2000–2009
結びの言葉
2004年4月


結びの言葉

この業の偉大な基本原則に対するさらに輝くわたしたちのが,それぞれの生活と行いを通して光を放ちますように。

兄弟姉妹の皆さん,総大会も幕を閉じようとしています。この歴史的な大会を終えるに当たって,ラドヤード・キプリングの退場のための不朽の賛美歌が思い浮かびます。

喧噪けんそうと叫び声がやみ

司令官や王は世を去っても

いにしえの主の犠牲と,

へりくだり悔いる心は残る。

万軍の主なる神よ,我らとともにおりたまえ。

我らが主を忘れぬために。

我らが主を忘れぬために。

(God of Our Fathers, Known of Old

『賛美歌』〔英文〕80番)

わたしたちが帰るとき,このすばらしい集会で得た気持ちを胸に,家路に就くことができますように。聞いたことや感じたことが,いつまでも残る愛と平安,悔い改めようとする態度となり,そしてまばゆい福音の陽光の中でさらにもう少しだけ雄々しく立とうという決意となって,わたしたちの内にとどまりますように。

この業の偉大な基本原則に対するさらに輝くわたしたちの証が,それぞれの生活と行いを通して光を放ちますように。

家庭にあって,互いに対する愛と,平和と,感謝の心が増しますように。労働において成功を収め,さらに惜しみなく分かち合えますように。周囲の人々に友情と敬意をもって手を差し伸べられますように。

わたしたちの祈りがあらゆる良いものを与えてくださる御方への感謝と,わたしたちの贖い主である主への愛の表現となりますように。

さて,兄弟姉妹の皆さん,個人的な事柄で恐縮ですが,少し話させていただきます。ヒンクレー姉妹が出席していないことにお気づきの方もいらっしゃるでしょう。わたしが中央幹部に召されて46年になりますが,彼女が総大会に出席しなかったのは初めてのことです。

わたしたちは今年の初めにアフリカに行き,ガーナ・アクラ神殿を奉献しました。そこからサルという大西洋の孤島に飛び,地元の教会員と会いました。次にカリブ諸島のセントトーマス島に行き,何人かの教会員と会いました。そしてその帰路,妻は過労で倒れました。それ以来,体調が思わしくありません。彼女は現在92歳,わたしより少し年下です。どうやら時計のぜんまいの巻きが緩んできているようで,どうやって巻き戻したらいいか分かりません。

寂しく思います。今月で結婚して67年になります。妻は,才能豊かで有能な5人の子供の母親,25人の孫の祖母,そして増え続けるひ孫の曾祖母そうそぼです。わたしたちはこれまで,嵐の日も晴れの日も,友として,伴侶として,手に手を取って歩んできました。彼女はこれまで,遠くまで,また広範囲にわたって旅をして,この業に対する証を述べてきました。どこに行っても愛と励ましと信仰を伝えてきました。全世界の女性の方々から感謝の手紙を頂いています。彼女の快復を願い,祈り続けています。妻に付き添い,世話をしてくださっている方々,また,妻のために偉大な信仰をもって祈ってくださっている方々に,心から感謝いたします。そろそろ家路に就く時がやって来ました。最後にこう申し上げます。

神よ,また逢あうまで 汝なれを守りませ……

危うきときには み腕に守りて……

愛の旗掲かかげ 死の恐れを去り……

また逢う日まで 神よ,共に在いませ

(「神よ,また逢うまで」『賛美歌』85番)

老若男女ろうにゃくなんにょ,すべての人々が,2日前に総大会が始まったときの自分よりもさらに善い人となってこの大会を後にできますように。わたしの祝福と愛を,イエス・キリストの聖なる御名によって皆さん一人一人に残します。アーメン。