2010–2019
神の証人
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神の証人

福音を分かち合うときに自分に欠けていると思うものに対して,後ろめたさを感じるのをやめるよう提案します。むしろ,「神の証人になる」よう祈ってください。これは,後ろめたさよりもはるかに強い動機です。

神の大切な業の多くは,世の人の目には見えません。紀元前6世紀には中国の孔子や東インドのブッダなど,傑出した思想家が輩出されていたにもかかわらず,神の神権の力は,バビロニアの王ネブカデネザルの治世に囚われの身で暮らしていた預言者ダニエルのうえにありました。

夜に見たある夢に悩まされ,ネブカデネザル王は,彼に仕える魔術師や占い師に,王が見た夢の内容とその夢の解釈の両方を告げるよう求めました。もちろん彼らは王の見た夢を告げることなどできませんから,抗議しました。「世の中には王のその要求に応じうる者は一人もありません〔し,そのような要求をする王もありません〕。」1ネブカデネザル王は彼らができないことに怒り,王の顧問を全員殺すと言い渡しました。

王に仕える知者の一人であったダニエルは「この秘密について天の神のあわれみを請い〔ました。〕」2

奇跡が起こりました。王が夢で見た秘密の事柄がダニエルに示されたのです。

ダニエルは王の前に連れ出されます。「あなたはわたしが見た夢と,その解き明かしとをわたしに知らせることができるのか。」

ダニエルは答えました。

「知者,法術士,博士,占い師など〔は,王が夢に見た事柄を王に告げることはできません。〕……

しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。 彼は後の日に起るべき事を,ネブカデネザル王に知らされたのです。……

……天の神は一つの国を建てられます。〔一つの石が人手によらずに切り出され,大きな山となって全地に満ち,〕これはいつまでも滅びることがなく,……この国は立って永遠に至るのです。

……その夢はまことであって,この解き明かしは確かです。」3 

夢の説明と,その解き明かしを得た王はこう宣言しました。「あなたがたの神は神々の神,王たちの王〔である。〕」4

神が奇跡的な方法でダニエルを助けられたときに,イエス・キリストの福音が将来地上に回復されるという預言が明らかにされました。一つの国が全地に満ち,「いつまでも滅びることがなく,……立って永遠に至るのです。」

ニーファイが預言したように,末日には,教会員の数は比較的少ないものの会員は全地におり,神権の力と儀式は,それを望むすべての人に与えられ,ダニエルが預言したように地に満ちるのです。5

1831年,預言者ジョセフ・スミスは次の啓示を受けました。「王国〔と地の四方からのイスラエルの集合〕の鍵は​地上の​人​にゆだねられて​おり,あたかも​人手​に​よらず​に​山​から​切り出された​​石​が​全​地​に​​満ちる​まで​転がり​進む​よう​に,そこ​から​福音​は​地​の​果​てまで​転がり​進む​で​あろう。」6

わたしたちがともに担う責任

イスラエルの集合は奇跡であり,巨大なパズルのようなものです。再臨という輝かしい出来事に先立って,パズルのピースが正しい位置にはめ込まれていきます。山と積まれたパズルのピースを前にしてわたしたちが困惑するように,初期の聖徒たちには,回復された福音を全世界に携えて行くことなど,不可能に近い使命に見えたはずです。しかし,始めました。一度に一人ずつ,1ピースずつ,端のピースを見つけ,この神の業の外枠を正しく埋めていきます。少しずつ,人手によらずに切り出された石は転がり進みます。数百人が数千人になり,今や聖約を交わした数百万人もの末日聖徒があらゆる国にいて,この不思議な驚くべき業というパズルのピースを,つなぎ合わせているのです。

わたしたち一人一人がパズルのピースであり,ほかの不可欠なピースがはまるのを助けています。皆さんは,この偉大な業にとって大切な存在です。わたしたちの行く先は,今はっきりと見えています。残った空白をわたしたちが埋めるときに,奇跡が引き続き起こり,主の御手が導いているのを見ることができます。かくして,「大いなるエホバは,御業は成ったと告げられ」,7 威厳と栄光をまとって戻って来られるのです。

トーマス・S・モンソン大管長はこう言っています。「今こそ,会員と宣教師が一致協力して,主のぶどう園で働き,人々を主のみもとに導く時です。 ……もしわたしたちが主の業を成し遂げるために信仰をもって行動するなら,主はわたしたちの働きを助けてくださいます。」8

かつて専任宣教師の肩にかかっていた神聖な責任は,今やすべての会員の肩にかかっています。わたしたちは皆,回復された福音を分かち合いたいと思っており,感謝すべきことに,毎週何千人もの人がバプテスマを受けています。しかし,このすばらしい祝福があっても,兄弟姉妹を気にかける気持ちと神に喜んでいただきたいという思いは,世界中に神の王国を分かち合い,強めることを今すぐにしなければという気持ちを募らせます。

