2019年世界教職員集会の原稿:チャド・H・ウェッブからの教示

チャド・H・ウェッブ兄弟:世界教職員集会へようこそ。セミナリーのスケジュールと教科課程に関して発表された変更について話したいと思います。皆さんは,発表を聞いてとても楽しみにしているのと同時に,質問もあることでしょう。

このスライドは,どのように変更を行っていくかというタイムライン示す図です。2019年3月,大管長会はセミナリーの年間スケジュールと教科課程の変更を発表し,それ〔変更〕は2019年6月に始まると言いました。それに従い,現在のセミナリー教科課程を使用して新約聖書の前半を教えることになります。そして2020年1月からは,わたしに従ってきなさいと同じくモルモン書を教えます。使用するセミナリー教科課程は現在のままです。2021年1月からは,現在の教義と聖約および教会歴史の教科課程用教材を使用します。しかし2022年1月からは,新たな教材,新たな形式で旧約聖書を教えます。

新しい教材が完成する前に,訓練を行います。地域ディレクターに対してはすでに訓練を行いました。深い学習に関する原則と過程について学び続け,理解を深める助けとなるでしょう。次回の地域教師会では,地域ディレクターと地区ディレクターが同じような訓練を皆さんに行います。それから皆さんとともに働く教職員に対して,深い学びの原則に基づいて教職員訓練集会を年間を通じて行ってください。

さて,これらの訓練集会を規定の厳しすぎるものにするつもりはありません。理解を深め,能力を伸ばし,成長し続ける機会となるよう望んでいます。それにより,原則や過程を実施し,生徒たちを祝福するうえで違いを生むようになるためです。それらの原則と実践について教職員で話し合っていただきたいと思います。話し合った原則に基づいた方法を見つけ出し,そして実践するよう望んでいます。各クラスで実施したら,同僚の教職員に報告してほしいと思います。同僚に参観してもらい,クラスでの経験について話し合いましょう。学んだことを分かち合い,よりよくできるよう助け合ってください。最終的には,これらの取り組みにより生徒一人一人が皆祝福されるように望んでいます。

さて,これは主に,学校の敷地内などで行われているリリーストタイム・セミナリーの教育者やコーディネーターのグループに向けた教師会です。しかし,コーディネーターは,これらの原則と実践について,また自分が訓練を受け,実践するスキルを,召しを受けた教師のための教師会に合うように教えることができます。新たな枠組みや用語で教師を混乱させたくはありませんが,生徒を祝福する概念や方法を学ぶことは役立つと思います。

例えば,皆さんが効果的かつ義にかなった行いをする能力を高める方法学んだら,それらの概念を召されている教師にぜひ教えてください。わたしちが深い学習についてうまく教えられるようになればなるほど,召された教師たちをさらに助けられるようになります。教室においてさらに効果的な学習経験をもたらすために,教え方の原則と過程だけでなく,必要な経験にもっと焦点を当てるよう訓練を行ってください。

教職員集会の参加者として,真剣に臨み,意欲的な良い生徒となってください。主は皆さんに教えたいと望まれています。皆さんがクラスに参加する生徒に望むように,心を開いて,へりくだった心を持って臨むなら,主は皆さんに個人的な啓示を通して驚くべきことをなさるでしょう。

新しい考えと教え方に心を開いてください。教師用教科課程のレッスンに書かれていることよりも,皆さんが霊的導きを求め,経験を分かち合うときにさらに大きな成功がもたらされることでしょう。ともに話し合い,互いのレッスンを見て気づくことによって得られる成長を想像してみてください。深い学びを実践する取り組みにおいて互いにフィードバックをし合うのです。

理解するよう望まれていることを,主が皆さんに教え,備えることができるように,教職員集会の参加者として最善を尽くしてください。皆さんが教室で主の子供たちを祝福することができるようにするためです。

最近ソルトレークの教職員と会い,この考えについて話しました。そして,深い学習についてや,原則を見出し,それをどう実践し,クラスでどのように行うか,また互いに参観して話し合うことについて,教職員として話し合う機会を持つことをどう思うか尋ねました。それらのことについて色々考え,理解と能力を高めるそのような機会があればとてもうれしいと言いました。「でもほんとうにやりますか」と尋ねると,「はい,ぜひやりたいです。教師会で,教職員が一緒に経験したいです」とこたえました。

