聖文
モーセ書4


第4章

(千八百三十ねんがつ-十がつ

サタンはどのようにしてあくとなったか。サタン,エバをゆうわくする。アダムとエバはらくし,はいる。

1 しゅなるかみであるわたしは,モーセにかたってった。「あなたがわたしのひとによってめいじたあのサタンは,はじからいたものである。かれはわたしのまえった。『らんください。わたしがここにいます。わたしをおつかわしください。わたしはあなたのとなりましょう。そして,わたしはぜんじんるいあがなって,一人ひとりうしなわれないようにしましょう。かならわたしはそうします。ですから,わたしにあなたのほまれをあたえてください。』

2 しかしよ,はじめからわたしがあいえらんだものであるわたしのあいするは,わたしに,『ちちよ,あなたのこころおこなわれ,えいこうはとこしえにあなたのものでありますように』とった。

3 あのサタンはわたしにそむいてしゅなるかみであるわたしがあたえた,ひとせんたくゆうそこなおうとしたので,またわたしのちからぶんあたえるようにもとめたので,わたしはひとちからによってかれとさせた。

4 そして,かれはサタン,すなわち,あらゆるいつわちちであるあくとなって,ひとびとあざむき,まどわし,またまことに,わたしのこえこうとしないすべてのものぶんのままにとりこにするものとなった。

5 さて,しゅなるかみであるわたしがつくったもののうちで,へびもっとこうかつであった。

6 そこで,サタンは(すでにおおくのものをせてぶんしたがわせていたので)へびこころなかおもいをれ,エバもだまそうとした。かれかみおもいをらなかったので,ほろぼそうとしたのである。

7 かれおんなった。『そののどのからもってべてはならないと,ほんとうにかみわれたのですか。』(かれへびくちとおしてかたった。)

8 おんなへびった。『わたしたちはそのべることをゆるされています。

9 しかし,そのちゅうおうえるについては,ってべてはならない,れてもならない,んではいけないから,とかみわれました。』

10 すると,へびおんなった。『あなたがたはけっしてぬことはないでしょう。

11 それをべるに,あなたがたのひらけ,かみのようにぜんあくものとなることを,かみっておられるのです。』

12 おんながそのると,それはべるにく,にはうつくしく,かしこくなるにはこのましいおもわれたから,そのって,また,ともにいたおっとにもあたえたので,かれべた。

13 すると,二人ふたりひらけ,ぶんたちがはだかであることをった。そこで,かれらはいちじくのをつづりわせて,まえけとした。

14 すずしいころ,かれらがそのなかあるいていると,しゅなるかみこえこえた。そこで,アダムとそのつましゅなるかみおもてけて,そのあいだかくした。

15 しゅなるかみであるわたしは,アダムにびかけてった。『あなたはどこへのか。』

16 すると,かれこたえた。『そのなかであなたのこえき,おそれて,かくしました。ぶんはだかであるのをたからです。』

17 しゅなるかみであるわたしは,アダムにった。『あなたがはだかであるのを,だれがらせたのか。べてはならない,べればかなら,とめいじておいたから,あなたはってべたのか。』

18 そこで,ひとこたえた。『あなたがわたしにあたえてくださって,わたしとともにいるようにとめいじられたおんなが,そのをくれたので,わたしはべました。』

19 そこで,しゅなるかみであるわたしは,おんなった。『あなたはなんということをしたのか。』すると,おんなこたえた。『へびがわたしをだましたのです。それでわたしはべました。』

20 しゅなるかみであるわたしは,へびった。『おまえはこのことをしたので,すべてのちくのすべてのけもののうち,もっとのろわれる。おまえははらまわり,いっしょう,ちりをべるであろう。

21 わたしはうらみをく,おまえとおんなとのあいだに,おまえのそんおんなそんとのあいだに。かれはおまえのあたまくだき,おまえはかれのかかとをくだくであろう。』

22 しゅなるかみであるわたしは,おんなった。『わたしはあなたのみのくるしみをおおいにす。あなたはくるしんでむ。それでもなお,あなたはおっとしたい,かれはあなたをおさめるであろう。』

23 また,しゅなるかみであるわたしは,アダムにった。『あなたがつまこえしたがい,ってべてはならないとわたしがあなたにめいじたべたので,はあなたのためにのろわれ,あなたはいっしょうくるしんでからしょくもつるであろう。

24 はあなたのために,いばらとあざみをしょうじ,あなたはくさべるであろう。

25 あなたはかおあせしてパンをべ,つちからられたので,ついにつちかえる。あなたはかならぬであろう。あなたはちりであったから,ちりにかえるのである。』

26 さて,アダムはそのつまをエバとんだ。かのじょがすべてのいのちあるものははであったからである。しゅなるかみであるわたしは,かずおおいるすべてのおんなさいしょものをこのようにんだ。

27 しゅなるかみであるわたしは,アダムとそのつまかわころもつくってせた

28 そして,しゅなるかみであるわたしは,ひとった。『よ,ひとはわたしたちの一人ひとりのようになり,ぜんあくものとなった。かればして,いのちからもってえいきゅうきるかもしれない。』

29 そこで,しゅなるかみであるわたしは,かれエデンそのからして,かれしんされたつちたがやさせることにした。

30 しゅなるかみであるわたしがきているように,まことにそのように,わたしのことすることはありない。それはわたしのくちからると,じょうじゅしなければならないからである。

31 そこで,わたしはひとし,エデンのそのひがしに,ケルビムと,あらゆるほうこうまわえるつるぎいて,いのちみちまもらせた。」

32 (これらは,わたしがしもべモーセにかたったことであり,まことにわたしののぞむとおりにしんじつである。わたしはあなたにこれをかたった。わたしがあなたにめいじるまで,あなたはしんじるもののほか,だれにもこれをしめしてはならない。アーメン。)