後ろめたさには限界がある

福音を分かち合いたいという強い願望があっても,過去の失敗にがっかりしている人もいます。皆さんは次のような気持ちを感じるかもしれません。「家族や友達に教会について話したけれども,興味を示す人はあまりいないし,拒否される度に,だんだん気後れしてくる。もっと頑張るべきだということは分かるけれど,行き詰まっていて,後ろめたさばかり感じる。」

皆さんの助けになれればと思っています。

後ろめたさは,わたしたちが変えるべき所を思い起こさせる重要な役割がありますが,後ろめたさがもたらす効果には限界があります。

後ろめたさは,ガソリン車のバッテリーのようなものです。車の室内灯をつけ,エンジンをかけ,ヘッドライトを点灯することはできますが,これから走る長旅に必要な燃料を提供するわけではありません。バッテリーだけでは足りないのです。後ろめたさも同じです。

福音を分かち合うときに自分に欠けていると思うものに対して,後ろめたさを感じるのをやめるよう提案します。むしろ,アルマが教えたように「​〔ほかの人たちが〕神​に​贖われ,第一​の​復活​に​あずかる​人々​と​ともに​数えられて​​永遠​の​命​を​得られる​よう​に,いつでも,どの​よう​な​こと​に​ついて​も,どの​よう​な​所​に​いて​も,死​に​至る​まで​も​神​の​​証人​に​なる​」機会が与えられるよう祈ってください。9これは,後ろめたさよりもはるかに強い動機です。

いつでも,どの​よう​な​所​に​いて​も,神​の​​証人​に​なるならば,生き方にも話す言葉にも,それが反映されます。

キリストを信じる信仰について率直に話してください。機会があれば,キリストの生涯やキリストの教え,キリストが全人類に下さった比類ない賜物について話してください。キリストの告げられた力強い真理をモルモン書から引用して伝えてください。キリストは次の約束を与えられました。「人の前でわたしを受け入れる者を,わたし〔は〕天〔の〕父の前で受け入れるであろう。」10約束します。「神​の​​証人​に​なる​」​ 機会を心から求めてよく祈るならば,その機会が訪れ,さらなる光と知識を求めている人があなたの前に現れるでしょう。霊的な促しにこたえるとき,聖霊はあなたの言葉を人の心に届けてくださいます。そして,いつの日か救い主が御父の前であなたのその行いについて告げてくださるのです。

複数の人の取り組み

人が神の王国に行けるよう助ける霊的な業は,複数の人で行うものです。できるかぎり早く宣教師の助けを借り,天の助けを祈り求めましょう。しかし,忘れないでください。人が改宗する時期は,すべてあなたの行いで決まるというわけではありません。11

カムラ・ペルサンドはモーリシャス諸島出身で,1991年2月にわたしたちと出会ったとき,フランスのボルドーで医学部に通っていました。わたしたちは,真理を求める人に福音を伝えることができるようにと家族で祈っていましたから,我が家で彼女を教えました。わたしは彼女にバプテスマを施す特権にあずかりましたが,カムラが教会に入るのに最も大きな影響を与えたのは,わたしたちではありませんでした。友達や宣教師,そして家族までもが,彼女の故国で「神の証人」となってくれていたのです。そしてある日フランスで,彼女にとってちょうどよいときに,カムラはバプテスマを受ける決断を下しました。それから25年たった今も,その決断の祝福は彼女と周りの人にあり,彼女の息子は現在,マダガスカルで伝道しています。

救い主の愛を人に伝える努力を,合否のあるテストのように,自分の気持ちを分かち合ったときや宣教師に会うのを勧めたときに友達の反応が良かったかどうかで成績が決まるものとして見ないでください。12肉体の目では,わたしたちの努力の成果を判断することも,いつ成果が出るかを定めることもできないのです。救い主の愛を人と分かち合えば,わたしたちの評価は常にAプラスです。

政府によっては伝道活動を制限している所もあるため,教会の気高い会員たちは,「いつでも,……どのような所にいても……神の証人になる」ために,よりいっそう大きな勇気を示しています。

モスクワ出身のナデスダはよく,プレゼント用の箱にモルモン書を入れ,キャンディーをたくさん詰めて人々に贈っています。彼女は言います。「これはあなたにあげられるものの中でいちばん甘いものなのよと,相手に言うんです。」

ウクライナのスベトラーナは,バプテスマを受けるとすぐに,バスでよく見かける男性に福音を伝えた方がいいと感じました。その男性がバス停で降りるときに,彼女は「神様についてもっと知りたいですか」と尋ねました。男性は「知りたいです」と言い,宣教師から教えを受けて,バプテスマを受けたのです。この男性とスベトラーナは,その後,ドイツ・フライベルク神殿で結び固められました。

