手引きと召し
33. 記録と報告書


「33. 記録と報告書」『総合手引き—末日聖徒イエス・キリスト教会における奉仕』

「33. 記録と報告書」『総合手引き』

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コンピューターを見ている男性

33.

記録と報告書

33.0

はじめに

本章の手順は,一般に,教会のオンライン記録管理ツール(「指導者と書記のためのリソース」(LCR),「会員ツール」,「ワードの住所録と地図」など)を利用しているユニットに適用されます。これらのツールを利用できないユニットは,グローバルサービス部またはエリアオフィスと協力して働くべきです。

主の教会において,記録の作成は常に重要視されてきました。以下はその例です。

アダムは「覚えの書」を記しました(モーセ6:5)。

モロナイは,バプテスマを受けてキリストの教会に入った人々の名前が記録されたのは,「彼らが覚えられ,神の善い言葉で養われ……るため」であると教えました(モロナイ6:4)。

ジョセフ・スミスは,「主の御前に正確に記録を残す」ために,各ワードに記録者を召すべきであると指示しました(教義と聖約128:2)。ジョセフはまた,「地上で記録することは何でも天で記録され,またあなたがたが地上で記録しないことは天でも記録されない」(教義と聖約128:82-9節も参照)と書いて,勤勉に記録を作成することの重要性を強調しました。

33.1

教会記録の概要

教会の記録は神聖なものです。記録に含まれている情報は,慎重に扱い,保護すべきものです。教会の記録システムは,召しに基づいて会員情報へのアクセス権を付与します。アクセス権を付与された人だけが,システムにアクセスするべきです。この情報は,自分の召しに関する特定の目的のためだけに用いるべきです(33.8参照)。

記録は,以下の面で指導者の助けになります。

  • 特別な配慮が必要な人を特定する。

  • 救いの儀式に関して,すでに受けている儀式と,必要と思われる儀式を特定する。

  • 会員の所在地を見つける。

教会のユニットには,以下のような記録が保管されています。

  • 会員の参加状況に関する報告書(33.5参照)

  • 会員記録(33.6参照)

  • 歴史記録(33.7参照)

  • 財政記録(第34章参照)

33.2

書記に関する一般的な指示

書記は皆,高潔さにおいて疑問の余地がなく,主の戒めに従っている人物であるべきです。また,以下のような人物であるべきです。

  • 有効な神殿推薦状を所持している。

  • 注意深く記録をつけることができる。

  • 有能な教師であり,管理者である。

書記は,教会基金を守り,教会の記録を正確に作成するために,現行の方針に注意深く従います。書記は,不正行為はいかなるものでも,直ちに神権指導者に知らせます。不正行為を解決するうえで困難が生じた場合,書記は,教会本部の内密記録事務局に連絡するべきです。連絡先は以下のとおりです。

電話:1-801-240-2053または1-800-453-3860(内線:2-2053)

フリーダイヤル(グローバルサービス部電話):855-537-4357

電子メール: ConfidentialRecords@ChurchofJesusChrist.org

書記の奉仕の任期は,書記が自分の義務を学び,業務の継続性を保つのに十分な期間であるべきです(30.5参照)。書記は,ステーク会長会やビショップリックの一員ではないため,ステーク会長会やビショップリックが再組織されるときに,解任する必要はありません。

33.3

ステークの記録と報告書

33.3.1

ステーク会長会

ステーク会長は,ステークにおける記録作成を監督します。この業務の大部分は,顧問や書記に委任することができます。また,顧問や書記が,教会の現行の方針と手続きに確実に従うようにします。

33.3.2

ステーク書記

すべてのステークには,適正のある有能なステーク書記を置くべきです。ステーク書記は,ステーク会長会の一員が,召しと任命を行います。ステーク書記は,有効な神殿推薦状を所持しているメルキゼデク神権者であるべきです。また,ステーク評議会の一員であり,29.3にあるように,ステークの集会に出席します。

