アルマ53－63章

「神の驚くべき力によって守られる」

アルマ53－63章の話は，福音の真理に従う，あるいはそれを拒むことの結果を理解する助けとなるでしょう。アルマ53－63章を読むとき，促しを書き留め，学んだ真理に従って生活する方法について考えましょう。

印象を書き留める

レーマン人の軍隊と比較すると，2,000人の若いニーファイ人から成る，ヒラマンの「若い軍隊」（アルマ56：33）が勝つ見込みはありませんでした。ヒラマンの兵士たちは，人数が少ないのに加え，「皆，非常に若〔く〕」「まだ一度も戦ったことがありませんでした」（アルマ56：46－47）。彼らの状況は，サタンやこの世の悪の軍勢に対する末日の戦いにあって，勝ち目がないと感じている，あるいは圧倒されている人にとって，幾つかの点で身近に感じるかもしれません。

しかしヒラマンの軍隊には，レーマン人に勝る利点がありました。それは，兵の数や軍事的なスキルとは関係のないことでした。彼らは，自分たちを導く者として預言者のヒラマンを選びました（アルマ53：19）。また，「彼らは母親から，疑わなければ神が救ってくださると教わって〔おり〕」（アルマ56：47），「信じるように教えられたことを深く信じてい〔まし〕た」。その結果，彼らは「神の驚くべき力」（アルマ57：26）により守られました。彼らは皆，戦いで傷つきはしましたが，「だれ一人死なずに済〔みました〕」（アルマ57：25）。生活の中で霊的な傷を負わせられたとき，わたしたちは勇気を持つことができます。ヒラマンの軍隊は，「公正な神がましま〔し〕……，疑わない者はだれでも神の驚くべき力によって守られる」ことを物語っています（アルマ57：26）。

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個人の聖文研究のためのアイデア

アルマ53：10－22；56：43－48，55－56；57：20－27；58：39ー40

神を信じる信仰を行使するときに，神は驚くべき力によってわたしを祝福してくださる。

ヒラマンの若い兵士たちの勝利のような奇跡的な物語は起こりそうにもないため，自分と関連付けるのが難しいかもしれません。しかし，そのような物語が聖典の中に含まれている一つの理由は，わたしたちが信仰を抱くときに，神はわたしたちの生活の中で奇跡を行うことがおできになることを示すためです。次の節の中で，若い兵士たちについて読むときに，どのように神への信仰を行使したか，彼らの信仰をそれほどまでに強くしたものは何か，また奇跡を可能にしたものは何かについてヒントを探してください：アルマ53：10－22；56：43－48，55－56；57：20－27；58：39－40。次の表は，見つけたことを書き留めるための一つの方法を提案しています。

ヒラマンの兵士の特徴
彼らが教えられていたこと
彼らが行ったこと
彼らが受けた祝福

これらの聖句を研究した後で，自分の信仰を行使するために何をするよう促しを感じますか。

ヒラマンは，若い勇士の信仰を強めるうえで，母親たちが果たした役割について述べています（アルマ56：47－48；57：20－27参照）。あなたの信仰を培ううえで，家族や周りの人々はどのような役割を果たしてきましたか。家族や友人の信仰を強めるために，あなたに何ができますか。

アルマ58：1－12， 31–37；61章

わたしは，人の言動に傷つくのではなく，それを良いように捉えることを選ぶことができる。

ヒラマンもパホーランも，傷つく十分な理由がありました。ヒラマンは自分の軍に対する十分な支援を受けていませんでしたし，パホーランはその支援をしていないとモロナイから誤って非難されました（アルマ58：4ー9，31－32；60章参照）。アルマ58：1－12，31－37とアルマ61章で，二人の反応のどのような点に心を動かされますか。同じような状況の中で，彼らの模範にどのように従うことができるでしょうか。

デビッド・A・ベドナー長老はこのように教えています。「だれもが時には，何らかの形で，教会のだれかから傷つくようなことをされたり，言われたりすることでしょう。そのような出来事はだれにでも必ず起こり得ます。しかも一度や二度ではありません。あなたもわたしも，他人の思いや行動をコントロールすることはできません。しかしながら，どのように受け止めて行動するかを決めるのは自分なのです。あなたもわたしも，選択の自由を授けられた，自分から作用する存在であり，傷つかないことを選ぶことができるのです。そのことを忘れないでください。」（「何ものも彼らをつまずかすことはできません」『リアホナ』2006年11月号，91）

箴言16：32；モロナイ7：45；デビッド・A・ベドナー「柔和で心のへりくだった者」『リアホナ』2018年5月号，30－33も参照してください。

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家族の聖文研究と家庭の夕べのためのアイデア

家族とともに聖文を読むとき，家族の必要を満たすためにどのような原則を強調して話し合えばよいかを，御霊の助けによって知ることができます。幾つかのアイデアを紹介します。

アルマ53：10－17

アンタイ・ニーファイ・リーハイ人は，血を流さないと聖約していました。わたしたちは神とどのような聖約を交わしていますか。アルマ53：10－17の中で，自分の交わした聖約にさらに忠実になろうと思わせてくれる箇所はどこですか。

アルマ53：20－21

どうすればもっとヒラマンの若者たちのようになれるでしょうか。これらの節に含まれている語句の意味について話し合うと役立つかもしれません。例えば，「勇敢であり，体力と活力がみなぎっていた」とはどういう意味でしょうか。「神の前をまっすぐに歩む」とは，どういう意味でしょうか。

アルマ58：9－11，33，37

助けを心から必要としているときに，わたしたちはニーファイの兵士たちのように天の御父に頼るでしょうか。主は彼らの祈りにどのようにこたえられたでしょうか。主はわたしたちの祈りに，どのようにこたえてこられたでしょうか。

アルマ61：2，9，19

誤って非難されたときにどのように応じるかについて，パホーランから何を学べますか。

アルマ62：39－41

実物を使ったレッスンを以下に紹介します。このレッスンの目的は，試練によって「心をかたくなにする」か「心を和らげる」かを自分で選べることを家族が理解できるよう助けることです。生のジャガイモと卵を，沸騰しているお湯の入った鍋に入れます。ジャガイモと卵はわたしたちを表していて，お湯はわたしたちが直面する試練を表しています。ジャガイモと卵をゆでながら，家族が直面する試練の例について話すとよいでしょう。そのような試練に対する反応にはどのようなものがあるでしょうか。アルマ62：41によると，試練に対する自分の反応は，自分自身にどのような影響を及ぼすでしょうか。ジャガイモと卵がゆであがったら，ジャガイモを切り開き，卵をの殻をむいて，同じ「試練」により，ジャガイモはやわらかくなり，卵は固くなったことを示します。試練があったときに，謙遜になり，神に近づくために，家族は何ができるでしょうか。

子供を教えるためのそのほかのアイデアについては，『わたしに従ってきなさい—初等協会用』の，今週の概要を参照してください。

教え方を改善する

子供たちに創造性を表現する機会を与える。「子供たちに福音の原則に関する物を何か作るように勧めることによって，子供たちがその原則をよく理解できるよう助け，学んだことを思い出させてくれる具体的な物を持たせてあげることができます。……子供たちが何かを作り，描き，色を塗り，書き，創造することを取り入れてください。」（『救い主の方法で教える』25）