にも備えるように勧められています。22.1を参照してください。

しかし,教会指導者は,起こりうる壊滅的な出来事に対して極端で過度な備えをすることのないよう勧告を与えています。そのような取り組みは,「生存主義」と呼ばれることもあります。備えるための努力は,恐れではなく,信仰によって動機づけられるべきです。

教会指導者は,借金をしてまで食糧貯蔵を行う必要はないと会員に勧告しています。その代わり,会員は,家庭において貯蔵品の備蓄と貯蓄を時間をかけて行うべきです。22.1.4および「食糧貯蔵」(福音トピックス,topics.ChurchofJesusChrist.org)を参照してください。

38.8.16

断食日

会員は,いつでも断食できます。ただし,通常は,月の最初の安息日を断食日として守っています。

断食日には通常,祈りをささげ,24時間飲食を断ち(健康上可能な場合),断食献金を惜しみなくささげることが含まれます。断食献金は,助けの必要な人々を支援するための献金です(22.2.2参照)。

時々,教会全体の集会や地元の集会が,月の最初の安息日に行われます。このような場合,ステーク会長会は別の安息日を断食日として定めます。

38.8.17

ギャンブルと宝くじ

教会はあらゆる形のギャンブルに反対しており,ギャンブルを行わないよう勧告しています。これには,スポーツくじや政府が主催する宝くじも含まれます。

38.8.18

招待話者と招待講師

教会のほとんどの集会や活動での話者や講師は,地元のワードやステークに所属している人であるべきです。

招待話者や招待講師とは,ワードやステークに所属していない人のことを指します。ワードの集会や活動に招待話者を招く場合には,ビショップの承認が必要です。ステークの集会や活動に招待話者を招く場合には,ステーク会長の承認が必要です。

ビショップやステーク会長は,招待話者と招待講師について,慎重に選抜します。これには,その人のビショップと連絡を取ることが含まれます。

ビショップまたはステーク会長は,以下の事柄について確認します。

  • 話や講習の内容が教会の教義と一致している。

  • 憶測に基づいたテーマが含まれていない(総大会で採り上げられたテーマと一致しているべきです)。

  • 招待話者や招待講師は,報酬を受けず,参加者を募集せず,商品購入や仕事の依頼を要請しない。

  • その人の交通費を,地元ユニットの予算交付金や私的な寄付金から支給しない。

  • 話や講習の内容が,教会の施設を使用する際の指針に添ったものである(35.5参照)。

38.8.19

移民

母国にとどまる会員には,その地で教会を築き上げ,強めるという多くの機会が与えられています。しかし,別の国への移住は個人の選択です。

別の国に移住する会員は,適用されるすべての法律に従うべきです(教義と聖約58:21参照)。

宣教師は,ほかの人が移住する際の身元保証人になることを申し出るべきではありません。また,自分の親や親族,その他の人々に依頼するべきでもありません。

教会は,教会職員として雇用することで移民の身元保証人となることはありません。

教会員は,移民や難民を自分たちの地域社会の一員として迎え入れるために,自分の時間や才能,友情をささげます(マタイ25:35参照。本手引き38.8.35も参照)。

38.8.20

インターネット

38.8.20.1

教会の公式インターネットリソース

当教会は,公式ウェブサイト,ブログ,ソーシャルメディアのアカウントを保持しています。これらのリソースは,教会のロゴやシンボルを使用することで,公式のものであることが明示されています(38.8.8参照)。これらはまた,法律上の要件と,教会の知的財産およびプライバシーに関する方針に従っています。

38.8.20.2

教会の召しにおける会員のインターネットの利用

会員は,教会を代表するために,あるいは教会,教会の見解,教義,方針,手続きを公式に伝えるために,ウェブサイト,ブログ,ソーシャルメディアのアカウントを作成することはできません。ただし,自分の召しの助けとなるウェブサイトやブログ,ソーシャルメディアのアカウントを作成することはできます。その際,会員は以下の指針に従うべきです。

  • ウェブサイト,ブログ,ソーシャルメディアのアカウントを作成する場合,最初にステーク会長(ステークリソースの場合)またはビショップ(ワードリソースの場合)から承認を得なければならない。

  • 教会のロゴやシンボルを使用または模倣することはできない(38.8.8参照)。

  • オンラインリソースには,目的と目標を定め,適切な名称を付ける。名称には,ワード名またはステーク名を入れることができます。しかし,教会の正式な名称を入れることはできません。

  • 会員は,オンラインリソースのコンテンツや画像,その他の資料が,教会によって後援または承認されている,あるいはどんな方法であっても教会を公式に代表していると言明したり,暗示したりしてはならない。むしろ,免責条項に,教会が公式に主催するものではない旨を明記するべきです。

  • すべてのコンテンツは,対象とする利用者に関連のあるもので,本題から離れず常に適切に保たれている。

  • オンラインリソースには,連絡先の情報を記載する。

  • そのオンラインリソースに対して,複数の管理者が責任を負う。こうすることで,個人の召しや割り当てに変更があった場合でも,継続性を保つことができます。また,リソースの更新や監視が一人の人の重荷にならないようにすることができます。

  • 教会が所有する絵画,動画,楽譜,その他の資料は,教会の公式ウェブサイトの「利用規約」や「教会の知的財産事務所」により,使用許可が明確に出ている場合を除き,掲載することはできない。ほかのリソースからの著作権で保護されたコンテンツは,最初にコンテンツの所有者が書面で許可している場合を除き,使用するべきではありません。著作権のある資料の使用について詳しくは,38.8.11を参照してください。

  • 画像や動画,または個人情報を使用する場合は,コンテンツの所有者や関係者からの同意が必要です。同意が必要な場合は,放映許可書,公示,特定の行事のための掲示,または書面による許可によって得ることができます。その国の個人情報保護法を守らなければなりません。

  • オンラインリソースは,ChurchofJesusChrist.org,会員ツール,ほかの教会リソースにすでにあるツールや機能を複製するべきではありません。

  • 指導者や宣教師は,コミュニケーションの重複を避けるために調整を行うべきです。

  • 不要になったオンラインリソースは,除去するべきです。重要なメディア(写真やビデオなど)は,ワードやステークの歴史記録に保存するべきです。

その他の指針については,internet.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

38.8.20.3

インターネットとソーシャルメディアの個人的使用

インターネットやソーシャルメディアには,有益な活用方法が数多くあります。その中には,救い主と主の回復された福音について証を分かち合う機会があります。会員は,ブログやソーシャルメディアなどのインターネット技術を活用して,キリストを信じる信仰に伴う平和と希望と喜びのメッセージを広めることができます。

会員は,心を高めるコンテンツを分かち合うように勧められています。また,ソーシャルメディアを含むあらゆるオンラインでのやり取りにおいて,礼儀正しさの模範を示すべきです。また,争いは避けるべきです(3ニーファイ11:29-30教義と聖約136:23参照)。

