第1課

「わたしたちの宗教のかなめ石」

モルモン書:福音の教義クラス教師用手引き


目的

モルモン書がどのようにわたしたちの宗教のかなめ石となっているか,またその教えに従うことによってどのように神に近づく助けとなるかを理解できるようにする。

準備

  1. 以下の聖句を読み,内容について深く考え,祈る。1ニーファイ13:38-4119:232ニーファイ25:21-2227:2229:6-9モルモン8:26-41エテル5:2-4モロナイ1:410:3-5教義と聖約10:45-4620:8-1284:54-58。モルモン書の巻頭にあるタイトルページ,「序文」,「三人の証人の証」,「八人の証人の証」,「預言者ジョセフ・スミスの証」も研究しておく。

  2. そのほかの読書課題--エズラ・タフト・ベンソン「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,4-7

  3. 『モルモン書生徒用学習ガイド』(35684 300)を生徒の人数分取り寄せる(日曜学校会長会から受け取る)。

  4. 事前に,3人の生徒に,それぞれ「預言者ジョセフ・スミスの証」,「三人の証人の証」,「八人の証人の証」を要約して発表する準備をしておくよう頼んでおく。

  5. 以下の教材を入手できれば,レッスンで使用する。

    1. 絵「天使モロナイの訪れ」(『福音の視覚資料セット』404);「金版を受けるジョセフ」(『福音の視覚資料セット』406)

    2. 「この時代のために」(4分30秒),『モルモン書ビデオ・プレゼンテーション』(53911 300)より。

レッスンの展開

導入

適切であれば,以下の活動または教師が考えた活動をレッスンの始めに行う。

黒板に石でできたアーチの絵を描く。

keystone

正確に造られていれば,このような橋はモルタルなしでも崩れないことを説明する。

  • 何がアーチを一つにつないでいるのでしょうか。

アーチの中心の石に「かなめ石」と書く。アーチのほかの石を支えているのはかなめ石であることを説明する。本課では末日聖徒イエス・キリスト教会のかなめ石について学ぶ。

聖句を使った話し合いと応用

クラスの生徒の必要に最も適した聖句,質問,そのほかの資料を祈りの気持ちで選ぶ。選んだ聖句を日常生活でどのように応用できるかを話し合う。聖句で述べられている原則に関連した適切な経験を分かち合うよう生徒に勧める。

1.モルモン書はわたしたちの宗教のかなめ石である

生徒にモルモン書の「序文」を開かせ,生徒の一人に6番目の段落を読んでもらう。「導入」にある活動を行った場合には,黒板の「かなめ石」の文字の下にモルモン書と書く。

「導入」にある活動を行わなかった場合は,黒板に「モルモン書=かなめ石」と書き,アーチのほかの石を固定し,アーチが崩れるのを防いでいるのはかなめ石であることを説明する。

  • なぜジョセフ・スミスはモルモン書をわたしたちの宗教のかなめ石と呼んだのでしょうか。

    エズラ・タフト・ベンソン大管長は次のように説明している。「かなめ石が取り除かれたらアーチが崩れ落ちるように,この教会のすべての教えはモルモン書の真実性に依存しているのです。」(「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,6)

  • 教会が「モルモン書の真実性に依存している」のはなぜでしょうか。

この質問について話し合ってから,生徒の一人にべンソン大管長の以下の言葉を読んでもらう。「モルモン書は3つの点でわたしたちの宗教のかなめ石です。それは,イエス・キリストにかかわる証のかなめ石であり,わたしたちの教義のかなめ石であり,証のかなめ石です。」「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,5)

黒板に「キリストの証」と書く。

  • 生徒にモルモン書のタイトルページを開くように言い,このページは預言者モロナイにより書かれたものであることを説明する。2番目の段落によると,モルモン書の3つの目的は何でしょうか(イスラエルの家の残りの者に,主が彼らの先祖のためにどれほど偉大なことを行われたかを示す。主から求められている聖約を教える。イエスがキリストであり,すべての国民に御自身を現されることをすべての人に確信させる)。

