王位を継ぐ者
2015年9月13日，アメリカ合衆国ニューヨークで開かれた教会教育システムでの説教「潤った園のように」および「高貴な存在」参照
あなたの永遠の姿にふさわしく生活してください。
ライオンと犬の画像 © iStock/Thinkstock
教会の責任により家族でアルゼンチンに住んでいた頃，息子とわたしは余暇を利用して興味のある場所をしばしば訪れました。その一つは，それまで見たこともないような動物園でした。
入園した人々は，眠そうにしている動物の檻の前を通って行くのではなく，檻の中に入って動物に触れることができたのです。訓練士の後について行き，体の大きいライオンのための囲いに行ってライオンに触りました。ライオンはわたしたちなど気に留めていない様子でした。
どうやって巨大な猛獣たちがかみつかないように調教したのか，訓練士に尋ねました。彼らは，同じ囲いに入っている数匹の小さな犬を指し示しました。ライオンが小さかったとき，このよく吠える犬たちは容赦なくライオンたちを追い回し，ぎゅっと足をかんだそうです。ライオンの子供たちは隅の方で犬を怖がって縮こまってしまったのです。
ライオンは大きくなってからも，怖がって縮こまり続けました。大きな足で一蹴りするだけで，犬たちを簡単にやっつけることができたでしょう。しかし，ライオンは自分たちの本当の姿が分かっていませんでした。百獣の王であることや，自分に大きな潜在能力があることに気づいていなかったのです。
わたしたちは皆，自信を失わせ，怖がって隅で縮こまらせるうるさい小犬に出くわします。その中の3つを挙げましょう。
自信の欠如
わたしたちの多くは，成功よりも失敗によって自分の行ったことを評価します。100問中80問正解しても，80問正解したことを誇らしげに語るのではなく，20問間違えたことを悲しそうに認めます。自分の潜在的な能力や自分自身に自信がないために，自分の真の価値や能力が見えなくなることがあります。
不完全な知識
ニーファイは示現で救い主の母を見ましたが，神が御自身を低くされることが分かるかと聞かれて，全てのことの意味が分かっているわけではないと言いました。しかし，最初に「神がその子供たちを愛しておられる」ことを知っていると言いました（1ニーファイ11：12－17参照）。最も知らなければならないことはそのことです。不完全な知識を持つうるさい小犬によって，教会が真実であることや神との関係について，そして途絶えることのない，力を与えてくださる神の愛に対して，わたしたちの確信を揺るがせてはなりません。
油断と不注意
悪い選択をしたり，良い選択をおろそかにすることは，現実を見る目を曇らせます。イスラエルの民が毎日マナを集める必要があったことには，象徴的な理由があります（出エジプト16：4参照）。毎日食料を集める必要があったことで，神を思い出す助けになりました。今日，聖典学習，祈り，教会への出席，互いに仕え合うことは，神の子供として受ける日々のマナで，主を思い出させてくれます。
神の霊的なDNAがわたしたちの中を流れています。わたしたちは神の息子娘であり，王位を受け継ぐ者です。人生の隅で縮こまらせる偽りのメッセージや信条，習慣は全て一蹴してください。足をかみつかれたり，怖い思いや悲しい思いをさせられることがないようにしてください。あなたの永遠の姿にふさわしく生活してください。皆さんは王位を継ぐ者なのです。