会員は,偏見のある発言をすべて避けなければなりません(38.6.14参照)。そして,オンラインを含め,いつでもほかの人に対してキリストのような態度をとるように努め,神のすべての子供たちに心からの敬意を示すようにします。

会員は,オンライン上で,脅迫やいじめ,品位を傷つけること,暴力,その他虐待にかかわるような言葉や画像を使用してはなりません。オンライン上で違法な脅迫行為が発生した場合は,直ちに警察当局に通報するべきです。

会員は,自分のメッセージが教会を代表するものである,あるいは教会から発起されたものであるとほのめかすべきではありません。

38.8.21

インターネット,衛星放送,ビデオ機器

教会のインターネット,衛星放送,ビデオ機器は,教会が非営利目的で用いる場合にのみ使用します。これらの使用時には,ステーク会長会やビショプリックの承認を得なければなりません。

この機器を使って,教会が主催していない番組を視聴および録画することはできません。また,教会のリソース(インターネット接続など)を使って,そのような番組を視聴および録画することもできません。

機器の取り扱いは,訓練を受けた人のみが行うことができます。機器を使用しないときは,しっかりと施錠しておくべきです。機器を,個人的に使うために建物から持ち出すことはできません。

38.8.22

国の法律

会員は,自分が居住している国や旅行先の国の法律を守り,尊重し,支持するべきです(教義と聖約58:21-22信仰箇条1:12参照)。これには,伝道を禁じる法律も含まれます。

38.8.23

教会の問題のためのリーガル・カウンセル

教会の問題について法務上の支援が必要な場合,指導者は教会のリーガル・カウンセルに連絡するべきです。アメリカとカナダでは,ステーク会長が下記の教会の中央法務事務局に連絡します。

1-800-453-3860(内線2-6301)

1-801-240-6301

アメリカとカナダ以外の地域では,ステーク会長がエリアオフィスのエリア・リーガル・カウンセルに連絡します。

38.8.23.1

法的手続きにおける関与または文書

教会指導者は,事前に教会のリーガル・カウンセルに相談することなく,自分が所属するユニットの会員の民事訴訟や刑事訴訟に関与するべきではありません。電子メールでのやり取りを含め,弁護士や裁判所職員と口頭や書面でやり取りする場合も,これと同じ方針が適用されます。

指導者は,教会での立場において,以下のような場合に,教会のリーガル・カウンセルに相談するべきです。

  • 法的な問題について証言や連絡をするべきだと考えている。

  • 訴訟手続きにより,法的な問題について証言や連絡をするように求められている。

  • 証拠の提出を命じられている。

  • 自発的に文書や情報を提供するように求められている。

  • 判決や仮釈放の審理を含む,訴訟手続きに関して,弁護士や行政当局と連絡を取ることを求められている。

教会指導者が善意であっても,訴訟手続きにおいて情報を共有することで,誤解や不利な結果をもたらす場合があります。そのような情報の共有は,特に被害者とその家族に害を及ぼす可能性があります。また,教会の方針に従えば,教会が法的な問題に不適切に巻き込まれるのを防ぐうえでも役立ちます。

38.8.23.2

法的手続きにおける法廷での証言

教会指導者は,中央法務事務局による事前の承認がなければ,訴訟手続きにおいて教会を代表して法廷で証言することはできません。判決や仮釈放の審理にも,この方針が適用されます。この承認がなければ,教会指導者は,指導者という立場で口頭や書面による証拠を提供することはできません。

指導者は,訴訟手続きにおける自分の証言が,教会の立場を表すものであると示唆したり,ほのめかしたりするべきではありません。

指導者は,いかなる訴訟手続きにおいても,証人の証言に影響を与えるべきではありません。

教会のリーガル・カウンセルの連絡先は,38.8.23に記載されています。

38.8.24

メールボックスの使用

多くの国において,郵便料金未払いの物を住宅の郵便受けの中に入れることや,郵便受けの上に載せることは,郵便法違反となります。この制約事項は,ちらしやニュースレター,お知らせなど,教会に関連するあらゆる資料に当てはまります。教会指導者は,郵便受けの中や上に物を入れたり置いたりしないよう会員や宣教師に指導するべきです。

38.8.25

教会本部と会員との連絡

教会員は,教義上の質問や個人的な問題,要望について,中央幹部に電話や電子メール,手紙で連絡を取ることは控えるように勧められています。個人的に対応することは,中央幹部が各自の義務を果たすのを困難にする可能性があるからです。霊的な導きを求めている会員は,扶助協会会長や長老定員会会長などの地元の指導者に連絡を取るように勧められています(31.3参照)。

ほとんどの場合,中央幹部にあてた会員からの手紙は,地元の指導者に差し戻されることになります。教義上の事柄やほかの教会に関する事柄について説明の必要なステーク会長は,会員に代わって大管長会に手紙を書くことができます。

38.8.26

会員の雇用

教会員は,福音の原則と調和した,良心に基づいて主の祝福を求めることができる職業を探すべきです。これは個人的な問題であり,最終的には会員の判断と祈りによる検討に委ねられます。

38.8.27

障害のある会員

指導者と会員は,自分のユニット内に住むすべての人の必要を満たすように勧められています。障害のある会員は大切な存在であり,有意義な方法で貢献することができます。障害には,知的,社会的,情緒的,身体的な障害があります。

教会員は救い主の模範に従って,障害のある人々に希望を与え,彼らを理解し愛するよう奨励されています。指導者は,障害のある人々と知り合い,心からの関心と思いやりを示すべきです。

また指導者は,障害のある親,配偶者,子供,兄弟姉妹がいるために,特別な助けや配慮を必要とする可能性のある会員を特定します。障害のある人が家族にいる場合,その世話をすることは,やりがいがあると同時に,困難なことでもあります。

指導者は,家族から離れてグループホームやほかの施設に住んでいる障害のある会員を捜し出し,ミニスタリングを行います。

38.8.27.1

障害への認識と理解を増す

指導者,教師,その他の会員は,一人一人の障害や強み,必要を理解するように努めます。また,本人や家族と話をすることで,理解を深めることができます。リソースは,disability.ChurchofJesusChrist.orgで入手することができます。

38.8.27.2

援助を与える

指導者は,障害のある人や介護者の必要を見極めます。また,適切であれば,ワードやステークのリソースをどのように使って必要を満たすことができるか判断します。指導者は,会員が愛と友情をもって助けを与え,手を差し伸べるように励まします。

ビショップリックやステーク会長会は,個人や家族,教師,その他の指導者を支援するために,ワードやステークの障害者スペシャリストを召すことができます。(38.8.27.9参照)。