ステーク書記は,ステーク会長会から指示を受け,会長会の指示の下で働きます。ステーク書記を助けるために,ステーク書記補佐を召すことができます(33.3.3参照)。

33.3.2.1

記録作成に関する責任

ステーク書記または割り当てを受けた書記補佐は,以下の責任を負っています。

  • 管理業務においてステーク会長会を支援する。

  • ステーク指導者会で行われた割り当てや決議事項を記録する。

  • 割り当てをフォローアップする。

  • 記録と報告書が正確かつ期日通りに作成されるようにする。

ステーク書記は,教会の記録管理ツールに精通するべきです(33.0参照)。また,これらのツールを使って,指導者が以下を特定できるように助けます。

  • 会員や組織が必要としている事柄。

  • 利用できるリソース(財政を含む)。

  • ステークの傾向,強み,弱点。

  • 懸念事項。

その他の記録作成業務には,以下が含まれます。

  • メルキゼデク神権の聖任が適切かつ速やかに記録されるようにする。

  • 神殿推薦状を有効化する。

  • 宣教師申請書に医療に関する情報を追加する。

  • ステーク大会のために,「役員の支持」フォームと「ステーク大会報告書」を用意する。

  • ワードの新設や閉鎖,境界線の変更に伴うワード記録の移管を監督する。

  • ステーク会員資格評議会に関する情報を記録する(32.9.6参照)。

  • 財政記録を保持する(34.1.2参照)。

33.3.2.2

ワードの記録と報告書の点検

ステーク書記は,新しいワード書記が召された後すぐに,各ワード書記と会合を持ちます。ワード書記とは,必要に応じて何度でも,少なくとも年に二回は会合を持ちます。これらの会合は,以下を確認するために行います。

  • 什分の一とその他の財政記録が適切に記録されている(34.1.2および34.2.2参照)。

  • 会員記録が迅速かつ正確に更新されている。

  • ワード書記が教会の記録管理ツールに精通している。

  • 祝福,バプテスマと確認,神権の聖任の証明書が,ワードの会員に渡されている。

  • 年次会員記録監査が実施され,すべての監査指摘事項が速やかに是正されている(33.6.19参照)。

  • ワードの年次歴史記録が毎年末にステークに提出されている(33.7参照)。

33.3.2.3

監査

33.6.19および34.7を参照してください。

33.3.2.4

ステーク歴史記録

33.7を参照してください。

33.3.3

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ステーク書記補佐

ステーク会長または割り当てを受けた顧問は,必要に応じて,一人または複数のステーク書記補佐を召し,任命することができます。これらの兄弟は,有効な神殿推薦状を所持しているメルキゼデク神権者であるべきです。ステーク書記補佐は,ステーク会長会とステーク書記の指導の下で働きます。

必要に応じて,以下の各役職に書記補佐を一名ずつ召すことができます。

  • ステーク書記補佐

  • ステーク書記補佐—財政(34.1.2参照)

  • ステーク書記補佐—会員記録(33.5および33.6参照)

33.4

ワードの記録と報告書

33.4.1

ビショップリック

ビショップは,ワードにおける記録作成を監督します。この業務の大部分は,顧問や書記に委任することができます。また,顧問や書記が,教会の現行の方針と手続きに確実に従うようにします。

33.4.2

ワード書記

すべてのワードには,適正のある有能なワード書記を置くべきです。ワード書記は,ビショップリックが推薦し,ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員が召して任命します。ワード書記は,有効な神殿推薦状を所持しているメルキゼデク神権者であるべきです。また,ワード評議会の一員であり,29.2にあるように,ワードの集会に出席します。

ワード書記は,ビショップリックとステーク書記から指導を受けます。また,ビショップリックの指示の下で働きます。ワード書記を助けるために,ワード書記補佐を召すことができます(33.4.3参照)。

33.4.2.1

記録作成に関する責任

ワード書記または割り当てを受けた書記補佐は,以下の責任を負っています。

  • 管理業務においてビショプリックを支援する。

  • ワード指導者会で行われた割り当てや決議事項を記録する。

  • 割り当てをフォローアップする。

  • 記録と報告書が正確かつ期日通りに作成されるようにする。

  • 追認が必要な儀式を特定する(38.2.6および18.10.3を参照)。

ワード書記は,教会の記録管理ツールに精通するべきです(33.0参照)。また,これらのツールを使って,指導者が以下を特定できるように助けます。

  • 会員や組織が必要としている事柄。

  • 利用できるリソース(財政を含む)。

  • ワードの傾向,強み,弱点。

  • 懸念事項。

書記は,会員の参加状況に関する報告書をまとめる際,各組織の書記と協力して小さな問題を解決します。重大な問題については,ビショップに相談します。

ワード書記やワード書記補佐は,「会員ツール」アプリで会員情報を見る方法を会員に教えます。また,依頼された場合,印刷した控えを提供することもできます。ワード書記は,会員情報に誤りがあれば報告するよう会員に勧めます。

