扶助協会は,皆さんの生活をどのように祝福してきたでしょうか
扶助協会は神が計画されたものなので,女性だけでなく,家族と教会にも祝福をもたらしてくれます。
最近ある男性が人生を振り返り,次のような感動的な話をしてくれました。「わたしが子供のころ,父は教会を休みがちでした。酒癖が悪く,特に機嫌の悪いときは,粗暴で人につらく当たることもありました。普段は母がワードで奉仕することに反対はしませんでした。母は38年間,初等協会で働き,その間の多くは若い女性でも奉仕していました。随分重い責任を背負っていたのです。今から考えると,結婚生活を続けるのは大変で,時々落胆することがあったと思うのですが,当時のわたしには分かりませんでした。
後になって,ワードの姉妹たちが母の力になってくれていたことが分かりました。扶助協会で指導者として働いていたわけではありませんでしたが,母は扶助協会の集会に欠かさず出席し,姉妹たちを愛していました。わたし自身,母の友人たちが扶助協会の女性だとは思いませんでした。母のほんとうの姉妹と同じでした。姉妹たちは母を気にかけ,愛してくれました。母には男の兄弟だけで,子供も男の子しかいませんでした。母は,ワードの中に,自分が望み,必要としていた姉や妹を見つけたのです。だれにも話せない思いを姉妹たちに打ち明けていたのをわたしは知っています。当時のわたしには,それが『扶助協会』だとは分かりませんでしたが,今でははっきりと分かります。」1
扶助協会に関するこの男性の思い出にわたしは感動しました。確かに扶助協会の会員は女性ですが,扶助協会から祝福を受けるのは女性たちだけではありません。皆,その祝福を受けているのです。扶助協会は,皆さんの生活をどのように祝福してきたでしょうか。
ヒンクレー大管長に同じ質問をしてみました。すると,次のように答えてくれました。「扶助協会は,わたしの家族と愛する妻の家族を7世代にわたって祝福してきました。教会のごく初期のころから,母親も娘も,皆,困った人を助ける義務について教わりました。上手な家事の仕方を教わり,霊的成長を図るように励まされ,女性として最大の可能性を実現するよう導かれてきました。姉妹たちはこうしたことをほとんど扶助協会で経験し,家庭に持ち帰り, わたしの家族一人一人を祝福してきたのです。」2
わたし自身にも,祖母が扶助協会の姉妹たちとキルトを作っているときに,キルト台の下で遊んだ懐かしい思い出があります。幼いながらも,それが人の生活を祝福する扶助協会の一部であることを知っていました。母と祖母から扶助協会への愛を教わりました。わたしは扶助協会が大好きですし,これまでいつもそうでした。扶助協会は,救い主を知る助けとなり,主と天の御父への愛を強めてくれました。扶助協会の会員であることで,聖約を守り,慈愛を実践し,家族を強めるよう努力するとき,学び,愛し,奉仕し,生活が主の愛で満たされる機会に数多く恵まれてきたのです。
ここでもう一度お尋ねします。扶助協会は皆さんの生活をどのように祝福してきたでしょうか。
ブラジルの宣教師訓練センターを訪問した際,「扶助協会について知っていることを教えてください」と宣教師たちに尋ねました。ある長老は「手料理です」と言いました。別の宣教師は「母と姉が所属しているところです」と答えました。ようやく,もう一人の宣教師が「女性のための主の組織です」と断言してくれました。そのとおりです。しかし,それ以上のものです。扶助協会は「福音の根幹」3 なのです。
1842年は,預言者ジョセフ・スミスにとって非常に困難な年でした。友人に裏切られ,敵は彼をノーブーから拉致して教会の発展を妨げようと画策していました。同年彼は貧しい人,困っている人を養い,「魂を救う」4 ために,扶助協会を組織したのです。J・ルーベン・クラーク・ジュニア副管長は「〔ジョセフ・スミスは〕このような試練のさなかにあって,必要としていた慰めと励ましを姉妹たちに求めた」5 と言っています。感動的で謙遜にさせられる見解です。神の預言者が,「慈愛はいつまでも絶えることがない」6という責任を託された姉妹たちに慰めを求めたのです。わたしにとってこのことは,ゴルゴタの丘で救い主とともに悲しんだあの女性たちを思い起こさせてくれます。