また指導者は,障害のある人や家族の助けになるであろう適切な地域のリソースを見つけることもできます。

障害のある人の支援について詳しくは,disability.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。指導者は,ファミリーサービスに問い合わせることもできます(利用可能な場合。連絡先については31.3.6を参照)。

指導者や会員は,ある人に障害がある理由や,ある家族に障害のある子供がいる理由を説明しようとするべきではありません。また,障害が神からの罰である(ヨハネ9:2-3参照),あるいは特別な特権であると示唆するべきではありません。

38.8.27.3

儀式を施す

38.2.4を参照してください。

38.8.27.4

奉仕し,参加する機会を与える

障害のある会員の多くは,ほとんどの教会の割り当てを果たすことができます。指導者は,一人一人の能力や状況,希望について祈りをもって考慮したうえで,ふさわしい奉仕の機会を与えます。指導者はまた,本人や家族と話し合い,教会の召しが本人や家族,介護者に及ぼす影響について考慮します(教義と聖約46:15参照)。

障害のある人の介護者への教会の割り当てや召しについて検討する場合,指導者は,介護者の状況を慎重に評価します。

指導者や教師は,障害のある会員をできるかぎりすべての集会やクラス,活動に参加できるようにすべきです。レッスンや話,教授法は各人の必要に合わせたものに調整するべきである。レッスンの調整について詳しくは,disability.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

ビショップリックは,集会や活動で障害のある人を助けるようワードの会員に依頼することができます。障害のある会員がいるクラスでは,ビショップリックは複数の教師を召すことができます。教師は,クラスにいる生徒全員の必要を満たすために協力します。

集会やクラス,活動に参加できない人がいる場合,指導者や教師は,その会員の必要を満たす方法について,本人や家族と話し合うことができます。ステーク会長やビショップは,障害のある会員のために特別なクラスやプログラムを組織することを承認できます(38.8.27.5参照)。教会の集会に出席できない人のために,指導者や教師は,レッスンの資料や録音・録画の提供や,ストリーミング配信を行うことができます。

聖餐会や葬儀を含め,行事のストリーミング配信は,直接出席できない人のみを対象としています(29.7参照)。聖餐を取ることに関する詳しい情報は,18.9.3を参照してください。

指導者は,障害のある神権者に,適切であれば儀式に参加するよう励まします。バプテスマと確認を受けているふさわしい神権者と若い女性は,12歳になる年の1月から,神殿で死者のためのバプテスマと確認の儀式を受けることができます。障害のある会員が自身の神殿儀式を受けることに関する指針については,27.2.1.3および27.3.1.2を参照してください。

38.8.27.5

特別クラス,特別プログラム,特別ユニットを組織する

障害のある会員や特別な支援が必要な会員は,教会のプログラムが組織されている介護施設や居住型療養施設に住んでいる場合を除き,所属ワードで日曜日の集会に出席するように勧められています(37.6参照)。

ユニットとグループ。聴覚に障害があり手話を使う人など,特別な必要を抱えている会員のために,ワードや支部を設けることができます(37.1参照)。承認を行うのは,大管長会のみとなります。

ワードは,手話を使う人など,障害のある人々のためにグループを設けるよう求められる場合があります。そのようなユニットやグループに出席する人々の会員記録に関する情報については,33.6.11を参照してください。

聴覚障害者ユニットからかなり離れた地域に住んでいる聴覚障害のある会員は,そのユニットにオンラインで参加することができます。その場合は,そのユニットの指導者から許可を得ておくべきです。地元のワードの指導者は,聴覚障害のある会員が配慮され,定期的に聖餐を取る機会を得られるように徹底します。

クラス。障害のある会員は,ワードの会員とともに日曜日のクラスに出席します。しかし,同じような障害のある成人や青少年の会員の必要を満たすのに必要な場合,ワードやステークは,特別な日曜学校クラスを編成することができます(13.3.2参照)。

障害者向けの活動プログラム。知的障害のある成人会員の必要を満たすのに必要な場合,ワードまたは複数のワード,ステークまたは複数のステークで,障害者向けの活動プログラムを編成することができます。このプログラムは,地元ユニットでのミニスタリング,日曜日の教会の礼拝行事,活動を補足するものです。

障害者向けの活動プログラムは,通常18歳以上の人々を対象としています。18歳未満の会員に関しては,彼らが所属するワードやステークに溶け込めるようあらゆる努力を行うべきです。通常とは異なる状況において,指導者は,12歳になる年の初めから参加できる青少年向けの補完的な活動を提供することができます。

障害者向けの活動プログラムに複数のワードが参加する場合,ステーク会長は,その活動を監督する代表ビショップを割り当てます。複数のステークが参加する場合は,地域会長会が,その活動を監督する代表ステーク会長を割り当てます。

代表ビショップや代表ステーク会長は,参加しているその他のビショップやステーク会長と相談のうえ,活動プログラムの資金をどのように賄うか決定します。

障害者向けの活動指導者。成人会員は,障害者向けの活動指導者として召すことができます。障害者向けの活動指導者は,障害者向けの活動プログラムを計画し,実施します。また,ワードやステークの障害者スペシャリスト(38.8.27.9参照)と相談して,障害のある会員に参加を呼びかけます。そして,障害のある会員の必要を満たす方法について一緒に話し合います。

障害者向けの活動指導者は,代表ビショップまたは代表ステーク会長の指示の下で,召しと任命を受けます。ステーク会長は,障害者向けの活動指導者として奉仕するよう高等評議員を割り当てることもできます。

自分が奉仕する人たちの年齢にかかわらず,障害のある人に奉仕する指導者は,ProtectingChildren.ChurchofJesusChrist.orgの訓練を修了します。指導者に求められるその他の安全要件については,「障害のある会員向けの活動」を参照してください。

招待された場合,障害者向けの活動指導者はステークまたはワードの指導者集会に出席することができます。

障害者向けの活動プログラムに関する指針。障害者向けの活動プログラムは,参加者の霊的,社会的,身体的,知的成長を助けるために編成されます(ルカ2:52参照)。指導者は活動の頻度を決定します。指導者は参加者の人数,移動距離,およびその他の状況を考慮します。

中には,医学的,身体的,知的,行動的に複雑な事情があり,参加できない人々もいます。指導者は,そのような人々の必要に応じて,ほかの形でミニスタリングを行う方法を探し求めます。

参加と安全に関する基準。すべての活動には,責任ある成人が少なくとも二人,その場にいなければなりません。二人の成人とは,男性二人,女性二人,または一組の夫婦のことです。通常,障害のある会員のための活動を監督するには,ほかの活動に比べてより多くの成人が必要となります。

活動を手伝う成人は,ProtectingChildren.ChurchofJesusChrist.orgで訓練を修了します。また,参加前に所属ワードのビショップから承認を得なければなりません。その他の安全要件については,「障害のある会員向けの活動」を参照してください。