その他の記録作成業務には,以下が含まれます。

  • 儀式が適切かつ迅速に記録されるようにする。

  • ワード大会のために「役員の支持」フォームを準備する。

  • ワード会員資格評議会に関する情報を記録する(32.9.6参照)。

  • 財政記録を保持する(34.2.2参照)。

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乳児の祝福

33.4.2.2

各組織の書記を指導する

ワード書記は,ワード書記補佐や,定員会および各組織の書記を指導します。また,教会の記録管理ツールの情報がどのような助けになるか理解できるように,指導者を助けます。

この指導は,以下のような場合,特に重要となります。

  • ワード書記補佐,ならびに定員会や各組織の書記が新たに召されたとき。

  • 教会の記録管理ツールが導入または更新されたとき。

  • 記録が正しく入力されていないとき。

33.4.2.3

ワード歴史記録

33.7を参照してください。

33.4.3

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ワード書記補佐

必要に応じて,ワード書記補佐を召すことができます。ワード書記補佐は,ビショップリックが推薦し,ステーク会長会の一員または割り当てを受けた高等評議員によって召され,任命されます。これらの兄弟たちは,メルキゼデク神権者またはアロン神権者であるべきです。また,有効な神殿推薦状を所持しているべきです。財政を担当するワード書記補佐は,メルキゼデク神権を持っているべきです。ワード書記補佐は,ビショップリックとワード書記の指導の下で働きます。

必要に応じて,以下の各役職に書記補佐を一名ずつ召すことができます。

  • ワード書記補佐

  • ワード書記補佐—財政(34.2.2参照)

  • ワード書記補佐—会員記録(33.5および33.6参照)

33.4.4

神権指導者および組織の指導者

定員会および各組織の指導者は,各組織における記録作成を監督します。また書記に,この業務の大部分を行うように割り当てることができます。指導者は書記と協力して,記録と報告書が正確かつ期日通りに作成されるようにします。

33.5

会員の参加状況に関する報告書

会員の参加状況に関する報告書は,指導者が会員の進歩状況と必要としている事柄に焦点を当てる助けとなります。可能であれば,これらの報告書は印刷するのではなく,電子的に確認するべきです。印刷した報告書が必要な場合,会員のプライバシーを尊重し,地元のデータ保護法を遵守するために,慎重に管理する必要があります。

33.5.1

報告書の種類

33.5.1.1

出席報告書

聖餐会および日曜日の神権会や各組織の集会への出席は,LCRや「会員ツール」を使って電子的に記録します。

聖餐会。聖餐会への出席は,ワード書記またはワード書記補佐が毎週記録します。この人数は,訪問者を含め,集会に直接またはオンラインで出席した人の数です。別の割り当てがあって出席していないワードの会員や別のワードに出席した会員は,本人が出席したワードで記録されます。

日曜日の定員会と各組織の集会。出席状況は,定員会と各組織の書記やアドバイザーが毎週記録します。青少年の指導者も,出席状況の記録を手伝うことができます。この人数は,訪問者を含め,集会に直接またはオンラインで出席した人の数です。ワード内の初等協会で,あるいは青少年の指導者として奉仕している会員も,出席者に含めます。別のワードに出席している会員は,本人が出席したワードで記録されます。

ワード書記は,どの組織についても,代理で出席状況を記録することができます。

33.5.1.2

ミニスタリング面接報告

21.3を参照してください。

33.5.1.3

四半期報告書

報告書の数字はすべて,個々の必要を抱えた実在の人物を表しています(ヒラマン15:13参照)。指導者は,助けを必要としている人について検討する際に,主の導きを求めます。

四半期報告書」には,指導者がミニスタリングの取り組みについて霊感を求める際にヒントとなるような有益な情報が含まれています。この報告書は,「会員ツール」やLCRで閲覧できます。