気をつけてください。祝福は,思いがけない形でやって来ます。

7年前,妻のキャシーとわたしは,ディエゴ・ゴメスと彼のすばらしい家族にソルトレーク・シティーで出会いました。彼らと一緒に神殿のオープンハウスに出席しましたが,教会についてもっと学ばないかという誘いは丁重に断られました。今年の5月,ディエゴから驚くような電話がありました。人生の一大事が起こり,ひざまずいて祈ったのだそうです。彼は自分で宣教師を探して教えを受け,バプテスマを受ける用意ができていました。今年の6月11日,わたしは,友人であり,ともに弟子の道を歩むディエゴ・ゴメスとともにバプテスマの水に入りました。彼の改宗はふさわしいときにやって来て,「神の証人」として手を差し伸べてくれる多くの人の助けと支えがあって実現したのです。

青少年への勧め

全世界にいる教会のすばらしい青少年とヤングアダルトに,特別な勧めとチャレンジを差し上げます。「神の証人」になってください。皆さんの周りの人たちは霊的な質問を快く受け入れてくれます。パズルの話を覚えていますか。皆さんは手ぶらで立ち向かうわけではありません。皆さんにはテクノロジーやソーシャルメディアがあります。皆さんの力が必要です。この偉大な業にさらに深く携わることを,主は皆さんに望んでおられます。

救い主は言われました。「それゆえに,あなたがたは行って,すべての国民を〔教え〕,父と子と聖霊との名によって,彼らにバプテスマを施し〔なさい〕。」 13

皆さんがアフリカやアジア,ヨーロッパ,北米,中央アメリカ,南米,太平洋地域,世界中の様々な場所に住んでいるのは,偶然ではありません。なぜならこの福音は「あらゆる国民,部族,国語の民,民族」に伝えられる必要があるからです。14

「天の神は一つの国を建てられます。〔一つの石が人手によらずに切り出され,大きな山となって全地に満ち,〕これはいつまでも滅びることがなく,……この国は立って永遠に至るのです。

……その夢はまことであって,この解き明かしは確かです。」15 

最後に,教義と聖約の言葉を引用します。「主に呼び求めて,主の王国が地上に進み行くようにして,地に住む者がそれを受け入れて来るべき時に備えられるようにしなさい。そのとき,人の子は,地上に建てられた神の王国に会うために,その栄光の輝きをまとって天の中を降って来るであろう。」16イエス・キリストの御名により,アーメン。

  1. ダニエル 2:10.

  2. ダニエル 2:18

  3. ダニエル2:26-28,44-4534-35節も参照

  4. ダニエル 2:47

  5. 1ニーファイ14:12-14参照 

  6. 教義と聖約65:2教義と聖約110:11も参照

  7. 『歴代大管長の教え―ジョセフ・スミス』135-137。ボイド・K・パッカー「 真理の標準は確立された『リアホナ』2003年11月号も参照

  8. トーマス・S・モンソン「 大会へようこそ 『リアホナ』 2013年11月号

  9. モーサヤ18:9

  10. マタイ10:32

  11. 1か月前,わたしはブラジルのサンタマリアにいた。ジャオ・グラール兄弟がこんな話をしてくれた。彼は若いころ,バプテスマを受けたくて2年間教会に通ったが,父親が許可してくれなかった。ある日ジャオは,同じようにバプテスマを受けることを望んでいた姉たちに,父の心を和らげてくださるよう,ひざまずいて一緒に神に祈る必要があると言った。彼らはひざまずいて祈ってから学校へ行った。

    その日彼らが学校から帰ると,驚いたことに,おじ,つまり父親の兄が遠い町から来ていた。おじは家で父親と話していた。子供たちはおじが部屋にいたときにもう一度,バプテスマを受けていいかどうか父親に聞いた。おじが進み出て弟の方に手を置き,「レイナルド,これは真実だ。バプテスマを受けさせてあげてくれ」と言った。その数か月前,ジャオの家族がだれも知らないうちに,おじはバプテスマを受けていたのである。

    おじは弟の家に行かなければならないという気持ちに突き動かされた。そして,その日おじが「神​の​​証人​に​〔なった〕」ために,めいとおいはバプテスマの許可を得たのである。数週間後,レイナルドと彼の妻はバプテスマを受けた。喜んで「神​の​​証人​」になる人が遣わされるという奇跡的な方法で,神は子供たちの祈りにこたえてくださったのである。

  12. “You succeed when you invite, regardless of how it turns out”(クレートン・M・クリステンセンThe Power of Everyday Missionaries 〔2012年〕, 23。everydaymissionaries.orgも参照) 

  13. マタイ28:19

  14. モーサヤ15:28

  15. ダニエル2:44-4534-35節も参照

  16. 教義と聖約65:5