不適切な行動が起きた場合,指導者が直ちに果たすべき責任は,弱者を守り,助けることです。虐待が疑われる場合の対応については,38.6.2.1およびabuse.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

38.8.27.6

聴覚障害のある会員のための通訳

聴覚に障害のある会員は,コミュニケーションにかかわる必要を満たすために,率先して指導者とともに働きます。会員と指導者は,協力して通訳を確保します。

通訳者のいる場所は,話している人だけでなく,会員からも見ることのできる場所にするべきです。

儀式や面接の間,通訳者は儀式執行者や面接を行う人のそばに着席または起立しています。儀式と祝福の通訳について詳しくは,38.2.1を参照してください。

通訳者が十分にいる場合は,疲労を避けるため,約30分ごとに交代します。

個人面接や教会会員資格評議会など,慎重に扱うべき状況での備えとして,神権指導者は聴覚障害のある会員と相談します。会員が望む場合,指導者は内密性を保つために,家族以外の通訳者を探します。

この同じ原則は,聴覚障害があるが手話は使わず,唇を読むための口頭通訳を必要とする会員にも適用されます。

指導者は,自分の地域で用いられている手話を教えるクラスを,ワードやステークで組織することができます。役に立つリソースとして,Dictionary of Sign Language Terms for The Church of Jesus Christ of Latter-day Saints(『末日聖徒イエス・キリスト教会のための手話用語辞典』)があります。

38.8.27.7

プライバシー

指導者は,指導者集会の間でもそれ以外のときも,障害のある会員の必要について話し合う際は,会員のプライバシーを尊重するべきです。指導者は,診断結果やその他の個人情報を許可なく共有してはなりません。

38.8.27.8

介助動物(サービスアニマル)

ビショップやステーク会長は,障害のある人が,訓練を受けた介助犬を集会所で使用できるかどうかを決めることができます。エモーショナル・サポート・アニマル(心の支えとなるペット)を含むその他の動物は,法令によって特に定められていない限り,通常,集会所や教会が主催する行事に連れてくることは認められていません。(一般的にアメリカでは,礼拝堂での介助犬やエモーショナル・サポート・アニマルの同伴を認める法的な義務はありません。)ビショップやステーク会長は,地元でそれを決めます。その際,障害のある人の必要や,集会に出席しているほかの人の必要を考慮します。

教会の施設での介助動物の使用に関するその他の指針については,27.1.3およびdisability.ChurchofJesusChrist.orgを参照してください。

38.8.27.9

障害者スペシャリスト

ビショップリックやステーク会長会は,ワードまたはステークの障害者スペシャリストを召すことができます。スペシャリストは,障害のある会員と介護者が,教会の集会や活動に参加し,受け入れられていると感じられるように支援します。

スペシャリストは,以下の方法で会員と指導者に仕えます。

  • 障害のある人々やその家族と知り合いになる。

  • 介護者や指導者,その他の人々からの障害に関する質問や懸念に対応する。

  • 人々が教会の資料を入手し,集会や活動に参加できるように助ける。これは,テクノロジーやほかの方法を用いることで,実現できます(38.8.27.10参照)。

  • 障害のある人が奉仕するための有意義な機会を見つける。

  • 家族の具体的な必要を見極め,必要に応じて,地域社会やワード,ステークのリソースを見つける。

スペシャリストは,障害のある会員とその介護者が,障害に関する情報をほかの人と共有できるよう助けることができます。

38.8.27.10

リソース

障害のある会員とその家族,世話をしている人,指導者や教師のためのリソースは,disability.ChurchofJesusChrist.orgに掲載されています。このウェブサイトには,以下の情報が提供されています。

  • 障害のある人が直面している問題について理解を深めるのに役立つ情報。

  • 障害のある会員と家族が,イエス・キリストの福音に慰めを見いだす助けとなるリソース。

  • 障害のある会員が利用しやすい形態の教会資料の一覧(store.ChurchofJesusChrist.orgも参照)。

質問は下記に問い合わせて下さい。

Members with Disabilities(障害のある会員)

50 East North Temple Street

Salt Lake City, UT 84150-0024

電話:1-801-240-2477または1-800-453-3860(内線:2-2477)

電子メール:disability@ChurchofJesusChrist.org

38.8.28

犯罪にかかわった会員と収監されている会員へのミニスタリング

教会指導者は,救い主の模範に従って,犯罪の影響を受けている人や収監されている人に,希望と理解と愛を示すように勧められています(マタイ25:34-36,40参照)。

ステーク会長は,刑務所におけるミニスタリングの取り組みを指揮します。この取り組みには,刑務所や拘置所に拘留中の,あるいは最近出所した成人や青少年を支援することが含まれます。また,収監されている親や愛する人を持つ家族や子供の世話をすることも含まれます。

自分のユニットの管轄区域内に刑務所や拘置所がある指導者は,ミニスタリングの機会や必要に気づくための手段を講じるべきです。指導者は,リソースと指針について,以下の教会の Prison Ministry Division(刑務所ミニストリー課)に問い合わせることができます。

電子メール: PrisonMinistry@ChurchofJesusChrist.org

電話:1-801-240-2644または1-800-453-3860(内線:2-2644)

38.8.29

ほかの宗教

ほかの多くの宗教には,心を高め,気高く,最高の敬意を払うのにふさわしい要素が数多く見られます。宣教師やその他の会員は,ほかの人々の信条や伝統に配慮し,敬意を払わなければなりません。また,不快感を与えないようにしなければなりません。

ステーク会長や伝道部会長は,ほかの宗教との関係について質問がある場合,地域会長会に問い合わせるべきです。その他の地元の指導者で,そのような質問がある人は,ステーク会長や伝道部会長に問い合わせるべきです。

38.8.30

政治活動および公民活動

教会員は,政治や政府の業務に参加するように勧められています。多くの国において,これには以下が含まれます。

  • 投票。

  • 政党への入党やボランティア。

  • 財政的支援の提供。

  • 党関係者や候補者とのコミュニケーション。

  • 平和的かつ合法的な抗議活動への参加。

  • 地方自治体や国の行政機関で選出または任命により役職に就く。

会員はまた,地域社会が住みやすく,家族を育てるのに適した場所となるよう,ふさわしい活動に参加するように勧められています。

会員は,地元の法律に従って,登録して投票を行い,様々な問題や候補者についてよく調べるように勧められています。福音に合った原則は,様々な政党で見いだせる場合があります。末日聖徒には,正直で,善良で,賢明な指導者を探し求め,支持するという特別な義務があります(教義と聖約98:10参照)。

教会は,政党,政策綱領,行政官庁の候補者に対して中立の立場をとっています。教会は,どのような政党や候補者をも支持することはありません。また,どのように投票すべきかを会員に助言することもありません。