世界中のすべての教職員やグループがそのような経験をし,生徒を祝福するために,スキルはもちろん,啓示を受ける能力も高める助けとなればと思っています。ですから,もし教職員と一緒に参加しているのならば,この放送が終わった後の数分間を使い,この訓練をどのように展開していくか計画を立て始めてください。

新たな教科課程についても,少し話したいと思います。誤解や思い込みがあるようです。

まずは,正確な情報を得るために,教職員ウェブサイトの「よくある質問」を参照してください。幾つかの答えを採り上げ,この新たな教科課程がどういうものか,またはどういうものではないかという観点から少し述べたいと思います。

それは,家庭中心,セミナリーサポートの形の教科課程であり,年間スケジュールです。その原則により,今回の決定が導き出されました。

しかし,セミナリーでわたしに従ってきなさいを使用することはありません。家庭において両方の教材で学ぶ内容が,毎週揃うわけではありません。セミナリーの教科課程は9か月ですが,わたしに従ってきなさいは12か月です。ですから,完全に揃えることはできません。しかし,セミナリーの教科課程は家庭での学習を支援します。時に生徒は,まず家庭で関連のある聖句を読んで学び,家族や個人で学習したことをセミナリーに持ってきます。また時には,ある真理をまずセミナリーで学び,それらを家庭での学習に生かし,家族を祝福します

新しい教材は,教義を基としたものです。それは,聖典の配列順レッスンやテーマ別学習の利点を取り入れながら,生徒の学習成果に焦点を当てるという考えを生かしたいということです。新しい教材は,聖典に深く根差したものです。主が聖典の物語の中で示された原則を教えます。それらの原則が教えられた背景を紹介し,神の言葉によってのみもたらされる力を引き寄せます。

新しい教材を使って効果的に教義を教えるには,配列順に効果的に教えらなければなりません。配列順に教えることに焦点を当てることは,今まで必要だったことであり,これから異なった形式で教えるための備えとなるでしょう。

聖典の各書を配列順に学ぶことや重要な聖句ブロックを学ぶことに加え,テーマ別や概念別アプローチをすることによる恩恵を得たいと思います。聖典の主だったテーマを学ぶこと,パターンを見出して関連付けること,聖典の広範囲にわたって同じ原則について学ぶこと,さらには複数の聖典から複数の原則を学ぶことは,間違いなく有益です。違う個所に記述されている説教や例,説明,教義の特定の点などを集めて,必要な時間を取ることにより,生徒が深い学習をすることができるようになります。

このアプローチが,すべての内容を教えなければならないというプレッシャーから教師を自由にし,生徒が最も必要としていることに焦点を当てられるようになることを願っています。

また,学習成果を基とした教科課程において,生徒たちを祝福するためにできる重要なことを幾つか見つけました。教室での経験が,生徒が何を学び,コース修了時に何を行えるようになるかということに焦点を当てたものとなるよう願っています。それらの経験ができるようにということを心にとめて,教科課程を策定しています。わたしたちは皆,生徒たちが宣教師や父親,母親となり,イエス・キリストの弟子として教会で奉仕するための準備をするよう願っています。生徒たちの信仰を深め,ほかの人に福音の原則を説明できるように助け,主が望まれるすべてのことを成し遂げられうよう備えるための経験を与えたいと思っています。

従って教科課程の作成者は,配列順アプローチの利点,テーマ別アプローチの利点を生かし,なおかつ学習成果に焦点を当てた教科課程を作成するという任務を与えられました。これを聖文教授および学習法の教義的アプローチと呼ぶことにしました。

ですから2022年からは,4つのコースは次のように呼ばれます:イエス・キリストと永遠の聖約,イエス・キリストと弟子たちによる教導の業と教え,イエス・キリストについてのもう一つの証,イエス・キリストと主の回復された教会の歴史。

どういうものではないかを明確にすると,聖典を使わないということはありません。福音のテーマを聖典を使わずに教えたことがあった30年前に戻るのではありません。道徳観を教えたり,今日のテーマについて教えることもありません。

これからも聖典に根付いたものとなります。主だったテーマや福音の原則,わたしたちがセミナリーの生徒一人一人に望む学習成果に焦点を当てます。採り上げられるテーマは聖句から生じるものであり,天父とその計画,イエス・キリストとその贖罪,主の教え,主の模範,主の神性,そして,わたしたちを高め,祝福し,癒してくれる,能力を授ける力に焦点を当てたものとなります。