扶助協会は預言者たちの生活を祝福してきました。では,扶助協会は皆さんの生活をどのように祝福してきたでしょうか。
ボイド・K・パッカー長老は「家庭や家族の守りは,妻や母親,娘が扶助協会に所属するときに,大いに強化されます」7と述べました。なぜでしょうか。それは,女性は家の中心だからです。
扶助協会の一員となることにより,わたしは,より良い妻,母親,そして神の娘となるために更新され,強められ,決意を深めてきました。心は福音への理解で満たされ,救い主と救い主がわたしのためにしてくださったことへの愛で満たされてきました。ですから姉妹の皆さん,扶助協会に集ってください。扶助協会は皆さんの家庭を愛と慈愛で満たし,皆さんと家族を養い,強めることでしょう。皆さんの家庭は,皆さんの義にかなった心を必要としているのです。
最近ペルーを訪問中に, モラーレス兄弟姉妹の家を訪れました。その夫婦は改宗して4年になり,3人の子供がいます。家は質素ながら,愛にあふれていました。モラーレス姉妹は扶助協会で多くのことを学んでいました。家族を養い,伝道に出ている息子を支援するために,洗濯とアイロンかけの内職をしていました。それに加えて,働きに出なければならない隣人のために,二人の子供の面倒も見ていました。また,腎臓の病気と闘いながらも長老定員会で奉仕する夫を助けていました。夫がヒーバー・J・グラント大管長のレッスンを準備するときには,その内容についてともに話し合っていました。
わたしは姉妹に,「あなたは訪問教師ですか」と尋ねました。すると,ほほえみながらこう答えてくれました。「もちろんです,パーキン姉妹。4人の姉妹を訪問しています。うち二人は活発に教会に集っていないのですが,彼女たちが活発に集えるよう愛を示していくつもりです。」
帰るとき,紙に手書きの文字でこう書いてあるのをドアの上に見つけました。
「今日聖文を読みましたか。」扶助協会はこの家庭を,このワードを,そしてこの地域を祝福しています。扶助協会は皆さんをどのように祝福してきたでしょうか。
扶助協会に所属することは,バプテスマを受けたばかりの姉妹にとって,ひいてはその家族にとって非常に重要なことです。夫がイギリス・ロンドン南伝道部の部長を務めていたときのことです。独りで子供を育てているグローリアのような多くの新会員に会いました。グローリアは教会員になると扶助協会に入りました。扶助協会は新しい信仰について何でも質問できる,安全な場所でした。グローリアは姉妹たちが自分の経験を率直に語るのを聞き,神の御言葉を試してみようという気持ちになりました。8 彼女は祝福師の祝福を受け,神殿に入り,教会で奉仕しています。わたしはヒンクレー大管長に「〔女性には〕ともに集い,信仰を強め合える環境が必要だ」9と勧告されたことを思い出します。扶助協会はそのような環境を与えてくれるのです。
ある扶助協会の姉妹の息子さんが次のように言うのを聞き,ヒラマンの若い兵士たちを思い出しました。「わたしは母の信仰と模範によって祝福を受けてきました。神権を受けるころには,父の模範と同様,母が家庭訪問をする姿から,ホームティーチングについて多くのことを学びました。……わたしの信仰は神権に対する母の信仰に感化され,立派な長老になりたいと強く望むようになりました。」10
兄弟姉妹の皆さん,扶助協会のおかげで,わたしは変わり,祝福され,向上しています。皆さんもそうであると信じています。
扶助協会に母と娘がいっそう活発に集うことができるように祈っています。夫が妻を助けるとともに,母親と父親の二人が娘たちを扶助協会に集うよう備えることができるように祈っています。扶助協会は,福音の回復の多くの奇跡の一つに数えられます。そのような扶助協会に,神権指導者の皆さんが,神の娘たちを,老いも若きも招いてくださるようお願いします。こうした取り組み方をするとき,この神聖な組織に対する感謝で胸がいっぱいになるでしょう。
扶助協会は神が計画されたものなので,女性だけでなく,家族と教会にも祝福をもたらしてくれます。主の純粋な愛である慈愛に基づいたこの組織は,主の回復された福音の根幹であると証します。これらのことをイエス・キリストの御名によって証します。アーメン。