例外的に,道徳的な問題や教会の慣行が関係している場合,教会は政治的な問題に対して特定の立場を取ることがあります。そのような場合,教会は自らの見解を示すために政治的な言論活動を行うことがあります。以下を行う権限があるのは,大管長会のみです。

  • 道徳的な問題に関する教会の立場を表明する。

  • 教会が特定の法律を支持または反対することを表明する。

  • 司法問題に関する教会の見解を共有する。

地元の教会指導者は,会員を組織して,政治的な問題に携わらせるべきではありません。また,指導者は会員の参加方法に影響を及ぼそうとするべきではありません。

選出や任命により公職に就こうとする教会員は,教会やその指導者に支持されているとほのめかすべきではありません。また,指導者と会員は,教会がいずれかの政党や政策綱領,候補者を支持していると解釈されるような言動を慎むべきです。

政治的な問題に関して特定の立場を取る場合であっても,教会は選挙で選ばれた役人に,特定の方法で投票したり,特定の立場を取るよう求めることはありません。会員の中で,選挙で選ばれた役人は,自分自身で判断を下します。これらの役人は,お互いに意見が異なる場合もあれば,公にされた教会の立場に同意しない場合もあります。役人が,教会を代弁することはありません。

いかなる場合でも,教会において,政治的な選択や所属する政党について教えたり,主張したりするべきではありません。指導者は,教会の集会や活動が,救い主と主の福音に焦点を当てたものとなるようにします。

会員は,政治的な問題についてお互いを裁くべきではありません。忠実な末日聖徒は,様々な政党に所属し,様々な候補者に投票することができます。教会では,だれもが歓迎されていると感じるべきです。

教会の記録,住所録,およびこれらに類する資料を政治目的で利用してはなりません。

教会の施設を政治目的で使用してはなりません。しかし,ほかに適切な場所がない場合,投票所や有権者登録所として使用することができます(35.5.6.3参照)。

38.8.31

会員のプライバシー

教会指導者は会員のプライバシーを守る義務があります。教会の記録,住所録,およびそれに類する資料を,個人的な目的や営利目的,または政治目的で利用してはなりません(38.8.13も参照)。

ワードやステークの指導者は,教会の機密情報を,教会が提供するアプリケーション,システム,インターネットサービス以外の場所に,保管および共有するべきではありません。教会の機密情報の例としては,以下の個人に関する情報があります。

  • 会員資格に関する状況。

  • 物質的な必要。

  • 公表されていないその他の個人情報。

個人や政府機関から個人情報保護法に関して連絡があった場合は,速やかに教会個人情報保護事務所に付託するべきです。

電子メール:DataPrivacyOfficer@ChurchofJesusChrist.org

ワードやステークの指導者は,これらの要請に応じるべきではありません。

当教会の個人情報保護方針については,ChurchofJesusChrist.orgの「プライバシーに関する通知」を参照してください。会員は,ステークやワードの指導者に,この方針を閲覧できるよう助けを求めることもできます。

38.8.32

私的な出版物

会員は,中央幹部や中央役員,地域七十人に,教会に関連する書籍やその他の教会に関連する文書の共同執筆を依頼したり,推薦を求めたりするべきではありません。

38.8.33

中央幹部,中央役員,地域七十人によるメッセージの録音や録画,書き起こし,ストリーミング配信

会員は,中央幹部,中央役員,地域七十人によるメッセージの録音や録画,書き起こし,ストリーミング配信を行うべきではありません。しかし,これらの指導者が話をする集会の中には,ビショップやステーク会長の指示の下にストリーミング配信できるものもあります。詳しくは,29.7を参照してください。

会員は,個人的かつ非営利目的で用いる場合には,家庭用の機器を使って録音や録画をすることができます。

38.8.34

教会と教会員の呼称

教会の名称は,1838年に啓示によって預言者ジョセフ・スミスに与えられました。「わたしの教会は,終わりの時にこのように,すなわち末日聖徒イエス・キリスト教会と呼ばれなければならない。」(教義と聖約115:4)当教会と教会員のことを,以下に記されている方法で呼ぶことは,イエス・キリストと主の教会の会員の間のつながりを明らかにすることになります。

教会について述べるときは,可能であれば常に正式名称を用いるべきです。最初に正式名称を述べた後,短縮した呼称が必要な場合は,以下の言葉が正確であり,これを用いるように推奨されています。

  • 教会

  • イエス・キリストの教会

  • イエス・キリストの回復された教会

教会員について述べる場合,以下の言葉が正確であり,これを用いるように推奨されています。

  • 末日聖徒イエス・キリスト教会の会員

  • 末日聖徒(主が末日に聖約の民に与えられた名称)

  • イエス・キリストの教会の会員

教会員を「モルモン」や「LDS」などの別の称号で呼ぶことは推奨されていません。

「モルモン」は,「モルモン書」などの固有名で用いるのが正しい用法です。「モルモン・トレイル」のような,歴史的表現の形容詞として用いるのも正しい用法です。

「モルモン教」という言葉は不正確であり,これを用いることは推奨されていません。教会特有の教義や文化,生活様式を合わせて説明する場合,「回復されたイエス・キリストの福音」という言葉が正確であり,推奨されています。

38.8.35

難民

多くの人々が,暴力や戦争,宗教的迫害,生命を脅かす状況からの救済を求めて故郷を逃れています。教会員は,助けの必要な人々の世話をする責任(モーサヤ4:26参照)の一環として,難民を地域社会の会員として迎え入れるために,自分の時間,才能,友情を提供します。マタイ25:35ChurchofJesusChrist.org/refugees参照。

38.8.36

教会財政支援の要請

教会では様々なプログラムが設けられており,助けの必要な人々や適切な取り組みに対して,経済的な援助を行っています。

助けの必要な会員に対する教会の援助は,ビショップが実施します(22.3.2参照)。ビショップは,教会基金が適切に使用されるようにするために,定められた原則と方針に従います(22.4および22.5参照)。

助けの必要な会員は,教会本部に連絡したり,ほかの教会指導者や会員に金銭を求めたりするのではなく,自分のビショップに相談するように勧められています。ビショップは,長老定員会や扶助協会の指導者に,必要性を見極める手助けをするよう依頼することになります。

38.8.37

教会における調査

教会の調査は,信頼できる情報を集めて,中央の教会指導者が行う審議のサポートをすることを目的としています。コーリレーション・リサーチ課(Correlation Research Division,CRD)は,教会で唯一の承認された調査機関です。CRDは,第三者機関と契約して調査を行うこともできます。