  • 1982年,モルモン書の表題に「イエス・キリストについてのもう一つの証」という副題が加えられました。救い主についてのもう一つの証が与えられることはなぜ大切なのでしょうか(1ニーファイ13:38-412ニーファイ29:6-9参照)。モルモン書はキリストを証するものであることを世界に宣言することはなぜ大切なのでしょうか。

  • イエス・キリストについて,あなたはモルモン書からどのようなことを学んできたでしょうか。あなたのイエス・キリストに対する証は,モルモン書によってどのように強められたでしょうか。

黒板に「教義」と書く。

  • どのような意味からモルモン書は「わたしたちの教義のかなめ石」となっているのでしょうか(教義と聖約10:45-4620:8-12参照)。

    ベンソン大管長は次のように述べている。「モルモン書に『イエス・キリストの完全な福音』(教義と聖約20:9)が載せられていると言われたのは主御自身でした。それはすべての教え,これまでに啓示されたすべての教義が載っているということではありません。むしろ,モルモン書には救いに必要な教義が完全な形で収められているということなのです。」(「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,6)

  • モルモン書によって,重要な福音の教義に対するあなたの理解はどのように深まったでしょうか。

黒板に「証」と書く。

  • なぜモルモン書は回復された福音に対する証を得るために,なくてはならないものなのでしょうか。

  • モルモン書に対する証を得て,その教えに従う人にはどのような祝福があるでしょうか。モルモン書が真実であることの証を得るには,何をしなければならないでしょうか(モロナイ10:3-5参照)。

どのようにモルモン書が真実であることを知るようになったかについて,生徒に自分の経験を話してもらう。

2.多くの証人がモルモン書について証をしている

「天使モロナイの訪れ」および「金版を受けるジョセフ」の絵があればここで見せる。前もって頼んでおいた生徒に,「預言者ジョセフ・スミスの証」に記されている出来事を要約してもらう。その後,ジョセフ・スミスがモルモン書の翻訳を終えた後,ほかの人々も金版を目にする特権を得たことを説明する。前もって頼んでおいた生徒たちに,「三人の証人の証」および「八人の証人の証」の要約を発表してもらう。

  • 金版について証人が存在することはなぜ大切なのでしょうか(エテル5:2-4参照)。ほかに証人たちがいたことは預言者ジョセフ・スミスにとってどのような助けになったと思いますか。

  • モルモン書が真実であることについて,ほかにどのような証人がいるでしょうか。

ビデオ・プレゼンテーション「この時代のために」を使用するのであればここで見せる。

3.モルモン書はわたしたちの時代のために書かれた

モルモン書は古代の記録ではあるが,わたしたちの時代のために書かれ,保存されたことを指摘する(2ニーファイ25:21-2227:22モルモン8:34-35モロナイ1:4)。

  • 生徒とともにモルモン8:26-41を読む。これらの聖句にはモルモン書が世に現されることに関しての預言の言葉が含まれていることを説明する。モルモン書が再び現れるとき,世の中はどのような状態にあることをモロナイは予見しましたか(生徒の答えを黒板に書く。以下のような答が考えられる)。このような状態は今日の世界にどれほど頻繁に見られるでしょうか。

    1. 「神の力が否定され」る(28節)。

    2. 「地の面にひどい汚れがあ」る(31節)。

    3. 人々は「心を高慢にして高ぶる。」(36節)。

    4. 人々は「貧しい人と乏しい人……を愛する以上に,金銭……を愛……する。」(37節

    5. 人々は「キリストの名を受けるのを恥じる……。」(38節

  • わたしたちはどのようにして古代の預言者の教えから助けを求めることができるでしょうか。モルモン書がわたしたちの時代のために書かれたことを知っていると,モルモン書を学習する姿勢にどのような影響を受けるでしょうか(1ニーファイ19:23