ステークやワードの指導者は,個人の進歩状況を確認するために,「四半期報告書」を定期的に参照します。この報告書には,以下の情報が含まれています。

  • エンダウメントを受けた会員と青少年の神殿推薦状の状況。

  • 18歳から25歳までの男性で,現在伝道中の人,またはすでに帰還した人。

  • ミニスタリング面接の状況(21.3参照)。

  • メルキゼデク神権を受ける備えをするために支援が必要な長老見込み会員。

  • 子供,青少年,ヤングシングルアダルト,成人の日曜日の集会への出席状況(33.5.1.1参照)。

  • 過去12か月以内にバプテスマと確認を受けた新会員の進歩状況。

出席状況やミニスタリング面接はすべて,「会員ツール」やLCRで記録します。この情報は,「四半期報告書」の対応箇所に自動的に転送されます。

各ワードは「四半期報告書」を作成し,教会本部に提出します。書記はビショップと一緒にこの報告書を確認し,各四半期の最終月の翌月15日までに提出します。

ステーク会長会は,各ワードが提出した「四半期報告書」を確認することができます。これは進歩状況を把握し,支援や指導が必要な箇所を知るのに役立ちます。ステーク評議員も,各「四半期報告書」を閲覧することができます。

33.5.2

会員リスト

指導者は教会の記録管理ツールを利用して,会員リストにアクセスすることができます。このリストは,指導者が以下を確認するのに役立ちます。

  • 適格な儀式をまだ受けていない会員。

  • 伝道に出る資格のある若い男性と若い女性。

  • 有効な神殿推薦状を持っていない青少年。

  • ビショップリックの一員との面談予定を立てる必要のある青少年。

定員会指導者と組織の指導者は,各自の定員会または組織に属する会員のリストを入手できます。

33.6

会員記録

会員記録には,会員の名前,連絡先,儀式の詳細,その他の重要な情報が記載されています。ワードは,管轄区域内に居住する会員一人一人の会員記録を保持するべきです。

会員記録は,会員が居住する区域のワードで保管するべきです。例外はほとんどありませんが,それには関係するビショップとステーク会長の同意が必要です。例外を申請するには,ステーク会長がLCRを使って大管長会事務局に申請書を提出します。

会員記録は,教会の永久記録の中に儀式とその他の公的事項を記す唯一の手段です。そのため,ビショップは書記が正確な記録を作成していることを確認します。また,書記がLCRを使って情報を更新していることを確認します。以下を速やかに行うことが重要です。

  • 儀式の情報を記録する。

  • ワードの転入会員や転出会員の記録を移す。

  • 新会員の記録や,会員の新しい子供の記録を作成する。

  • 会員の死亡を記録する(この会員のために神殿の儀式を執行できるようにするには,まず会員が死亡したことを記録しなければなりません。28.1を参照してください)。

  • 結婚や世帯の情報を記録する。

ビショップやステーク会長は,会員と以下の面接を行う前に,本人の会員記録が適切なワードにあることを確認します。

  • 教会の召し。

  • 神殿推薦状。

  • メルキゼデク神権,またはその神権の職への聖任。

また,会員記録に以下が記載されていないことも確認します。

  • 注意書き

  • 結び固めや儀式の制限に関するコメント

  • 公式の会員資格の制限

会員の中には,同じワードにとどまっていた期間が一年未満の人がいます。その場合,ビショップまたは割り当てを受けた顧問は,神殿推薦状を発行するための面接や,メルキゼデク神権の職への聖任を推薦するための面接を行う前に,前のビショップと連絡を取ります。この連絡の目的は,ふさわしさに関して検討すべき事柄があるかどうか尋ねることです。顧問は,内密情報があることを知った場合,その会話を終えます。そしてビショップに,面接を行う前に前のビショップと連絡を取るように伝えます。

いかなる事情があろうと,ビショップまたは書記以外の人に会員記録を渡したり,見せたりすることはできません。

会員は,「会員ツール」アプリで,自分の会員情報や,同居中の扶養している子供全員の会員情報を閲覧することができます。また,「個人の儀式概要」を印刷した控えを書記に請求することもできます。誤りに気づいたら,書記は,それが会員記録上で確実に訂正されるようにします。