教会が承認した調査員が,会員や指導者に連絡を取る際には,CRD職員の連絡先の情報を提供します。この職員は,調査に関する質問に答えることができます。

CRDは,調査参加者の身元と回答を保護するように努めています。参加者は,いつでも参加を拒否することができます。また,幾つかの,またはすべての質問に答えないという選択をすることもできます。

親や保護者の同意がなければ,調査に参加するよう18歳未満の子供に依頼することはできません。

地元の指導者は,教会に関連するいかなる調査も承認するべきではありません。これには,会員を調査対象に用いることも含まれます。

CRDは,個人情報保護に関するすべての法律を遵守しています。地元の指導者もこれらの法律に従うべきであり,認可されていない調査機関や調査機関に,会員の個人情報を提供するべきではありません。

調査によっては,教会の集会で情報を収集する必要があるものもあります。調査の焦点が集会である場合は,特にそうなる可能性があります。そのような場合,CRDは地元の指導者と協力して,調査員の存在が集会の妨げにならないようにします。

調査依頼について確認するには,下記のコーリレーション・リサーチ課に問い合わせてください。

電話:1-801-240-2727または1-800-453-3860(内線:2-2727)

電子メール: research@ChurchofJesusChrist.org

38.8.38

福音を分かち合うことに関する地元の制限を尊重する

教会は,全世界に福音を携えて行くようにというイエス・キリストの戒めを果たすために活動しています(マタイ28:19参照)。宣教師は,地方自治体によって公式に認められ,歓迎されている国でのみ奉仕しています。

教会とその会員は,伝道活動に関するすべての法律と要件を尊重します。例えば,世界の地域によっては,人道支援やほかの特別な任務のためだけに宣教師が派遣されています。こうした宣教師は,布教活動を行いません。教会が宣教師を派遣していない国も存在します。

38.8.39

教会福祉および自立支援事業における安全性

教会の福祉・自立事業の多くは,正しく扱わないとけがをする可能性のある設備や機械を所有しています。代表ステーク会長(または代表ステーク会長から割り当てを受けた人)とこれらの事業のマネージャーは,職員とボランティアの安全を確保するべきです。

作業に携わる人々には,定期的に安全操作について指導を行うべきです。作業環境は,定期的に点検する必要があります。そして,健康と安全にかかわる危険があれば,それを正す必要があります。作業に携わる人々が指示に従い,工具や機器を正しく扱い,危険な行動を避けるように,常に適切な監督を行うべきです。

通常,これらの事業で働く人は16歳以上であるべきです。機器を操作する人は,成熟しており,適切な訓練を受け,その機器を使用する経験を積んでいるべきです。動力付きの機器を操作できるのは,成人だけです。

事故が発生した場合,その事業のマネージャーは下記の連絡先に報告してください。

  • 福祉・自立サービス:1-801-240-3001または1-800-453-3860(内線:2-3001)

  • 教会本部の危機管理課(連絡先の情報については20.7.6.3を参照)

38.8.40

聖文

38.8.40.1

聖書の版

教会は,モルモン書および現代の啓示における主の教義とよく合致する聖書の版を特定します(信仰箇条1:8参照)。その後,教会員が話す多くの言語において,推奨する聖書の版が選ばれます。

一部の言語では,教会が独自の聖書を出版しています。教会が出版している版は,標準的な聖書の原文に基づいています。例として,以下のような版があります。

  • 英語の「欽定訳聖書」。

  • スペイン語の「レイナ・バレラ」(2009年)。

  • ポルトガル語の「アルメイダ」(2015年)。

教会が出版している聖書には,脚注,主題別索引,その他の学習支援資料が含まれています。

会員は可能なかぎり,教会のクラスや集会で,聖書の推奨版や教会が出版している版を使用するべきです。これによって,話し合いが明確になり,教義を一貫して理解する助けになります。聖書のほかの版は,個人学習や学術的な研究に役立つ場合があります。

38.8.40.2

聖文の翻訳

主は,預言者と使徒たちに,聖文を安全に保存するように指示されました(教義と聖約42:56参照)。大管長会・十二使徒定員会評議会は,教会の聖文の翻訳を厳密に監督しています。承認された手順を用いることで,教義上の正確さを確保し,テキスト起源の証拠を保存する助けとなります。

地域会長会は,聖文の新しい翻訳を求める公式要請を教会コーリレーション部に提出します。

38.8.40.3

聖文の現代語訳

大管長会・十二使徒定員会評議会は,聖文を現代語やくだけた言語に翻訳または書き換える取り組みを承認していません。この見解は,子供向けの教会出版物には適用されません。

38.8.40.4

聖文へのアクセス

印刷された聖文(推奨されている聖書の版を含む)は,教会ディストリビューション・サービスから入手できます。推奨されている聖書の版は,地元の書店やオンライン,聖書のモバイルアプリからでも入手できます。教会が出版している版と推奨している版の電子テキストや音声は,「福音ライブラリー」アプリやscriptures.ChurchofJesusChrist.orgで利用できます。これらのリソースには,言語別に利用できる聖句のリストも載っています。

38.8.41

信頼できる情報源から情報を得る

今日の世の中では,情報は簡単にアクセスして,共有できます。これは教育や情報を求める人にとって,すばらしい祝福となり得ます。しかし,情報源の多くは信憑性に欠け,人を高めるものではありません。一部の情報源は,怒りや論争,恐怖,根拠のない陰謀論を助長しようとします(3ニーファイ11:30モーサヤ22:32参照)。このため,教会員が真理を求める際には,賢明であることが重要です。

教会員は,信頼できる,信憑性のある,事実に基づいた情報源のみを探し出して,共有するべきです。また,憶測やうわさに基づいた情報源は避けるべきです。会員にとって,入念に調べるだけでなく,聖霊の導きを受けることが,真理と誤りとを見分けるうえで助けとなります(教義と聖約11:1245:57参照)。教義と教会の方針に関しては,聖典,生ける預言者の教え,『総合手引き』が信頼できる情報源となります。

38.8.42

セミナーとそれに類する集会

教会は,以下のような提示内容を含むセミナーやそれに類する集会について会員に警告を発しています。

  • 神聖な事柄について中傷または嘲笑している,あるいはその他不適切な扱いをしている。

  • 教会に損害を与えたり,教会の使命を貶めたり,会員や指導者の福利を危うくしたりする可能性がある。

会員は,教会における自らの職や立場を,そのような集会を宣伝するため,あるいは推薦していると思わせるために利用されないようにするべきです。

詳しくは,35.538.6.1238.7.8を参照してください。モルモン書ヤコブ6:12も参照してください。

38.8.43

病院や介護センターにいる会員への支援

指導者は,ユニット内の病院や介護センターにいる会員を支援します。また,施設が定めた指針に従います。

これらの施設にいる会員のための聖餐の執行については,18.9.1を参照してください。ワードや支部の設立について詳しくは,37.6を参照してください。

38.8.44

課税対象となる活動

ワードならびにステークの指導者は,地元の教会活動によって非課税措置が適用されている教会の立場を危うくすることのないように注意するべきです。指針については,34.8.1を参照してください。