    ベンソン大管長は次のように教えている。「モルモン書〔は〕……わたしたちのために書かれたもの……です。ニーファイ人たちにも,古代のレーマン人たちにもモルモン書はありませんでした。まさにわたしたちのためのものなのです。……モルモン書の執筆者たちは口をそろえて,それが後世の人々のためであることを証しています。……彼らがこの日のことを見,わたしたちのためになることを選んでくれたとしたならば,なおさらモルモン書を学ぶ必要があるのではないでしょうか。『この記録をモルモン(モロナイあるいはアルマ)に書くよう主が霊感を与えられたのはなぜだろうか,現代の生活への教訓として何を学べるのだろうか』と絶えず自問する必要があります。」(「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,6)

4.モルモン書により神に近づくことができる

一人の生徒にもう一度モルモン書「序文」の6番目の段落を読んでもらう。

  • 「教え」とは何でしょうか(戒めまたは原則)。モルモン書の教えはわたしたちをどのように神に近づけてくれるでしょうか。

  • もしわたしたちがモルモン書を学ばないならば,わたしたち個人に,また教会に,どのような結果を招くでしょうか(教義と聖約84:54-58参照)。

  • モルモン書を定期的に学び,内容について深く考えることにより,あなた自身の生活にどのような変化と祝福がもたらされてきたでしょうか。

結び

以下のエズラ・タフト・ベンソン大管長の言葉を読むか,生徒の一人に読んでもらう。

「〔モルモン書を〕真剣に読み始めるや否やその力は読む者の人生に流れ込み,誘惑に打ち勝つ力となります。またそれは欺きを避ける力となり,まっすぐで狭い道にとどまる力となります。……神の言葉に飢え渇く者はモルモン書を通して豊かに得られるようになるのです。」(「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,6-7)

クラスの生徒一人一人に,今年モルモン書を学ぶことにより,これらの約束の成就を自分で体験するよう勧める。

本課で話し合われた事柄が真実であることを,御霊に導かれるままに証する。

クラスの生徒一人一人に『モルモン書生徒用学習ガイド』を配布する。毎週のレッスンに出席するための準備をするときに,このガイドを活用して聖文を研究するよう勧める。

教えるためのそのほかのアイデア

以下の資料はレッスンの概要を補足するためのものである。この中の幾つかをレッスンに取り入れてもよい。

1.福音の回復におけるモルモン書の重要性

黒板に以下の文を番号を振らずに書く。

  1. 死者のための神殿の業が始まる。

  1. メルキゼデク神権が回復される。

  1. 使徒が召される。

  1. ジョセフ・スミスが最初の示現を受ける。

  1. 教会が組織される。

  1. モルモン書が翻訳される。

生徒に,これらの出来事が起こった順番を答えてもらう(各文の左にある番号が正解;生徒が順番を正しく答えたら黒板に番号を振る)。その後エズラ・タフト・ベンソン大管長の以下の言葉を読むか,生徒の一人に読んでもらう。

「モルモン書が大切なものであることについての……強力な証は,主が福音の回復の過程において,モルモン書をいつ登場させたもうたかということです。モルモン書に先立ったものは最初の示現だけでした。……

これはどういうことなのでしょうか。モルモン書がもたらされたのは神権の回復の前でした。またその出版は,教会が組織される数日前のことでした。3つの光栄,日の栄えの結婚,死者のための儀式など大切な教義に関する啓示が与えられる前に,聖徒たちはモルモン書を渡されました。神権定員会や教会が設立される前にこの世にもたらされたのです。このことは,主がこのモルモン書をどのように御覧になっているかを物語っているのではないでしょうか。」(「モルモン書--わたしたちの宗教のかなめ石」『聖徒の道』1987年1月号,4)

2.モルモン書を分かち合う

教会員でない友人や知人にプレゼントするために会員がモルモン書を入手する方法についてビショップリックやワード伝道主任に相談する。

教会員でない友人や知人にモルモン書をプレゼントすることを今年のクラスの目標とするよう提案する。生徒にモルモン書を入手する方法を説明し,この1年間に友人や知人のうちの少なくとも一人にモルモン書を1冊プレゼントするよう勧める。

この1年に何回か,御霊の導きに従い,すでにモルモン書をプレゼントした生徒がいるかどうかを尋ねる。そのような生徒がいれば,その経験を簡単に話すよう勧める。引き続き生徒たちにモルモン書をだれかにプレゼントするよう勧める。