会員記録の作成方法についての指示は,LCRに載っています。結婚や死亡の記録方法についての指示も載っています。

本セクションで取り上げられていない状況がある場合,指導者はグローバルサービス部またはエリアオフィスに連絡するべきです。

33.6.1

教会の記録で使用する氏名

会員記録や儀式証明書には,地元の法律や慣習に従って届け出た戸籍上の氏名を用いるべきです。

33.6.2

記録上の会員

以下の人々は記録上の会員であり,会員記録を作成するべきです。

  • バプテスマと確認を受けた人

  • 祝福を受けたが,バプテスマを受けていない9歳未満の人

  • 年齢にかかわらず,知的障害のために責任能力がない人

  • 以下の両方に該当する9歳未満の祝福を受けていない子供

    • 少なくとも一人の親または一人の祖父母が教会員である。

    • 両親から記録を作成する許可を得ている(一方の親だけが子供の親権を持っている場合,その親の許可があれば十分です)。

会員記録が存在していても,バプテスマと確認を受けていない9歳以上の人は,記録上の会員ではありません。しかしながら,その人が居住している区域にあるワードは,その人が18歳になるまで会員記録を保存します。18歳になって,本人がバプテスマを受けないことを選択した場合,ビショップは会員記録を抹消します。その際に,ステーク会長の許可が必要です。

知的障害があるためにバプテスマを受けていない人については,本人または親を含む法定後見人から要請がない限り,記録を抹消することはありません。

33.6.3

ワードの新会員の記録

ワード書記またはワード書記補佐は,新しいワードの会員の会員記録が届いたらすぐに,その会員と連絡を取り,「個人の儀式要約」の記載が正確であることを確認します。

会員記録を受け取った後に,あるいはバプテスマと確認が行われた後に,新しい会員を紹介する場合の指示について詳しくは,29.2.1.1を参照してください。

33.6.4

転出または一時的に家を離れる会員の記録

ワードの指導者,ミニスタリングブラザーやミニスタリングシスター,書記は,会員がワードから転出する予定であることを知ったら,すぐにその会員の新しい住所を入手します。書記は,会員が実際に転出した時点で,会員記録を新しいワードに移します。書記はまた,自分のワードに転入してきた会員の記録が前のワードから送られてきていない場合,その記録を要請することができます。

書記が会員の転出先を見つけ出せなかった場合,その記録はLCRの「失われた会員を捜す」リストに移します。長老定員会と扶助協会の指導者は,この報告書を定期的に確認し,利用できる手段を使ってそのような会員を捜します。ワード評議会のほかの会員や宣教師が手伝うこともできます。

会員の所在地が見つかった場合,書記はそれに応じて記録を移します。あらゆる手段を駆使しても会員の所在地が見つからなかった場合,書記はビショップの承認を得て,その記録を教会本部に返却します。

「失われた会員を捜す」リストに載っている記録は,依然としてワードに割り当てられていますが,会員リストや報告書には表示されず,ワードの統計にも含まれません。

会員が3か月以上ワードから離れる場合,一時的あるいは季節的な仕事や教育のために3か月以上ワードを離れた後に戻ってくる予定がない限り,書記は本人の会員記録を新しいワードに移します。

3か月以内に戻る予定の転出者の場合,会員記録はワードにとどめておきます。

不在期間が確かでない場合,指導者は,会員の必要を最も満たすことのできるワードで会員記録を保管するようにします。

33.6.5

ユニット外の会員記録

会員記録は,一度に一つのワードでしか保管できません。そのワードのビショップのみが,会員記録の更新,儀式の執行,会員の面接の実施について監督することができます。

状況によっては,会員の名前と連絡先を二次的なワードに記録する必要があります(例として,33.6.11および33.6.13を参照)。このような場合,二次的なワードの書記は,ユニット外の会員記録を作成します。この記録は,LCRを使って作成します。

ユニット外の記録がある会員は,そのワードで召しを受けることができます。また,その会員の情報がワード名簿や出席簿にも記載されます。

33.6.6

地理的に区分されたワード以外で奉仕している会員の記録

33.6.6.1

ほかの教会の割り当てを受けている会員の記録

会員が地理的に区分されたワード以外で奉仕する教会の割り当てを受けている場合,本人の会員記録と財政記録は地理的に区分されたワードに保管します。割り当てのために,会員が3か月以上所属する地理的に区分されたワードを離れる必要があり,子供たちを同伴する場合,会員記録は新しいワードに移します(33.6.4参照)。

33.6.6.2

専任宣教師の記録

24.6.2.8を参照してください。

33.6.7

ヤングシングルアダルトの記録

18歳から30歳までのヤングシングルアダルトは,地理的に区分されたワードの会員になるか,地域内にYSAワードが設立されている場合,YSAワードの会員になるか選択することができます。YSAワードを選んだ場合,自分の居住する管轄区域に割り当てられたYSAワードに出席します。また,自分の所属する地理的に区分されたワードのビショップに,その旨を伝えます。会員記録は,出席するワードで保管されます。