38.8.45

税金

教会員は,自分が居住する国の税法に従わなければなりません(信仰箇条1:12教義と聖約134:5参照)。税法に同意できない会員は,自国の法律が許す限り,これに異議を申し立てることができます。

教会員が以下を行っている場合,法律や教会の教えに抵触しています。

  • 意図的に必要な税金を払うのを怠る,あるいは拒否する。

  • 納税を避けるために,軽薄な法的議論を行う。

  • 税金の支払いを求める税務手続きの最終判決に従うことを拒否する。

このような会員は,有効な神殿推薦状を所持できない可能性があります。また,教会の指導的な立場に召すべきではありません。

会員が税法に違反して重罪判決を受けた場合,教会会員資格評議会が必須となります(32.6.1.5参照)。

38.8.46

移動に関する方針

男性と女性は,二人が結婚しているか,どちらも独身である場合を除き,教会の活動や集会,割り当てのために二人きりで移動するべきではありません。移動に関するその他の方針については,20.7.7を参照してください。

38.9

軍人関係とチャプレンサービス

ステーク会長およびビショップは,軍務に就いている会員が教会に出席することで得られる祝福を享受できるように助けます。教会の軍人関係・チャプレンサービスプログラムは,下記の項目で構成されています。

  • ステークとワードからの支援。

  • 軍に入隊する会員のための教会オリエンテーション。

  • ワード,支部,末日聖徒軍人会員グループの組織。

  • 末日聖徒のチャプレンの推薦とチャプレンからの支援。

  • 軍隊でのガーメントの着用方法に関する情報。

  • 特定の軍事施設に割り当てられたシニア夫婦宣教師からの支援。

38.9.1

ステークにおける軍人関係のリーダーシップ

ステーク内に軍事施設があるか,軍務に就いている会員がいる場合,ステーク会長会は,本セクションで概説されている責任を負います。そのような施設がステークではなく伝道部内にある場合,伝道部会長がこれらの責任を果たします。

ステーク会長会の一員は,ステークにおける入隊前の教会オリエンテーションを監督します。また,軍に入隊するすべての会員が確実にオリエンテーションを受けられるようにします。ステーク幹部書記は,このオリエンテーションの調整を行うことができます(38.9.3参照)。

38.9.1.1

軍事施設での教会の礼拝

教会の礼拝が軍事施設で行われる場合,その施設があるステークの会長は,軍人とその家族のために,以下のいずれかを組織します(38.9.4参照)。

  • ワードおよびビショップリック(大管長会から承認を受けた場合)

  • 支部および支部会長会

  • 軍人会員グループおよび軍人会員グループリーダーと補佐

ステーク会長は,これらのユニットの指導者を召して任命し,監督します。また,教会の軍人関係・チャプレンサービス課にこれらの指導者の連絡先の情報を伝えます。また,それぞれの軍人会員グループを支援するワードを指定できます。

ステーク会長は,軍人関係・チャプレンサービス課と協力して,各ビショップ,支部会長,グループリーダーに任命の手紙を交付します。この手紙は,各自の責任を概説し,ユニットの管理と集会の実施を承認するものです。施設のチャプレンにこの手紙の写しを渡すべきです。

アメリカの軍は,チャプレンが軍事施設で行われる宗教行事を監督するように求めています。軍事施設に末日聖徒のチャプレンがいる場合,彼は通常,そこに集う教会ユニットにそのような監督を行います。チャプレンは,自身がビショップや支部会長,グループリーダーでないかぎり,礼拝行事を管理することはありません。しかし,出席し,参加するように期待されています。

ステーク会長会の一員は,ステーク内の各軍事施設にいる先任チャプレンと調整を行います。また,軍事施設が管轄区域内にあるワードのビショップも同じように調整を行うようにします。これらの指導者はチャプレンに,ワードの集会スケジュールや集会場所,連絡窓口を伝えます。チャプレンは,施設にいる会員にこの情報を提供することができます。

38.9.1.2

ステーク内の末日聖徒チャプレン

ステーク会長は毎年,ステーク内に住んでいる末日聖徒チャプレン一人一人と面接を行います。そして,チャプレンの健康状態や奉仕するふさわしさについて判断します。また,ステーク会長は毎年,各チャプレンの配偶者とも個別に面接します。

末日聖徒のチャプレンとその配偶者は,ワードやステークの召しを持つべきです。メルキゼデク神権を持つチャプレンは,高等評議員の召しや,軍人ワード,支部,軍人会員グループを管理する召しなど,指導者としての召しを受けて奉仕することができます。しかし,この召しが軍務に相反するものとなってはなりません。

チャプレンは,ステーク会長を以下の方法で補佐することができます。

  • 軍事施設で集会を開いている教会ユニットについて,ステーク評議会集会で報告する。この報告には,新会員や教会に再び集うようになった会員についての情報を含めるべきです。

  • 軍の指導者とステーク会長との間の連絡係としての役割を務める。

  • ステーク会長が,軍務に就いている会員の中から軍人会員グループリーダーとして召す人を見つけるのを助ける。

  • 軍務に就いている新会員や教会に再び集うようになった会員を強めるための取り組みを支援する。

  • 軍務に就いている会員が神聖な儀式を受け,聖約を守る備えができるように助ける。

38.9.2

ワードにおける軍人関係におけるリーダーシップ

ビショップリックの一員は,ワードの会員が入隊する前に本人と面談を行います。また,その会員が入隊前の教会オリエンテーションに出席する機会を得られるようにします(38.9.3参照)。

軍に入隊する会員の会員記録について詳しくは,33.6.9を参照してください。会員の中には,遠隔地や孤立した場所で任務につく人や,交戦地帯に配属される人もいます。そのような場合,ビショップは,教会の軍人関係・チャプレンサービス課に連絡して,会員記録に関して指示を求めます(38.9.10参照)。

所属ワードの指導者は,軍務に就いているワードの各会員と定期的に連絡を取るべきです。

ビショップは,ワード内の各軍事施設にいる先任チャプレンと調整を行います。

38.9.3

入隊前の教会オリエンテーション

入隊前の教会オリエンテーションは,軍務に就く予定の会員が,軍隊における教会の礼拝行事や活動について想定されることを学ぶ助けになります。オリエンテーションは,ステークまたはワードレベルで行うことができます。

ステーク会長会またはビショップリックの一員は,入隊前の指導を行う講師を召して,このオリエンテーションを実施します。この講師は,最近まで軍隊生活を経験した人が望ましいでしょう。適任となる講師がいない場合,ステーク会長またはビショップは,軍人関係・チャプレンサービス課に連絡して指示を求めます。

詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgの「Pre–Military Service Church Orientation」(「入隊前の教会オリエンテーション」)を参照してください。

38.9.4

軍人会員のための教会ユニット

軍務に就いている会員は,通常,軍事施設の近くにあるワードに出席します。ただし,以下のような状況においては,ステークまたは伝道部の会長が,軍事施設にいる軍人会員とその家族のために,ワード,支部,または軍人会員グループを組織することができます。

  • 軍事施設からほどよい距離内にワードがない。

  • 軍人が地元のワードで話されている言語を理解できない。

  • 軍人が訓練上の要件またはその他の規制のために軍事施設から出られない。

  • 会員の所属部隊が,次のいずれかに該当する場所に配属されている,または配属される予定である。

    • 教会が組織されていない。

    • 言語が異なるため,地元の教会ユニットが会員に対応できない。

    • 地元の集会への出席が実現不可能である。

  • 予備軍や州兵の部隊に所属する教会員が,週末の訓練や年次演習に参加している。

軍事施設のワードおよび支部の設立は,第37章に概説されている手続きに従って行われます。

通常,ワードや支部は,軍人会員とその家族の両方を支援するために設立します。ワードや支部は,家族のいない軍人会員のために設立することもできます。そのようなユニットは,基礎訓練や上級訓練に参加している会員や,遠隔地での任務に就いている会員のために設立することができます。軍は,軍事施設を使用するワードや支部に,軍と関係のない教会員が所属することを通常は認めていません。

会員数やその他の事情により,軍事施設にワードや支部を設立することが適切でない場合,ステークまたは伝道部の会長は,軍人会員グループを設けることができます。軍人会員グループは,教会の集会を行い,会員の世話をする小規模の教会ユニットです。グループリーダーは神権の鍵を持っていません。このため,什分の一や献金を受け取ったり,重大な罪について会員に助言を与えたり,会員特権を制限したり,鍵を必要とするその他の責務を果たしたりする権限がありません(37.7を参照)。軍人会員グループについて詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgの「Service Member Groups and Responsibilities of Group Leaders」(「軍人会員グループとグループリーダーの責任」)を参照してください。

軍事施設に教会ユニットが設けられている場合,ユニットの指導者は,集会時間や基地施設の利用に関して,施設の先任チャプレンと調整を行います。基地に割り当てられている施設チャプレンがいない場合,ステーク会長は司令官と相談します。

38.9.5

遠隔地域または交戦地帯におけるグループリーダー

ステーク会長または伝道部会長は通常,軍人会員グループリーダーを召して,任命します。しかし,一部の遠隔地や交戦地帯では,それができない場合があります。グループリーダーは,その召しとともに神権の鍵を与えられることはないので,按手任命がなくても指名が認められます。その場所について責任を受けている神権指導者は,ふさわしいメルキゼデク神権者をグループリーダーとして奉仕するように指名することができます。まず,ビショップとステーク会長に,その男性のふさわしさについて確認します。その地域に末日聖徒のチャプレンがいる場合,神権指導者は,グループリーダーの召しと任命を行う権限をチャプレンに与えることができます。

孤立した場所にいる軍人会員グループリーダーは,教会の軍人関係・チャプレンサービス課に連絡して,教会の物資や資料を入手することができます(38.9.10参照)。

時には,配属された軍人会員が,ほかの教会員から孤立することがあります。その軍人会員がメルキゼデク神権を持っているか,アロン神権の祭司である場合,ビショップはその会員に,聖餐を執行して聖餐を取る許可を与えることができます。配属された場所に会員が複数いる場合は,グループリーダーを召すべきです。

グループリーダーが召されたら,教会の軍人関係・チャプレンサービス課に通知するべきです。その後,指名の手紙がグループリーダーに送付されます(38.9.1.1参照)。

38.9.6

伝道と兵役

兵役が義務付けられている国では,教会員は通常,伝道に出る前に兵役を終えなければなりません。国によっては,伝道後まで兵役の義務を延期することが認められる場合があります。ステーク会長とビショップは,会員に適切な助言ができるように,自国の必要条件をよく理解しておくべきです。予備軍や州兵部隊に属している会員は,基礎訓練と上級訓練を終えた後に伝道に出ることができます。

詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgの「Missionary Service and Military Obligations」(「伝道と兵役」)を参照してください。

38.9.7

末日聖徒のチャプレン

教会の軍人関係・チャプレンサービス課は,政府および民間の様々な組織で奉仕する男性および女性のチャプレンについて,中央からの保証・推薦を与えます。これらの組織には,以下が含まれます。

  • 軍隊

  • 病院

  • ホスピス

  • 刑務所

  • 拘置所

  • 警察署および消防署

  • 国境警備隊

  • 市民団体および退役軍人協会

  • 単科大学や総合大学。

各組織はチャプレンに対して,教育および職務の必要条件を独自に定めています。ほとんどの組織では,末日聖徒のチャプレンとして務める前に,教会の推薦が必要となります。教会の軍人関係・チャプレンサービス課が,末日聖徒のチャプレン全員に対して推薦を与えます。ビショップやステーク会長からの推薦状では十分ではなく,そのような推薦を与えるべきではありません。

末日聖徒のチャプレンの務めは以下のとおりです。

  • 末日聖徒を含むあらゆる信仰をもつ人々に仕える。

  • 個人の信教の自由を確保する。

  • 仕える人々の宗教上の必要を満たせるように,あるいはそれに対応できるように助ける。

詳しくは,ChurchofJesusChrist.orgの「Latter-day Saint Chaplains」(「末日聖徒のチャプレン」)を参照してください。

38.9.8

軍務に就いている間のガーメントの着用

38.5.6を参照してください。

38.9.9

シニア夫婦宣教師

退役軍人の夫婦は,特定の軍事基地で軍人関係宣教師として奉仕する召しを受けることができます。退役軍人の夫婦は,地元の神権指導者を補佐して,新会員や教会に再び集うようになった会員を強めます。また,家族が離れて暮らしている間,配属された軍人会員の家族を支援します。

38.9.10

その他の情報

軍人会員の会員記録について詳しくは,33.6.9を参照してください。

軍人会員の祝福師の祝福について詳しくは,38.2.10.3を参照してください。

孤立した場所での軍人会員の聖任について詳しくは,38.2.9.6を参照してください。

孤立した場所での神殿推薦状の発行について詳しくは,26.3.2を参照してください。

教会指導者は,軍関係について質問があれば,下記に問い合わせることができます。

Military Relations and Chaplain Services Division(軍人関係・チャプレンサービス課)

50 East North Temple Street, Room 2411

Salt Lake City, UT 84150-0024

電話:1-801-240-2286

電子メール: pst-military@ChurchofJesusChrist.org