これらの原則は,31歳から45歳までのシングルアダルトが,シングルアダルトワードの会員になることを選んだ場合にも当てはまります。

ヤングシングルアダルトが一時的に(例えば,学校に通う間)あるワードに出席することを計画している場合,会員記録は本人が出席するワードで保管します。その会員の許可があれば,会員の家族が所属しているワードの書記は,その会員のためにユニット外の記録を作成することができます(33.6.5参照)。

33.6.8

病院や介護施設で生活する会員の記録

病院や介護施設で生活している会員の記録は,本人にとって最も助けになるワードで保管するべきです。ほとんどの場合,病院または施設の所在地を管轄するワードがこれに当たります。

33.6.9

軍務に就いている会員の記録

会員が訓練のために軍務に就く場合,さらに長期間滞在する配属地に割り当てられるまで,本人の会員記録は地理的に区分されたワードで保管します。配属地が決まったら,その会員は地理的に区分されたワードに連絡して,新しいワードの名称と住所を知らせるべきです。

33.6.10

知的障害のある会員の記録

8歳以上の知的障害者とその親(該当する場合)とビショップは,本人に責任能力があるかどうか判断するために一緒に話し合います。責任能力がないと判断した場合,ビショップまたは書記は,LCRにある本人の会員記録のバプテスマ欄に「責任能力なし」と表記します。この会員記録は抹消しません。会員記録に責任能力がないと表記されている場合,儀式は必要ありません。

時には,記録に「責任能力なし」と表記された後で,本人と親とビショップが話し合い,本人に責任能力があると判断することがあります。その場合,ビショップまたは(ビショップの承認を得た)書記は,「責任能力なし」という表記を削除することができます。詳しくは,38.2.4を参照してください。

33.6.11

聴覚障害のある会員の記録

手話を使う会員とその家族または法定後見人は,本人の教会会員記録を,以下の場所のいずれかに置くことを選択できます。

  • 地理的に区分されたワード

  • 地理的に区分されたワードの管轄区域内に居住するろう者や難聴者の会員のためのワード

  • ステーク会長または地域会長によって指定された,地域内に居住するろう者や難聴者の会員のためのグループを管理するワード

この場合,個人や家族の記録を一つのユニットに置いたまま,別のユニットで「ユニット外」の会員になることができます。例えば,家族の一部がろう者や難聴者のためのユニットに記録を置くと,その会員は所属する地理的に区分されたユニットでは,「ユニット外」の会員になる場合があります。詳しくは,33.6.5を参照してください。

ろう者または難聴者の会員は,地域外にある聴覚障害者のために組織されたワードやグループにオンラインで出席することができます。自分の記録がそのユニットにない場合でも,出席することが可能です。ただし,オンラインで出席する前に,そのワードのビショップと連絡を取り,出席したい旨を伝えておくべきです。

33.6.12

養子の記録

養子の記録は,養子縁組が確定した後に作成または更新することができます。記録に記載する氏名は,養子縁組の確定通知と一致しているべきです。養父母の記録は,養子縁組が確定した後に更新することができます。

33.6.13

両親が離婚している子供の記録

すべての会員記録には,地元の法律や慣習に従って規定された戸籍上の氏名を使用します。これには,両親が離婚している子供も含まれます。会員記録にある戸籍上の氏名は,「祝福証明書」や「神権の儀式の証明書」にも記載するべきです。

親が離婚している子供は,両親双方のワードの教会の集会に出席することがよくあります。子供の公式の会員記録を保持し,更新できるのは一つのユニットだけですが,その子供が出席するもう一つのワードでは,ユニット外の会員記録を作成することができます(33.6.5参照)。これにより,子供の名前と連絡先がワードのリストやクラス名簿に記載されるようになります。

ユニット外の会員記録を持つ子供は,そのユニットで召しを受けることができます。これにより,子供はどこに集ってもユニットの一員として扱われ,教会に本格的に参加できるようになります。

33.6.14

注意書きが記された記録

32.14.5を参照してください。

33.6.15

会員記録の移動差し止め

公式の会員資格の制限やほかの重大な懸念事項が留保された状態にある会員が転出する場合,ビショップや権限を与えられた書記は,本人の会員記録の移動を差し止めることができます。その処理は,LCRを使って行います。

移動が差し止められた記録は,差し止めを行った神権指導者がその解除を承認するまで,新しいユニットに移されることはありません。

33.6.16

「住所不明」ファイルの会員記録

時折,会員の記録を教会本部の「住所不明ファイル」に入れた後で,その会員が見つかる場合があります。このような場合,ワード書記はLCRを使って記録を要請します。この記録には,ビショップリックや定員会,各組織の指導者ができるだけ早くその人を訪問して,フェローシップを行うように勧めるメッセージが含まれています。専任宣教師にその会員を訪問するように依頼することもできます。

33.6.17

儀式情報の記録と訂正

第18章を参照してください。

33.6.18

戸籍上の情報の記載と訂正

33.6を参照してください。

33.6.19

会員記録の監査

ステーク書記やステーク書記補佐は,毎年各ワードの会員記録の監査LCRを使って確実に実施します。ステーク会長は,この監査を手伝うために,会員記録の管理について経験があるほかの人々を召すこともできます。監査は毎年6月30日までに完了するべきです。

33.7

歴史記録

33.7.1

ワードおよびステークの歴史

主は,御自身の教会に関する「すべての重要な事柄の歴史」を書き記し,保存するように命じておられます(教義と聖約69:35節およびアルマ37:2も参照)。

教会の各ユニットは,そのユニットに関するすべての重要な事柄を記録します。それらの事柄には,ユニットの指導者による歴史的な記録も含まれます。重要な事柄を識別するうえで最も効果的なのは,以下を行うことです。

  • 個人や家族を助けるための取り組みについて振り返る。

  • 神が御自分の子供たちの生活に影響を及ぼしておられることを示すような意義深い経験を認識する。

歴史を記録することは,書く人と読む人の信仰を強める霊的な務めです。年間を通じて様々な出来事を記録することで,歴史記録の質は高まります。

ステークおよびワードの神権指導者や組織の指導者は,ChurchofJesusChrist.orgにある「ユニットの歴史」ツールを使ってストーリーを投稿します。ステークおよびワードの書記は,この取り組みをまとめ,調整を行う主要な責任を負っています。ステーク会長会とビショップリックは,支援してもらうために,ステークまたはワード歴史スペシャリストを召すことができます。その他の説明は,このツールの「クイックスタートガイド」に記載されています。

会員は「ユニットの歴史」ツールを使うと,自分のワードやステークの指導者が公開したストーリーを見ることができます。公開されたストーリーは,教会が自動的に保存します。

33.7.2

教会歴史

教会歴史部は,個人の記録,美術品,所蔵品などの歴史記録を,「教会のために……また……次の世代のために」選別して収集しています(教義と聖約69:8)。記録の歴史的価値について質問がある場合,以下の場所に問い合わせることができます。

Church History Library

15 East North Temple Street

Salt Lake City, UT 84150-1600

電話:1-801-240-5696

電子メール: history@ChurchofJesusChrist.org

33.8

記録の内密性

教会の記録は,文書またはデジタルデータを問わず,内密に扱います。これには以下が含まれます。

  • 会員記録。

  • 財政記録。

  • 集会のメモ。

  • 公式のフォームや文書(会員資格評議会の記録を含む)。

  • 個人面接でのメモ。

指導者および書記は,個人のプライバシーを守りながら教会の記録を取り扱い,保存し,破棄することにより,教会の記録を守らなければなりません。指導者は,会員から集める情報に関して,以下を必ず守るようにします。

  • 教会で必要な情報のみを収集する。

  • 教会で承認された目的にのみ用いる。

  • 使用権限のある人にのみ与える。

電子的に保存されている情報は,安全に保管し,適切に保護しなければなりません(33.9.1参照)。指導者は,そのようなデータが,個人的,政治的,あるいは商業的な目的で使用されることのないように十分注意します。歴史情報を含む教会記録からの情報は,研究や調査を行う個人や機関に提供してはなりません(38.8.37参照)。

指導者と会員は,ステークとワードの住所録を保護するために,38.8.13の指針に従わなければなりません。

33.9

記録の管理

ステークおよびワードの指導者は,記録を効果的に管理することを記録作成の手順に含めるべきです。本セクションでは,記録管理における3つの重要な分野について概説します。

33.9.1

保護

教会の記録や報告書,データはすべて,不正アクセスや改ざん,破棄,漏えいから守るべきです。このような情報は,安全な場所に保管しておくべきです。コンピューターから印刷した書類を含め,内密性の高い記録は,使用しないときは,指導者の事務室の施錠された引き出しやキャビネットに保管しておくべきです。

可能であれば,記録や報告書,データの電子コピーは暗号化し,パスワードで保護しておくべきです。教会所有の機器や記憶媒体の紛失や盗難については,速やかにincidents.ChurchofJesusChrist.orgに報告するべきです。また,教会の情報が不正に使用された場合にも報告するべきです。

33.9.1.1

ユーザー名とパスワード

ステーク会長やビショップ,その他の指導者は,教会のユーザー名とパスワードを,顧問や書記,幹部書記,その他の人々と決して共有してはなりません。また,ほかの人が閲覧したりアクセスしたりできるデバイスに保存してはなりません。

パスワードは12文字以上で,簡単に推測されないものにするべきです。指導者は,可能な限り,教会のアカウントで二段階認証(多要素認証とも呼ばれる)を有効にするよう強く推奨されています。

33.9.1.2

共有コンピューターとデータ保存

指導者と書記は,会員情報や財政情報を,権限を与えられていないほかの人がアクセスできる共有コンピューターに保存するべきではありません。

33.9.1.3

データプライバシー

多くの国が,個人情報の処理を規制するデータ保護法を制定しています。個人情報には,会員記録に収められた情報や,その他の教会の記録で個人を特定できる情報も含まれます。地元の教会記録の管理に対するデータ保護法の適用について質問がある場合,指導者は教会のデータプライバシー事務局(DataPrivacyOfficer@ChurchofJesusChrist.org)に問い合わせることができます。

33.9.2

保管

記録は,管理上,法律上,歴史上の目的で必要とされる期間のみ保管するべきです。財政記録は当年に加えて,最低3年分を保管するべきです。記録の保管期間について質問がある場合,指導者はグローバルサービス部またはエリアオフィスに問い合わせるべきです。

33.9.3

破棄

古い記録や不要になった記録は,情報の検索や復元ができない方法で破棄するべきです。デジタル上の会員情報や財政情報を削除する場合,指導者はどのような手段を使っても復元できないことを確認しなければなりません。

歴史的価値があると思われる記録は,廃棄したり,処分したり,ワードのリソースセンター(図書室)に保管したりするべきではありません。記録の歴史的価値について質問がある場合,教会歴史図書館に問い合わせることができます(33.7.2の連絡先情報を参照)。

33.10

ステークおよびワードの技術支援スペシャリスト

ステーク会長会は,一人または複数のステークの会員を,ステーク技術支援スペシャリストとして召します。ビショップリックは,一人または複数のワードの会員を,ワード技術支援スペシャリストとして召すことができます。男性,女性,青少年が,この召しを果たすことができます。

ステーク技術支援スペシャリストは,ステーク書記の指導の下で働きます。ワード技術支援スペシャリストは,ビショップの判断により,ワード書記や幹部書記の指導の下で働きます。技術支援スペシャリストには,以下のような責任があります。

  • 技術的に助けの必要なステークやワードの指導者を支援する。

  • FamilySearch.orgを含む,教会のメディアやアプリやその他のテクノロジーツールにアクセスする方法や使用する方法を会員に教える。

  • 指導者や教師が,召しを果たすためにテクノロジーツールを使う際に支援する。

  • 出席できない人のために,集会やクラスのストリーミング配信を管理する(29.7参照)。

さらに,ステーク技術支援スペシャリストは,ファミリーサーチセンターにあるコンピューターを含め,ステークにある教会のコンピューターを管理するために,以下の責任を負います。

  • ステークのすべてのコンピューターの設置,共同利用,再割り当て,利用計画について,ステーク会長会からの指示を実行に移す。

  • シリアル番号,モデル,容量,設置場所を記載した,ステーク内のすべてのコンピューターハードウェアの最新リストを管理する。

  • (1)コンピューター,ソフトウェア,内密情報が安全に保管され,(2)データファイルが定期的にバックアップされるようにする。

  • 教会のコンピューターに関する一般的な方針に精通する(38.8.10参照)。

  • 教会のコンピューターの導入と管理に関する指針に精通する。

必要に応じて,ステーク技術支援スペシャリストは,ワード技術支援スペシャリストの働きを調整します。また,指導を行います。